コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「真夏の阿蘇を涼しく走る」

コルナゴ部長こと中尾公一さんよりレポートをいただきました。
8月7日に行われた「阿蘇満喫モニターライド」の様子をお届けします。

道の駅阿蘇や阿蘇駅周辺で例年清掃活動が行われる8月10日「道の日」の予定を、熊本地震によって不通になっていたJR豊肥線の肥後大津~阿蘇駅間の工事が終わり熊本から大分までの全線が8日に開通することに合わせて、清掃活動が7日に実施されることから阿蘇満喫モニターライドもこの日に開催しスタート前に一緒に清掃活動を行った。(写真は道の駅阿蘇の新しいレストルーム)

清掃後、小雨が降り出したが午前中に回復の予報だったので、しばらく待機して予定より30分遅れてスタートした。ライドに参加された3名の方と一緒に走ったのは、私と道の駅阿蘇の下城さん、それに阿蘇サイクルガイドで町古閑牧野組合のSho君19歳の3名で、天気がよさそうな南阿蘇方面へ向かった。スタート直後から雨に濡れ続けるのを避けるため時間調整を兼ねて自転車乗りには是非見て欲しいところへ立ち寄った。

まずは阿蘇駅近くの精肉店のカルキさん宅に立ち寄り、自室のBarを見学、ちょっとだけギターの演奏をしてもらった。ここは自転車仲間と飲み会をしたりライブ演奏を聞いたりする秘密基地。ストーブがあるが阿蘇は6月と9月には10度近く冷え込む日があるので年間通して置いてある。暑いというのも今のうち、やがてアームカバーがアームウォーマーになり、ウィンドブレーカーが無いと坂が下れなくなるから。

次にサイクリストに優しい「あそら食堂&カフェ」を見学。
朝7時からオープンの朝食が食べられる店で、阿蘇産コシヒカリを圧力釜で炊いた「玄米ごはん」と手作り味噌を使った味噌汁、それに阿蘇産の野菜など体に優しい安心の店。自家製パンには玄米をそのまま混ぜた米粉パンの進化系、調味料は手作りの塩糀、醤油糀、熟成味噌、甘味はてん菜糖が使用されている。

店内はユースホステルを改装した店なので広くて開放感で密からほど遠く、グループでも1人でもゆっくり楽しめる。自転車の人にはうれしいドリンク休憩もOKで、フリーWi-Fi、充電も大丈夫な阿蘇ライドには貴重な食堂&カフェだ。

来店する人は、3時、4時に起きて車やバイクで早朝ドライブを楽しむ人が多いことから、朝からランチ風のニーズが高いため、サンド、カレー、から揚げ、コロッケがメインのセットメニューになっている。軽めが良ければ単品メニューの玄米おにぎり(2個200円)とみそ汁(150円)もおすすめだ。通常はオーナーのトモミさん1人で営業されているのでグループの場合は時間の余裕をもって来られたらと思う。

コースは道の駅阿蘇をスタートして坊中線で草千里方面に上り、途中で合流する赤水線を下って栃木線から149号で垂玉・地獄温泉に立ち寄り、吉田線の中腹に出て草千里に上るか、高森方面に下るか暑さと疲労度で判断する予定。走行距離は最短で45km、少し延ばして55km、65km、75kmで、獲得標高は1100mから1600m。コロナの影響によりみなさん外で走る機会は少ないと想定し、暑さによる体力の消耗など翌日に疲れを残さないよう頑張らずにゆっくり走るように心掛けた。

4日前に真夏の昼下がりに坊中線を走るとどんな感じがするのか試走してみた。多分、多くの人がここを真夏の昼間に走ることを尻込みしているように、猛暑での上りは厳しく、「まったく楽しくもない」もしくは「気分が悪くなる前に引き返す」と考えていた。

ところが道の駅阿蘇から赤水線が合流する9.7kmで450m上る区間を実際に走ってみると、意外と快適で木陰の区間が終わり、開けた草原エリアになっても南からの向かい風が冷風扇のように心地よく、真夏の挫ける上りの追い風になって「これはいける」と、この日のコースにした。当日もあそら食堂から坊中線を走ってすぐに日陰に入ると、急に温度が下がりあまりの涼しさに参加された方はびっくりされていた。

