コルナゴ部長こと中尾公一さん最新レポート「阿蘇満喫グラベルライド~下荻の草牧野と立岩水源」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました✨

泥煙あげる大草原の走破と絶景、そして歴史・グルメを肌で味わう阿蘇グラベルライド。

やまなみハイウェイ沿いの「阿蘇の森」を拠点に、牧野保全料を支払い立ち入った下荻の草牧野では、まるで海外のグラベルレースを想起させる土煙舞う大草原や林道などの多彩な未舗装路を走破。

道中では彩雲の吉兆を仰ぎながら「阿蘇やまなみ夢広場」でのランチや水温16度の立岩水源でのアイシングを楽しみ、猛暑のなか冷たく澄んだ名水と戯れる無邪気な夏のひとときを満喫。

ゴール後は採れたての甘じょっぱい焼きとうもろこしに舌鼓を打ち、地域の魅力を楽しみながら守り、味わうことで自然や地元へと還元する、走破距離と獲得標高以上に充実感あふれる一日となりました。

ぜひご覧ください🎵

 

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7月28日に発生した令和8年熊本地震により、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な日常が戻りますことをお祈りいたします。

本レポートは地震発生前の7月26日に開催した「阿蘇満喫グラベルライド」の記録です。阿蘇の自然と地域の皆さまへの感謝を込めて、当日の様子を振り返ります。

 

7月26日に開催した阿蘇満喫グラベルライド。この日の集合場所は、やまなみハイウェイ沿いの「阿蘇の森」にした。せっかくなら道中から阿蘇を味わいたいと思い、久し振りに菊池渓谷を抜ける菊池阿蘇スカイラインを選び、そこからミルクロードへ。これだけでも十分に気分が上がるご機嫌なドライブコースだった。

 

ミルクロードに出た瞬間、目の前には阿蘇五岳がくっきりと浮かび上がり、その姿はまるで出来すぎたAI画像のよう。夏の熱気をまといながらも、空はどこまでも晴れ渡り、胸の奥まで風が通っていくようだった。思わず流していたドゥービー・ブラザーズの「チャイナ・グローブ」のボリュームを上げる。乾いた空気を切り裂くようなトム・ジョンストンの声と、前へ前へと転がる疾走感が、この風景とあまりにもよく合っていて、まるで彼自身もこの阿蘇の空と草原を見ながら歌っているように聞こえた。

 

阿蘇の森に着くと、まず空に息をのんだ。頭上には、まるで大きなハケでさっと掃いたような巻雲が薄く広がり、その下には、これまで見たことのないほど雄大なパノラマが待っていた。地平線の先、北東には久住連山、南東には阿蘇五岳、そして東には祖母傾山。名だたる山々がそれぞれの稜線をくっきりと浮かび上がらせ堂々と山容を現していた。

 

この日の参加者は、残念ながら2名の方がキャンセルとなったものの、12名がこの絶景のもとに集まってくれた。阿蘇満喫ライドは通常、エントリー無料で開催しているが、この日は下荻の草牧野に立ち入るための牧野保全料として1000円、さらに阿蘇の森のふかふかの芝生駐車場を貸し切りでお借りし、ゴール後には採れたての焼きとうもろこしをいただけるということで、400円の焼きとうもろこし代に添えた500円をお願いした。

 

阿蘇の草原、つまり牧野で思いきり遊ばせてもらい、そのお金は草原を守り続けるために使われる。車は安心の所に停め、ゴール後には、とうもろこし農家を本業とする阿蘇の森で採れたばかりのとうもろこしを味わう。ただ支払うだけではなく、遊び、守り、味わい、地域に還っていく。自転車乗りとして有効なお金の使い方だと思う。

 

下荻の草牧野は、「阿蘇の森」から約1km先にあるうどん店「阿蘇やまなみ夢広場」から始まる。すぐ横をやまなみハイウェイが走っているため、スタート直後は車やバイクの姿も視界に入る。しかし、それもほんのわずかな時間。ほどなくして道は大草原の真っ只中へと伸び、目の前には平坦で走りやすいグラベルが広がっていく。

 

この牧野では現在、放牧や採草は行われておらず、平坦な一帯には高原野菜の畑がところどころに点在している。牛馬のいる牧野や、採草地が広がる草原とはまた違い、畑と草原がゆるやかに入り混じる風景のなかを進んでいく。そのため、ほかの牧野とは少し違った、開放感がありながらもどこか穏やかな走行感を、しばらく楽しむことができる。

 

 

 

泥区間では、このように乾いた路面から土煙が舞い上がり、グラベルならではの疾走感を存分に味わうことができた。穏やかな草原区間のなかで、走りに変化を与えてくれるいいアクセントにもなっていた。

 

 

土煙を上げて進むこの景色は、どこかアメリカ・カンザス州エンポリアで開催される世界最大級のグラベルレース「アンバウンドグラベル」を思わせる雰囲気もあり、阿蘇にいながら少し海外のグラベルシーンを感じさせてくれた。

 

アンバウンドグラベルを5マイル走ったらこうなるかも。

 

ロードバイクにグラベルキング28cを履いて、初めてグラベルに挑戦された尾山さんが、荒れた浮石区間でパンクされた。今では40cのタイヤを標準にする人が多いが、2013年に始まり、2019年で幕を閉じた「九州Heaven Ride」では、過酷なグラベル区間を含みながらも、ロードバイクにグラベルキング28cという組み合わせがごく普通だった。

 

