コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「天空の一目山ライド」

コルナゴ部長こと中尾公一さんレポートさんから最新レポートが届きました。

今回は去年に引き続き大人気で予約がすぐに満員になった、春の小国を満喫する特別ライドです。ロードバイクを始めて8ヶ月目の女性にもご参加頂きました。中尾さんの人柄がサイクリング歴や年齢、ジェンダーを越えて惹きつける、魅力のあるツアーになっています。

 

昨年も好評だった小国の一目山ライドを小国町の佐々木さんと共同で募集し、佐々木さんが弱虫ペダル愛好会を担当、私が阿蘇満喫モニターライドを担当して4月17日に開催した。ルートは佐々木さんに決めてもらい、通常は立ち入ることができない野焼きが終わった一目山(ヒトメヤマ・現地ではイチモクサンとも呼ばれる)の牧野と、杖立温泉の鯉のぼり祭りという春の小国の魅力が体験できるコースだった。

募集はそれぞれ15名で佐々木さんと弱虫ペダル愛好会のKさんがサポートカーを出された。要所での道案内や脱いだり着たりするサイクルウェアの運搬を2台の車で手厚くサポートしていただいた。コースガイドは私を含めて牧野ガイド3名で案内したが、地元小国の本田さんには渋滞した杖立温泉の迂回路を案内してもらったお陰でスムーズに走ることができた。

集合場所の道の駅小国ゆうステーション近くのけやき広場からライドのメインとなる一目山の牧野(正式には上田第一地区牧野)を目指した。ファームロードから入る牧野入り口まで勾配のキツい上りが続き、牧野のゲート入り口に着くと佐々木さんが待機されており、最後尾の通過後にゲートを締めて広大な牧野が私たちだけの貸し切りとなった。

 

ゲートから先は野焼きされた牧野が続く。天気は快晴、最高のサイクリング日和だが厳しいヒルクライム(5.8km・平均勾配8.9%)にはちょっと恨めしい。だが景色が素晴らしいので気持ちは失せずペダルを回し続けた。上りの前には最後尾から先頭まで行ったり来たりして参加者に声掛していたが、ここに至っては先頭グループに追い付くのはとてもじゃないが無理、でもどこからでも見える巨大な風車が並ぶ頂上までは一本道なので案内は不要、それぞれのペースで走ってもらった。

 

路面は舗装してあるものの波打つように劣化しているので勾配以上に疲れた。それに最近軽量ホイールから45mmハイトのホイールに変えて長い上り坂は初めてだったので余計にそう感じるのかもと思ったが・・・

 

機材のせいではない。

厳しい坂なのに大分からファームロードの牧野入口まで70km、往復するだけで140kmの自走組の淡々とした会話や、この時期なのにまっ黒に日焼けした脚のエベレスティングジャージ、毎年早くなる女子ブルベライダーの元気な歓声、そんなギャップに練習不足が身に沁みた。

 

大分自走組のSさんが、それまで一緒に走っていたグループから遅れられたので私は追い越した。あとでメッセンジャーに写真が送られてきて、わざわざ私を撮るために後退されたようだった。いつもこうやって、どなたかに写真を撮ってもらうお陰でこのようなレポートを書くことができる。通常、先頭で案内しているので写真を撮る余裕がなく、みなさんには感謝するしかない。

 

最後の角を曲がると風車が目の前に現れ羽根の回る影を超えると頂上まですぐとなる。

そして到着!

厳しい坂の連続だった。平均斜度8.9%、最大は確か19.8%だったと思う、でも全員頂上に立つことができた。圧巻の眺め、やり遂げた達成感、この快感は今日の参加者34名だけのものだ。

 

ファームロードの入口(グーグルマップでは遊夢農園近く)から5.8km・獲得標高527mの頂上は「阿蘇小国ウィンドファーム」の風車5基があることから分かるように、景色を閉ざすものはなく360度の大パノラマにみなさん感激の様子だった。ここは大観峰の真後ろの位置にあるので阿蘇の五岳は大観峰から見る涅槃像を小さくした山容になる。しばらく眺めていると汗冷えしてきそうだが、そこはサポートカーにウィンドブレーカーなどを預けているのでとても助かった。

ファームロード入口から一目山頂上までのルート

https://ridewithgps.com/routes/39142370

 

頂上には昨年末まで放牧されていた牛の乾いた糞に混じり鹿の新しい糞が多く見られた。上っている途中にも牧野の斜面を走る鹿を2頭見たが阿蘇の牧野でもよく見られるように鹿が多く生息しているようだった。

 

車の通らない道を自転車で来ることができて、風景を閉ざさない牧野の景観は感激の連続、それも貸し切りで楽しめるこんな絶景スポットなんて滅多にないだろう。放牧されていない冬季の限られた日だけを、サイクルスポーツのフィールドなど観光資源として活用する方法もあるかも知れないが、それは地元の人が望まれての話、とりあえず来年も一目山ライドが開催されることを祈る。

 

帰りのダウンヒルは陥没や石や岩が転がっていることもあるが絶景にも目を奪われないように慎重に下った。

途中、こんな脇道も楽しんだ。

山肌の筋みたいなっているのは、牛道と呼ばれる放牧の牛が歩いたところだ。こんな坂でも牛は横に移動しながら毎日5km歩く。美味しい草を求めていたのだろうかコンクリート道の上には牛の糞があった。牛は草を食べた後しばらくは地面に伏せて反芻する。その際に風が抜ける丘の稜線や電波塔がある頂上は虫よけになっていたのか、それとも涼を求めてなのかも知れない。箱石峠の上にある町古閑牧野でも丘の天辺など風が抜けるところには大量の糞があり多くの牛の溜まり場になっている。いずれも視界がいいところなので満腹のあとの憩いの場なのかも知れない・・・なんて想像は尽きないがとにかく眺めが良くて気分もいいのだろう。