この日はミストのような濡れない雨と霧で向かい風はないが試走の時以上に涼しく、子牛の時期の草原には親子のあか牛が多く、気持ちの余裕もあってみなさん癒されているようだった。それにコロナの影響で車やバイクも少なくサイクリングに集中することもできた。

上っていると標高が高くなるにつれ「涼しい」が「涼し過ぎる」になっていた。参加された方は「8月の猛暑は覚悟の上」だったと思うが、気温を見るとなんと20度!まさかの驚きの展開に笑い声がずっと聞こえていた。

赤水線から気持ちのいいダウンヒルが楽しめるがこの日は霧で視界がなく残念だった。また、道路がウエットなので地震によるアスファルトのひび割れの修理箇所が濡れると滑りやすく危険なためゆっくり下るようにした。

下るうちにクーラーの部屋から出たようになり気温が徐々に上がって夏に戻っていった。トイレ休憩した神楽の里公園では30度くらいになっていたようだ。しかし、その先はすぐに日陰になり「涼しい!」、「気持ちいい!」という声がまた聞こえ、垂玉川の清涼感ある川の音も心地よさに拍車をかけた。

神楽の里公園から3.2キロ上ると視界が開け滝の音が聞こえてきた。垂玉温泉に着いた。目の前の大滝の迫力。そう、これが見せたかった「金龍の滝」だ。

岩の割れ目から流れ落ちる冷たい水でヘルメットのまま水浴び、次は温度計を持ってきて測ってみたい。

ほとんど車が通らず観光客もいない迫力ある滝は自転車乗りにこそ楽しめる。滝の右側には赤茶けた筋があり岩から温泉が染み出していた。地震の前には創業当時から名物になっていた滝壺の露天風呂「滝の湯」があったはずだが今は無い。

垂玉温泉といっても一軒の旅館があるだけだ。すぐ近くにはこちらも一軒だけの青風荘の地獄温泉があるが泉質が異なるため別の温泉となっている。ちょうど山口旅館のオーナーさんが来られえていたのでお話しすることができた。

山口旅館は熊本地震で甚大な被害を受け現在も休館のままだが、地震で崩壊した道路や周辺の崖、河川工事などを終えたら明治19年創業の秘湯の宿が復活すると思っていた。しかし、自然環境や安全面の確保などにより、温泉・休憩・飲食・物販の立ち寄り湯の施設として来年の営業を目指されているそうだ。創業以来の垂玉の湯は湧出した。旅館は今後の楽しみとして、これからも自転車で時折訪ねて再建の様子を見守りたいと思っている。

明治40年(1907)、北原白秋、木下杢太郎、吉井勇、平野万里、与謝野鉄幹の五人が九州を旅し、その際に書かれた紀行文「五足の靴」に山口旅館に8月13日に宿泊した様子が記されている。
「後に滝の音面白き山を負ひ、右に切っ立ての岡を控え、左の谷川を流し、前はからりと明るく群山を見下し、遥かに有明の海が水平線にひかる。高く頑固な石垣の具合、黒く厳しい山門の様子、古めいた家の作り、辺の要害といひ如何見て城郭である。天が下を震はせた昔の豪族の本陣らしい所に、一味の優しさを加えた趣がある。これが垂玉の湯である。名もいいが、じつに気に入った。」

垂玉温泉「金龍の滝」は環境省公認平成の名水百選になっている。名前の由来は滝の周囲に鉄分を多く含む温泉が湧き出しており、温泉に含まれる鉄分が岩に付着し輝いて見え、特に夕方は夕陽に映えて金色の龍が天に昇っていくように見えることからこの名が付けられてという。

山口旅館のすぐ上にある地獄温泉青風荘を訪ねると、左側に以前あった受付のプレハブはなく、案内看板の先には工事中の建物が数棟あり、見違えるようなコンクリートの建物が温泉の受付になっていた。

隣にあるレストランが営業しているようなので受付に聞くと5月から営業しているとのこと、ならばとここで昼食することにした。

お洒落なレストランでカレーセット(1320円)、鴨うどん(1650円)とあと2種類のランチメニューにあった。

わたしは冷たい鴨うどんにした。出てきたのはこんな山奥でこのクオリティというもので抜群に美味しかった。特に何度もおかわりした「水」が素晴らしく上質で、もちろん水道水ではなく山水ゆえの甘さというかスルスルと飲める水だった。

