コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました✨
「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット」のエクスカーションとして、世界各国の自然保護専門家らをE-MTBで案内し、人の手で守られてきた阿蘇草原の保全と活用の意義を共有🍀
後半は牧野ガイドのショウ君や強力なサポートカーとともに、通常立ち入れない私有地「蛇の道」や「ニベ塚」を巡る1泊2日のファミリー向け特別ツアーを実施しました🚲💨
電動マウンテンバイクで雄大な自然を走り抜ける爽快感とともに、参加費の一部を牧野保全料に充てることで、楽しみながら阿蘇の草原継承に貢献する持続可能なライドの魅力を提示しました👍
ぜひご覧ください🎵
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7月14日・15日の2日間、熊本市で第2回「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット(以下GNPサミット)」が開催されました。GNPサミットは、2030年までに自然の損失を止め、回復へと転じさせることを目標に、2022年に196か国が合意した生物多様性枠組(GBF)の実施を加速することを目的としています。
熊本での開催には、世界各国から2,700名を超える参加者が集まりました。その約3分の2を企業・金融関係者が占めており、自然の回復を社会や経済の仕組みにどのように組み込んでいくのかというテーマに、世界的な関心が高まっていることを感じさせる場となったようです。
会場には、政府、国際機関、学術界、市民社会、民間企業など、多様な立場の人々が集まりました。「ネイチャーポジティブ(自然再興)」を理念にとどめるのではなく、具体的な行動へ移していこうという思いが共有されていたとのことです。また、7月16日には、参加者が熊本の自然や地域の取り組みを実際に体感するエクスカーションが行われました。
① 菊池川流域における「SATOYAMA」体験ツアー
菊池森林組合による施業現場を訪れ、実際の作業や森林の姿を見学するツアー
② 阿蘇草原の聖域へ──この日だけの特別な体験。草原の守り人になる旅
協賛:公益財団法人阿蘇グリーンストック
協力:環境省阿蘇くじゅう国立公園管理事務所
③ イオンふるさとの森づくり植樹体験・江津湖を巡るツアー
35周年を迎えるイオンの「ふるさとの森づくり」を体験し、熊本市最大の湧水池である江津湖を巡るツアー
④ 自然と共存する流域の旅—球磨川ツアー
球磨川流域を舞台に、「自然と共生する流域」を体感するツアー
中でも一番人気だった阿蘇コースでは、世界最大級の草原が自然の力だけでなく、人の営みによって長く維持されてきたことを知ってもらうこと、そしてその草原がいま大きな転換点に立たされていることを現地で感じてもらうことが目的とされていました。

プログラムには、草原が持つ水源涵養機能に関する研究紹介をはじめ、希少な植物を観察するトレッキング、草原をマウンテンバイクで駆け抜ける体験など、阿蘇草原の価値に触れる多彩な内容が盛り込まれていました。私はその中で、町古閑牧野のショウ君とともに、道の駅阿蘇が提供するマウンテンバイクで草原を巡るプログラムのガイドを担当しました。ここからは、その時の様子を紹介します。

阿蘇コースのフィールドに選ばれたのは、阿蘇市永草にあるNOK熊本事業場の南側に広がる牧野でした。当日は「阿蘇ならではの雄大な景観の中で」と言いたいところでしたが、あいにく時折小雨が降る天候となりました。南側に見えるはずの米塚や、北側の阿蘇谷の先に広がる北外輪山も雲に覆われ、その姿を見ることはできませんでした。

それでも、マウンテンバイクの受付には多くの参加者が集まりました。車窓から眺めるだけでは伝わりにくい草原の広がりや起伏、足元に続く植物の多様さを、自分の脚で移動することでより身近に感じられたようです。会場には、このサミットならではの展示ブースも設けられていましたので、まずはそちらから紹介します。

展示ブースでは、ユナイテッドトヨタ熊本による自動運転EV「e-Palette」が紹介されていました。
最大17人が乗車できるこの小型バスは、最高時速80km、航続距離は約250km。普通充電で約12時間、急速充電では約40分で約80%まで充電できます。非常時には給電機能も活用でき、シャトルバスやキッチンカーなど、さまざまな用途での利用が想定されています。今回の会場では、猛暑時のクールダウンスペースとして活用する目的で用意されていたとのことです。



こちらは、THE NORTH FACEのブースです。
150系ランドクルーザー・プラドとTHE NORTH FACEのコラボモデル「LAND CRUISER PRADO “NEWSCAPE”」が、あえて草原の斜面に展示されていました。エクステリアは、THE NORTH FACEチームがデザインプロデュースしたものだそうです。
その横には、オレンジ色にTHE NORTH FACEの大きなロゴが景色に映える「ジオドーム4」も設置されていました。ハンモックで寛いでいたのは、2023年トレイル世界選手権や2024年アジア太平洋トレイルランニング選手権(APTRC2024)の日本代表トレイルランナーで、今回の阿蘇コースの運営にも携わっているLocal Gainの森本幸司さんでした。

