コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「宮澤崇史さんの牧野ライド」

野焼きの後は、牧野ライドの絶好のシーズンになります。
真っ黒に焼けた牧野の中を、自転車ロードレースのレジェンド宮澤崇史さんと共に巡られたレポートとなっております。

元自転車プロロードレーサーの宮澤崇史さんに牧野ライドを体験してもらった。
宮澤さんといえば2011年の東日本大震災直後に「ミラノ~サンレモ」で全日本チャンピオンジャージを着た宮澤さんを中心に黙とうがささげられたシーンは今も記憶に残っている。
国際自転車競技連合の主催するUCIプロツアーの有力チーム「サクソバンク」在籍中には、リーダージャージとポイントジャージに日本人選手として初めて袖を通された。
国内においても数々の大会で優勝され、アジアチャンピオン、オリンピック代表、そして18年間の海外を中心としたレース活動を経て2014年に36歳で引退、現在はリオモ・ベルマーレ レーシングチームの監督のほか、レース解説、選手育成など自転車競技の発展に努める一方、母親に生体肝移植後プロ復帰に成功した世界で唯一のアスリートとしての経験を生かして教育や医療分野での講演会やチャリティー活動も行われている。

東日本大震災の4日後のミラノ〜サンレモに出場が決まった時の宮澤さんのコメントは、「自分に出来る全ての気持ちをペダルに乗せて走ってきます。被災地の人達に見てもらうことは出来なかったとしても気持ちを届けたいと思います。サイクルスポーツの関係者のみなさん、こんな時こそレース活動してください。黙っていては前に進まない!」
当時の私のブログを見るとこう書いていた。
『レース前日には「明日の仕事は前半の逃げに乗る事、前半から全開だ」と宮澤選手は語っていた。当日は東日本大震災の犠牲者に捧げる黙とうで始まり、出走サイン台に集まった選手たちは、義援金としてチャリティオークションに出される日の丸に全員がサインした。アルカンシェルのフースホフトほか各国のナショナルチャンピオンらとスタートラインの最前列に並んだ宮澤選手は、日の丸を手に感極まって涙する姿が映像から流れた。

スタートすると序盤のアタック合戦に加わって逃げに乗り、12km地点で集団から飛び出したデマルキ、シーメンス、イグナチエフ、そして宮澤選手の4人は逃げを決めた。サイクルロードレースの中でも歴史あるこの大会で日本チャンピオンが映像に流れることは考えられないこと、大柄の有力選手の中で必死に先頭を引く勇姿に鳥肌が立った。』

2011年ミラノ~サンレモの動画

 

熊本地震の際には自転車乗りにできる復興イベントを自ら呼びかけられ阿蘇で開催された「La CORSA Kyushu」では、160名の参加があり再び阿蘇を訪れるサイクリストのきっかけになった。詳しくはシクロワイヤードにイベントレポートとして掲載されているので以下のサイトよりご覧いただきたい。

https://www.cyclowired.jp/lifenews/node/209646

 

自転車ロードレースのレジェンド宮澤崇史さんは、オートポリスで開催される全国高校選抜自転車競技大会を視察するために阿蘇の宿泊先の手配を自転車仲間の清田あづささんに連絡された。牧野ガイドである清田さんは阿蘇をベースとした自転車による活動をされていたので「せっかく来たので何か役に立ちたい」と宮澤さんが言われ、阿蘇サイクルツーリズムのことや、減少する草原の対策として取り組んでいる牧野でのスポーツアクテビティのことを話されるとすぐに了解されて、今回の牧野ライド体験とサイクルガイドメンバーとの交流会が実現した。

宮澤さんには恐縮しながらも2日間お付き合いしてもらうことになった。初日はロードバイクでサイクリングのあとサイクルガイドメンバーとの交流会。翌日がe-MTBによる牧野ライドの予定だったが雨予報のため2日目を中止して、急きょ初日に雨が上がる午後から今回のマストな体験の牧野ライドとなった。

