コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇の春の風物詩と蛇の道情報」

コルナゴ部長こと中尾公一さんからサイクルレポートが届きました。

今回は大人気だったラピュタの道に代わる、新しいサイクリングコースの試走についてのレポートです。圧倒的なランドスケープと共に森の水源保全をサポートできる、どんな魅力的な道なのか、どうぞご覧ください♪

4月最後のブログは阿蘇の春の風物詩と、大観峰の麓にある「阿蘇大観の森」を試走した際に敷地内にある通称「蛇の道」についてのレポートだ。

この写真は町古閑牧野展望所スポットから撮った箱石峠と根子岳だがご覧のように野焼きで真っ黒になっている。阿蘇山麓や北外輪山は2月27日に野焼きされたが、こちらは雨で順延して4月10日と16日に阿蘇谷で最後に野焼きされたようだ。なので終わったばかりの真っ黒の風景を見ながらサイクリングすることができるので箱石峠越えの265号はGWにおすすめだ。

 

阿蘇谷から箱石峠を越えて南郷谷の高森方面に下ると岩肌むき出しの荒々しい根子岳の雰囲気が一変する。田園風景の先に樹々に覆われた緑の根子岳と、この時期阿蘇地域では名物の大きな鯉のぼり、ここまでは半世紀前と同じだが、農家の屋根のソーラーパネルが今の時代を現している。宮地から高森までの265号はこんなギャップが面白い。

 

南郷谷から阿蘇谷つながる日ノ尾峠入口の林道に行ってみた。

日ノ尾峠の道は車1台がやっと通れる程度の道幅で、セメント道は荒れて陥没箇所や岩が転がり車だったら軽トラか4駆の車でないと行きたくない林道だ。ところが数年前に南郷谷側の林道入口から鍋の平キャンプ場の手前まで、ガードパイプの防護柵まで付いた立派な道が開通して道の両側には枝垂れ桜が植えられた。この道の目的は知らないが、昨年は満開の枝垂れ桜と、一直線の道の先の根子岳との組み合わせが素晴らしかったので訪ねてみたが残念ながら桜のシーズンが終わっていた。

 

桜並木が終わって杉林の先からは何も整備されていない従来の荒れた道になり、景観がいい舗装したての立派な道も、障害物を避けながら走るゴツゴツした峠道も、車が通らないのでいずれも自転車乗りには好ましい道でありこちらもそんなギャップが面白い。

 

阿蘇谷では集落のみなさんにより芝桜がいたるところに植えられている。

こちらは車帰り付近の芝桜で、先に見えるのは国道57号北側迂回ルートになり、右奥は二重峠トンネルの入口になる。2016年4月に発生した熊本地震により国道57号が通行不能となり、その年の11月から北側迂回ルートの工事に着工し4年後の2020年10月に開通した。新たな生活を取り戻してくれた道と、まさに花を添える芝桜のピンクの絨毯の対比、これも阿蘇ならではの春の景色である。

 

車帰から北外輪山の麓の道から149号を走り、的石御茶屋跡を過ぎてしばらく行った産神社近くの芝桜も見応えがある。

 

井手沿いに続く芝桜と阿蘇五岳がセットの景観だ。ここは結構人が多くてにぎやかだが、それくらい規模も大きく散策を楽しみながら鑑賞できる。

 

せっかく来たので3人目の孫の出産を祈願しに産神社に行ってみると、鳥居の先のこの橋の名前は「産土橋」、「うぶどばし」。漢字の意味からして昔は土で出来ていたのだろうと想像しながら参拝を終え引き返すと、

 

「産土橋」という「土の橋」かと思いきや、「砂の橋」とは・・・謎。

 

ついでにラピュタの道の入口の先の長寿ヶ丘公苑のツツジを見に行ったがまだ2分くらいのようだった。この先は立入禁止となっているので芝生がある広場内だけのツツジ見物になる。ラピュタの道は今後開通の目途がないことは周知のことだが、何の工事かと看板を見たら「土砂の崩壊を防ぐ工事」とあり「国土強靭化対策工事」とあった。

 

2013年の長寿ヶ丘公園の写真、広場の少し上から撮ったもので多くの人で賑わっていた。

 

2014年ラピュタの突き出した突端のところ。コルナゴの日本販売会社から試乗提供で2ヶ月乗ったC64。

 

2012年ヘリからの空撮、上昇気流が凄かった。

 

こういうのが好きだった。通勤ルートから5分で行けたので雲海が出てたら必ず立ち寄っていた。

 

2014年、劇場版弱虫ペダルの資料として渡辺先生へ送った写真だったと思う。

この道を訪ねて全国からファンの方が来られ一緒に走った人も多かった。アニメに登場する選手が乗っている買ったばかりのロードバイクで輪行された方がほとんどだった。台湾や香港、マレーシア、オーストラリアのファン輪も案内した。たった5.8kmの小さな峠道なのに世界中からラピュタに弱虫ペダルファンが押し寄せた。どんなに効果的な広告してもこんなことはないだろう。アニメの凄さだった。