青風荘の上にある源泉付近では地下から温泉が沸々と湧出しまさに地獄温泉、ここは川の水と混ざり丁度いい湯加減になっていた。そしてこれから先が、真夏の道となった。

吉田線に出て阿蘇山頂方面に行くことにした。理由は暑くて下界に降りたくない。涼しさを求めるなら上だ。気温は33度、ちょっと前は20度だったのに・・・

上り始めるとすぐに涼しくなり火の山トンネルに向かった。
私たちはいつも見ているので普通の景色だが参加された方は阿蘇の眺めに感動されていた。

車両が通ると轟音が響いて最も嫌なトンネルだが、夏は涼しくて別世界のように快適、生き返る3分間だった。このトンネルは暗いので前後のライトは最も明るい状態で点灯すること、視力に自信がない人はアイウェアは外したがいい。

阿蘇山西駅へ
ここが火口から一番近い2km地点。阿蘇駅から往復する登山バスは、ちょっと前のインバウンド全盛時には外国人で満席だったが、現在は一番前のシートにくまモンが乗っているだけ。

阿蘇山西駅から草千里展望所で景色を眺めて坊中線のダウンヒルを楽しんだ。行きには霧で視界がなかったので米塚を見てもらった。

いこいの村、カップルズを過ぎて「護王さんの杉」へ。
「高森殿の杉」がパワースポットとして有名のようだが、ここも密やかな存在感がある。

阿蘇神社入り口の地元で昔から人気の「たしろや」で万十を補給

阿蘇の景色には驚かない私たちは阿蘇神社の楼門工事のビルのような巣屋根を最初に見たときはギョッとなった。しかし、元の楼門を知らない人は無反応、この日は後者だった。

門前町で恒例の「ラ・ルーチェ」のレモネード炭酸割り300円。たっぷりのレモンが染みるライド後半一押しの飲み物だ。すぐ先にある「たのや」の前を通ると『桃子あります』の張り紙、思わず店に入ったが無念の売り切れだった。丸ごとの桃に種を取ったところにシュークリームというこの時期のスペシャルな逸品、800円と少しお高いが超限定品ゆえに食べないと後悔するモノからコトへの代表例。

最後は威勢よく自噴する夏恒例の役犬原で水浴びして終了

みなさんの体調と気候を考えてゆっくり走ったので少し物足らなかったかも知れないが現在の状況を考えると案内できるのはこのくらいの内容になる。コロナウイルスの感染拡大はご存じの通り地方にも及んでおり、刻々と変わる状況を見ながらではあるが、それぞれの居住地の移動制限の指示を従うことを前提に、新しい生活様式のもとで今後も阿蘇満喫モニターライドは開催の予定だ。阿蘇市ではサイクリストの受け入れについては特に条件を出されていないので、みなさんも黄色信号を念頭に安全に、健康的に、楽しく、あまり頑張らずに、そして小規模に阿蘇ライドに来られたらと思う。燃え尽きたい人は早朝に産山や波野のアップダウンを3時間走れば気がおさまるだろうしお腹一杯になるに違いない。

道の駅阿蘇では阿蘇サイクリングをされる方を迎える「とことん満喫!阿蘇サイクリング」というプランがある。こちらに申し込めば専用の無料駐車場や、8日に豊肥線が開通したこともあり輪行の方用に荷物無料預かりのサービスを提供するようになった。また、サイクリスト専用の更衣室も用意してあるので道の駅阿蘇をベースに阿蘇ライドを『とことん』
楽しんでいただきたい。

「とことん満喫!阿蘇サイクリング」
https://www.aso-denku.jp/cycling/

 

☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆

 

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道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。

道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL:0967-35-5077

HPhttp://www.aso-denku.jp/

阿蘇市内の地図はコチラから

あかうしのあくびvol.25

 

道の駅阿蘇は、9時~18時まで営業中。

道の駅阿蘇ネットショップ」で阿蘇の特産品絶賛販売中です!

 

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