しかし、急だったので他のメンバーとの調整が出来ず私と宮澤さん2人でのライドになり写真を撮らせてもらう機会が少なくてちょっと残念だったが、あの宮澤さんが牧野というフィールドとe-MTBの組み合わせに感動の連続だったことは大きな自信になった。

牧野ライドは魅力あるアクテビティであるものの、対象を世界に広げた場合の動画の見せ方やe-MTBのサイズの豊富さ、それにガイド無しでも走れる牧野体験のフィールドなどアドバイスをもらった。そして、何よりも嬉しかったのは、仲間を連れて再訪されると言われたことだった。

案内したのは野焼き後の牧野ライドが体験できる狩尾南牧野と野焼き前の町古閑牧野を走ってもらった。いずれも高い評価だったが野焼きの炎を背景にした写真にたいへん興味を持たれた。

だが年に1度で天候により日程が定まらない野焼き当日のプランとしては無理というのが私たちの常識、しかし、世界を相手に活動された方の意見とすれば、見えることでつくられた壁ということでもあり、例えば「Asotan/あそたんガイドツアーズ」が開催されている野焼き体験に草原ライドを組み込むとか可能な方法を考えさせられた。

こんな体験させてあげたい。

道の駅阿蘇で買った弁当は町古閑牧野で食べようと思っていたが寒くて軽トラの中で話しながら食べた。狭い空間に2人きりだったので味わうというよりお茶で流し込むというくらいまたもや緊張した。ふと、ラピュタの道について尋ねられた。熊本地震により通行止めであること、通れるようにするには巨額の費用のため無理とお答えした。「でも眺めるだけでもいいですね」と話されてここも可能な方法の案件だと思った。

案内するだけだと私の後ろをノロノロと走るだけなので距離を空けたり先に行ってもらったりした。すると、ダウンヒルでは「待ってました」とばかりに飛ぶような勢いで走られた。

時々見えなくなって当たりを探すと「あんなところに!」が何度かあった。

静かに景色を眺められる姿も印象的だった。

野焼きしたばかりの一面真っ黒な狩尾南牧野を案内すると、見た瞬間唖然とされ「ここはいい!」と絶句された。風の音だけの静寂さ、走れば焼け焦げた草の根元を踏む音、フィールドは見渡す限り、こんなところは世界のどこにもないだろう。やはり野焼きの後は牧野ライドの絶好のシーズンになる。

 

小柄な体格ながら世界を相手に戦ってこられた宮澤さんも牧野ライドを満喫された。そして私の下手な話に耳を傾けられた。カルデラのことや千年続く人と自然との共生である野焼きの歴史、草原を観光資源として活用した牧野ライドの経緯をお話した。するとカルデラが九州の1級河川の6つの水源という九州の水がめになっていること、野焼きの際の急斜面の輪地切りの大変さや、当日の煙と炎により怪我人が後を絶たないことにとても興味を示された。宮澤さんから阿蘇サイクリングや牧野ライドをするに当たり困っていることを尋ねられた。個人的な意見として返事すると、あっ、これも見えることでつくられた壁だと思った。

宮澤さんの著作本「プロのロードバイクトレーニング」のはじめに書かれている文章には、『サイクルロードレースには、ハードとソフトという考え方があります。ハードとは主に機材です。ハードに投資する方はとても多いようです。(中略)しかし私はまずは「ソフト」に力を入れるべきだと思っています。ソフトとは体の使い方やトレーニングに関する情報です。私はハードに力を入れてもそれほど早くなるとは考えていません。それよりはソフトに十分に投資することが人よりも先にゴールラインにたどり着くための手段だと考えます。』宮澤さんとご一緒して牧野ライドもそんなことが当てはまると思った。

交流会では「La CORSA Kyushu」を主催された福岡のサイクルショツプ「正屋」の岩崎さんが招待されていたレジェンド中のレジェンド鈴木雷太さんも参加された。実は翌日に予定していた牧野ライドに雷太さんも参加される予定だったが雨で流れたものの「次回必ず体験しに来ます」と強い味方がまた一人増えた。宮澤さん、岩崎さん、雷太さんの共通の知り合いが清田あづささんということで牧野ライド&交流会が実現、大いに盛り上がった。

 

 

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