こんなスペシャルな道を走って麓まで下りると、ファームロードから国道387号の打越神社近くに出るまでの農道が実に穏やかな田園風景だった。色がないモノクロの一目山の牧野から、たまに見える集落の方が植えた花や、走りながら挨拶すると返って来る農家の方々の声に気持ちが温かくなった。

 

昼食は楽しみにしていた木魂館の「ごはん処北里バラン」

 

ここのおすすめは小国ポークのフキ味噌焼き。フキ味噌に絡む厚めに切られた小国ポークがたまらない美味しさ。特に走った後の味噌の濃厚さとフキの香りが絶妙な逸品だ。

また、大人数で来ても年配の女性スタッフさんはテキパキとサービスをこなし、待つのはそれなりだが、盛り付けも食事の温かさも抜かりはない。清算も一列に並んで現金や電子決済でとてもスムーズ。今回は昼食会場を2班に分かれて16名で利用したがまったく無問題、全員来ても対応や待ち時間は変わらなかったのではと思った。

 

食事の後は木魂館のすぐ下の田舎道を通って国道212号へ行った。この道がまた田畑や集落を通りホッとするような道で、地味だがこのような幾筋の農道をつなぎ合わせるサイクリングが小国を走る魅力かも知れない。下城の滝では昼食で別れたグループを待つ時間にちょっとこんなところで遊んで杖立温泉に向かった。

 

杖立温泉鯉のぼり祭り会場に到着、にぎやかで、カラフルで気持ちも和らぐが、人手の多さと車の渋滞にちょっと圧倒された。鯉のぼり祭りは5月6日まで開催されるが、この日は212号から橋を渡っていく杖立温泉へのメインルートは駐車場待ちで大渋滞だった。私たちは押し歩きで行ったもののけっこう歩かされた。帰りは杖立郵便局の前の橋を渡って郵便局を正面に見て左折すると細い道で212号に出ることができる。自転車で訪ねるならこれの逆ルートだとどんなに人が多くても全く問題ない。

 

白いコルナゴCLXの女性は自転車始めて8か月、赤いM10の私とは14年の経験の差がある。年齢だと40歳の差、でも普通に一緒に走って普通に会話ができる。そして職業も男女も年齢も関係なく「また一緒に走りましょう」となる。それが自転車遊びのいいところではないだろうか。

 

この日、久留米のkeiさんがデザインした和柄のジャージの初おろしだった。

Keiさんの実家は、お茶の産地で有名な八女市の北側、なかでも日本茶を代表する玉露の産地で有名な星野村の麓にあり、山の斜面の集落や茶畑・棚田という昔ながらの景観が今も残っている。そこで故郷を想い「日本の美しい村や伝統文化を守りたい、そして未来へ残したい風景を自転車で探しに行く」そんなテーマで作られ賛同したメンバー29名がオーナーになっている。

 

ジャージにデザインされたデンマーク語の「Hygge(ヒュッゲ)」とは、2021年度の世界幸福度ランキング2位の国民であるデンマーク人が大切にする言葉であり、時間の過ごし方や心の持ち方を表す意味という。ネットで調べると、「日本語でぴったりくる言葉だと、ホッと寛げる心地よい時間や、そのような時間を作ることで自然と生まれる幸福感や充実感、それに暮らしの姿勢とも呼べるかもしれない」。Keiさんはそのことをサイクリングに喩えたのだろう。

「サイクリングは一度走ったらお友達」といわれるがそれは自転車乗りなら誰しも経験したことであり、人生の幸福感や充実感は生涯の友人あってのものだと私は思っている。毎月2回開催している阿蘇満喫モニターライドは、旬の阿蘇のサイクリングや九州のサイクリング情報の発信である。これからも皆さんの感動の雰囲気や笑顔を活かして、阿蘇・九州の魅力を伝えると共に自転車仲間の出会いになればと思っている。

色彩のない一目山、のどかな農道の道、おばちゃんたちが力一杯働く木魂館、杖立川の宙に泳ぐ色鮮やかな鯉のぼり、そして懐かしい人との再会や初めて会う人との出会い、46km・獲得標高1108mのライドはまさに「Hygge」だった。

今回のライドのメインは一目山なのでそれが終わった時点で余韻を楽しむクールダウン的なコースになっている。なので一目山を下ったら帰りの時間を考えて大分自走組は離脱された。阿蘇からの自走組や体力的に終わりたい人も昼食後別れて最終ゴールは24名だった。集団で走るとき勝手な行動はアウトだが、個人の責任で途中離脱するのは自由でいいと思っている。それは体力の差の解消や、休日の限られた時間の有効利用として参加してもらったらと考えているからだ。

最後に個人的な思いだが、今回走った小国、となりの南小国は知る人ぞ知るあの「九州Heaven Ride」の開催地である。そのポテンシャル言うまでもないが、2013年から始まり2019年で幕を閉じて以来、この地域の魅力を忘れた感もあり残念に思っている。そこで地元サイクリストと共同で募集して今風のライドながらHeaven Rideの”さわり” を参加者に体験してもらった。これからもヘブンライダーとして「究極の大人の遊び」を忘れずに、この地域にはこだわっていきたいと思っている。

 

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