 

2017年ツール・ド・フランスのスタート地点となったドイツはデュッセルドルフ

 

劇場公開から2年後、ついに弱虫ペダルファンは海を渡りサイクルロードレースの最高峰ツールへ行った人もいた。

 

大観峰の麓にある「阿蘇大観の森」の所有者、肥後銀行さんが、ここを自転車で活用するフィールドとしたいと案内があり、牧野ガイドやコギダス協議会のメンバーで試走に行って来た。

 

水源涵養林の保全と育成事業に取り組んでいる山林は、52haの北外輪山の斜面に広がる基本坂道の連続なので、肥後銀行さんほか視察の方用にトリムカンパニーの橋本君がe-MTBを用意されていた。

 

普通のMTBは私とコギダス松山会長、阿蘇ネイチャーランドの當麻君、それにe-MTBが足らなかった若手の肥後銀行の方1名だけで、激坂の連続のため押し歩きが多くe-MTBが必須のフィールドだった。

 

最後に蛇の道の試走もあった。

 

 

この道がサイクリストにとってどんなに魅力があるのか皆さんご存知ではなかった。

森の中の道はここまで車載のe-MTB、もしくは上りが苦痛でなければ自走のグラベルロードになる。肥後銀行さんがサイクルフィールドとして開放される理由として、単なる阿蘇の観光スポットではなく、この森のテーマの水源保全を掲げておられた。それは草原を観光資源で活用して草原の維持とガイドの雇用を生む牧野事業のような意味を持たれていた。よって利用するにはガイドの案内が条件となる。

かつて「蛇の道」が人気になり多くの人が来るようになると、交通渋滞や騒音など地元の方とのトラブルで通行禁止になり現在も立ち入ることはできない。ガイドの案内があれば規則を作って地元の方との共存が可能かも知れない。また、この森の本来の意味もガイドの説明により伝えることができるし、草原維持のための牧野保全料の徴収のように、参加される方に苗木1本300円程度の徴収も喜んで協力されるのではないだろうか。今の時代、誰でもOK、何のリスクもなしにタダというのはあり得ない。

ガイドが案内するe-MTBツアーとしては、多少園内を整備すれば森の中のオフロード体験もいいだろう。私が活用させてもらうなら、ロードバイクやグラベルロードで案内するサイクリングの途中に蛇の道を上ってミルクロードにつなぐ峠道としての利用だ。これだと現状のまま明日からでも使えるし阿蘇の魅力的な峠道が誕生することになる。

 

蛇の道の上ってミルクロードに出てすぐに扇谷展望所がある。

 

ここも一時は立ち入り自由だったが多くの方が来るようになると崖からの転落など危険なため立ち入り禁止になった。昨年から土地の所有者である麓の集落の方が、監視を兼ねてアイスや饅頭をキッチンカーで販売されるようになり、営業される土日のみはこの展望所に行くことができようになった。

 

麓から蛇の道を上って終わりではなくこの展望所から眺めると価値が高まる。

 

走って来た道を上から眺めるのは最高の達成感に浸れる。

 

蛇の道と扇谷展望所の景観は以上。次は蛇の道とはいかなるものかだ。試走は駐車場からちょっとだけしか行っていない。そもそも大観の森の園内がフィールドとしての想定だったので激坂区間や蛇のうねるような姿のところは体験されなかった。なので過去3回くらいロードバイクで走ったときの写真を探したが2017年12月のもので紹介しよう。

 

蛇の道がコースとなった2017年12月に開催された「九州Heaven Ride」の写真を参考にその魅力という難度の高さを紹介する。

 

蛇の道は麓の県道213号から頂上のミルクロードまで3.5km・平均勾配10%、今回試走をスタートした中腹の駐車場までは8%程度だが、そこから先が激坂の連続でミルクロードまで1.7km・平均勾配は15%で最大は27%。ここをヘブンライダーの数名は足を付かずに頂上まで上った。

 

蛇区間のはじまり

 

湧き水に濡れているところもありダンシングならタイヤが空転してしまう。シッティングで勾配15%以上を連続して走れるライダーだけが完走できる。一度足を付けば激坂かつ狭い道なので再スタートは不可能。

 

 

 

私には無理だった。

 

完走!

 

毎朝金峰山朝練の土橋塾長も完走!

 

プロードレーサで日本屈指のクライマーの当時群馬グリフィン、現在マトリックスパワータグの狩野智也選手は笑顔で完走された。

 

扇谷展望所から見た蛇の道、ラピュタの道も地元の方が管理されている道だった。よって事故が起きた場合の片づけなど集落のみなさんがしなくてはならない。そんなリスクを背負ってまで交通渋滞や騒音まで引き起こす人たちを通すわけにはいかなく通行禁止になった。

その二の舞にならぬよう地元や所有者の方と連携をとって蛇の道を走れるようになればと思う。ラピュタの道は私たちにとって宝の道だった。蛇の道もその可能性は大いにありそうだし、何よりも今度チャレンジするときは完走したいと思っている。

 

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