弱虫ペダル新聞の取材で知り合って、この大会を同じチームで走った当時Cyclist編集長をされていた澤野健太さんは、ジャイアントから提供されたグラベルバイクで参加され、太いタイヤを履いたバイクに驚いたことを憶えている。

 

私にとってグラベルバイクを実際に見るのはその時が初めてだった。今でこそグラベルバイクや太めのタイヤは当たり前になったが、当時はまだ珍しい存在で、その変化を思うと、グラベルという遊び方がこの数年で大きく広がってきたことを実感する。尾山さんの28cでの挑戦は、そんな時代の変化をふと思い出させてくれる出来事でもあった。

 

平坦な区間の次は草原景観が広がる下りの区間になる。

 

 

 

 

 

牧野から荻の草集落へ下り、知人宅で水を補給。その後は南牧場方面のグラベルを走り、阿蘇やまなみ夢広場へ戻って昼食をとった。
この日のコースは、コンビニはもちろん自販機もない区間を走るため水の確保が重要になる。そこでボトルは2本体制とし、午前中は知人宅、午後は立岩水源を補給ポイントとして設定していた。

 

阿蘇やまなみ夢広場には日よけのあるテラス席があり、目の前に広がる雄大な景色と阿蘇の風を感じながら、ゆっくり食事を楽しむことができる。

 

午後の部は再び牧野のコースを通り、集落までは午前中と同じルートをたどった。それでも、陽が高くなった午後の空はさらに青さを増し、同じ景色でありながら、また違った美しさを見せてくれた。

 

雲に虹のような色が掛かっていた。参加者の方がすぐにAIで調べてくれたところ、これは「彩雲」と呼ばれる現象で、太陽光が雲の微小な水滴や氷晶で回折・干渉することで生じるという。古くから吉兆とされ、慶雲、景雲、紫雲などの別名もあるらしい。

その場で由来までわかってしまうのは便利な時代だが、そう聞くと、午後の空はいっそう印象深いものになった。

 

 

40号に出たら満願寺方面に進み、途中から林道のようなグラベル区間に入った。日陰で涼しいが夏草が伸びて、レーパンの私は脚を容赦なく撫でられる。舗装路とは違う湿った土の匂いと、木々の間を抜ける風が心地いいところもあったが、MTB向きの凹凸の厳しいところが多く、コース取りに緊張する区間でもあった。

 

それでも、グラベル好きなら思わず笑顔になってしまう、変化に富んだ区間でもあった。

 

立岩水源到着、水温は16度!

ここは自転車乗りのオアシスだ。

 

冷たいだけでなく、ちゃんと美味しいのにも理由がある。

 

喉の渇きを癒したあとは、身体を再起動するために冷水をかぶる。

 

続いて、思い切ってドボン!

 

40年、いや50年ほどタイムスリップして、少年に戻る。

1日だけのおじさんたちの夏休みだ。

近くで水遊びしていた親子連れは、少し呆れたように見ていた。

 

15時15分、ゴール。

阿蘇の森で焼きトウモロコシをいただく。甘じょっぱいタレが、走り終えた身体に沁みわたる美味しさだった。目の前に車を停めていることもあり、お土産用の5本入りを買って帰る人も数名いた。休日を自転車で思いきり遊んだあとは、家族へのお土産も大切な思いやりだ。

 

下荻の草牧野は、今回のように「阿蘇の森」を集合場所にすれば、駐車場やトイレが利用でき、補給食としてホットドッグやトウモロコシもある。近くには10名を超える人数でも食事ができるうどん店もあり、気軽に遊びに行きやすい環境が整っている。ただし私有地のため、立ち入る際は牧野ガイドの同行が必須だ。

 

猛暑になか、みなさん元気に走られたのは、それぞれの対策にあると思う。特に日焼けは、疲労感が増したり、脱水しやすく回復が遅くなるのでその対策は重要だ。

 

先日、「スパークルおおいたレーシングチーム」のクラブハウスを訪れた際、猛暑のなか毎日練習している選手の皆さんが、意外なほど日焼けしていないことに気づいた。かなり早朝に走っているのだろうと思って尋ねてみると、レースは日中に行われるため、朝だけでなく昼からも普通に走っているそうだ。

 

その対策として使っているのが、塗り直しがいらないワコーズの日焼け止めだという。汗をかいても日焼け止めの効果が薄れにくく、スタートからゴールまで日差しから肌を守ってくれるので、長時間のサイクルスポーツには打ってつけだ。4輪や2輪、自転車用の潤滑剤、洗浄剤、コーティング剤で知られる「WAKO’S」の製品だけに、信頼感もある。さらに保冷ボトルも重要で、いずれもクラブハウスで販売されているようだ。

 

8月の阿蘇満喫グラベルライドは、30日に写真のMTBで疾走する上野幸紀さんと、町古閑牧野組合員のショウ君こと釜崎笙さんを迎え、小国郷を巡るグラベルライドとして開催する。小国らしい林道や山道をつなぎ、地域の歴史や土木遺産にふれながら、学びと笑顔のある時間にしたい。

 

令和8年熊本地震の影響により、熊本市で予定されていた火の国祭りの全イベントが中止となった。宿泊についても、熊本県内でキャンセルが相次いでいると聞く。私の牧野ガイドも8月分がキャンセルとなり、残念に感じている。地震から3日目を迎えた今、10年前に経験した本震の可能性も頭をよぎる。当時は旅館に勤めており、長引いた「自粛」の影響で仕事がなくなるのではないかと不安になったことを覚えている。だからこそ阿蘇満喫ライドは、これからも阿蘇の魅力を伝え、人と地域をつなぐ場として、前を向いて続けていきたい。

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