避暑地阿蘇の水辺スポット~車帰水源~

阿蘇市の西部、北外輪山の麓にある車帰地区の飲み水や農業用水として活用されているのが『車帰水源』。フェンスで保護された水源の場所は水深も浅く、透き通った水がそよそよと流れ、周囲の静けさとも相まって幻想的な雰囲気が漂っています。また、水源以外にも周囲の岩肌から水がコンコンと湧き出る様子も確認できます。そして象徴的な存在としてあるのが、周囲200mもの大きな池。毎分4〜6トンとされる湧水が絶える事なく流れ込んでいます。現在は2020年に開通した、北側復旧ルートの工事の影響で半分ほど埋め立てられた状態ですが、2021年度中には元の美しい姿に戻される予定だとのことです。

 また、周辺には加藤清正が作り、江戸時代には参勤交代にも使われた二重峠の石畳や、その参勤交代の際の休憩所となった的石御茶屋跡などもあります。的石御茶屋跡は裏山からの湧水を池へと注いだ庭園で、豊後街道の中で唯一、往時の面影を残している場所です。車帰水源を起点に各スポットを巡りながら、涼を感じてみてはいかがでしょうか。

 

池を道路側から見て左手、水上に大きく枝を張り出しているのはコブシの木。3月から4月にかけて、枝いっぱいに真っ白な花を咲かせます。風のない日には水面が鏡のようになり、そこに白い花が映し出される情景は一枚の絵画のような美しさです。もちろん、花を咲かせる季節以外でも、青々とした葉を付けた堂々たる枝ぶりは思わず写真に収めたくなる見事さです。また、御神木として祀られているのが巨大な杉の木。すぐそばには水源を守る水神様のほこらも建てられています。一見6本の杉が並び立っているように見えますが、根元を見ると1本の木が枝分かれしているのがわかります。それぞれが天に向かって真っ直ぐに伸びている姿は、大自然の力強さを感じさせてくれます。そのほかにも地域で大切に育んできた自然に覆われ、四季折々の様々な表情を見せてくれます。

サテライト代表者の田口健一さん。ご自身も車帰地区の出身で、車帰水源の水と共に生きてきました。「今は遊泳禁止になっていますが、子供の頃はこの池で泳いで遊んでいました。水が冷たくて気持ちよかったですよ」と懐かしそうに話してくれました。またこの池ではコイを飼育しており、例年6月頃に地域で催される「さなぶり会」で食べるのが恒例だとか。「さなぶり会」は本来、田植えが終わった頃に行われる、豊作祈願と慰労を兼ねた催しだったそうですが、農家が減った現在では地域の懇親会として開催されているそう。清流で育ったコイは泥臭さもなく、鯉こくにすると絶品とのこと。水のキレイな地域でしか味わえない滋味深い味。一度食べてみたいものですね。

住所 阿蘇市車帰559
駐車場 あり
トイレ なし

 

 

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