草原の一角には、一般トイレに加えて、提供先よりVIPトイレも設置されていました。エアコン付きで、洗面台、ハンドドライヤー、鏡も備えられており、まるで上質なホテルのような設えでした。


屋外イベントであっても、快適で清潔なトイレ環境は、今の時代には欠かせないものだと感じました。

こちらは、当日用意されていた弁当です。私たちも参加者のみなさんと同じものをいただきました。同じ内容で小さめのサイズもあり、好みに合わせて選べるようになっていました。また、食事のタイミングも一斉ではなく、エクスカーションの前後など、各自の予定に合わせて自由に取る形でした。
内容は、オリーブオイルで炒めたトウモロコシご飯に、あか牛をのせたものを中心に、イタリアンのサラダ、カボチャとブルーベリーの料理、野菜のグリルなど、阿蘇の恵みが詰まったものでした。南阿蘇の方が作られたそうで、世界各国から来られた参加者のみなさんにも好評だったようです。

マウンテンバイク体験では、道の駅阿蘇から電動マウンテンバイク(E-MTB)を12台用意し、5回に分けて案内しました。参加者は身長に合わせてバイクを選び、操作方法については、私とショウ君、下城さんでレクチャーを行いました。海外からの参加者には通訳の方が付き、操作方法や注意点を一つひとつ確認しながら説明しました。安全に楽しんでもらうためには、この事前説明をしっかり行うことが大切で、どうしてもある程度の時間が必要になります。

コースは、1周1.6km・高低差60mの山の斜面に設定されていました。この場所は以前、別荘地として開発される計画があったそうで、広めの舗装路や植樹がその名残を感じさせました。一方で、コースの一部には荒れた未舗装路もありました。下見の結果、雨天状況により、安全面を考慮して周回せずに、頂上付近で折り返すコースへ変更しました。また、トレイルランのコースと交差する箇所や重複する区間にはスタッフが配置されるとのことだったため、そこも要注意区間として確認しました。

MTBの参加者は自然保護分野の専門家が多く、走行中の質問も普段のライドとは少し違っていました。阿蘇草原の恵みや水源涵養機能を深く理解したうえで、「なぜ草原は減少しているのか」といった本質的な問いもあり、小雨の草原で、地域の営みから国の政策まで話が広がりました。

ショウ君は写真を見せながら、牧野組合員の立場から草原の現状を説明しました。日々草原に関わる人の言葉には説得力があり、参加者のみなさんも真剣に耳を傾けていました。
「阿蘇の草原は、美しい景観にとどまらず、生物多様性や水源涵養、農畜産業や観光を支える大切な場所です。そしてその景観は、野焼きや放牧など、地域の人々の手によって守られてきました。」
参加者からは、「人が関わることで自然が守られてきた点が興味深い」「保全と利用を分けず、地域の営みの中で自然を支える仕組みがあることを実感した」といった声が聞かれました。国や業種を越えて集まった人々にとって、阿蘇の草原はネイチャーポジティブを現場で考える生きた教材になっていたように思います。

ゆるやかな斜面をE-MTBで進むと、時折視界が開け、霧の向こうにカルデラの地形と草原がつくる大きな景観が広がりました。参加者の中には、走り始めてすぐに立ち止まり、写真を撮ったり、遠くの山並みや放牧地を眺めたりする人もいました。短い時間ではありましたが、阿蘇の草原が単なる観光風景ではなく、暮らしや農業、水の循環と深く結びついた場所であることを、あらためて感じる時間になったように思います。

17~16年前から阿蘇を案内している熊本の病院関係のみなさんを、今回はE-MTBで蛇の道とニベ塚へ案内しました。当初は4月に町古閑牧野を走る予定でしたが、雨天のため中止に。その後、町古閑牧野は5月の連休明けから放牧の牛馬が入るため立ち入りができず、かぶと岩近くの西小園牧野も候補にしましたが、こちらは草刈りがされていなかったため、今回のコースに変更しました。

この日のライドは、最近新しいサポートカーを導入した町古閑牧野のショウ君と一緒に案内しました。車高が高いためかなりの悪路でも走ることができ、ルーフキャリアとリアキャリアにはバイクを積載できます。さらに車内には、車の電源で使える大きな冷蔵庫も備わっており、自販機よりも冷えた水やスポーツドリンク、ジェルなどを用意できるので、暑いこの時期にはとても頼もしいサポートカーです。

ロードバイクやグラベルバイクであれば、屋根に4台、車内に6台を積載できるとのことで、サポートカーとしての利便性はかなり高いものがあります。加えてショウ君は牧野ガイドでもあるため、一般の人は立ち入ることのできない牧野ライドや、この日の蛇の道、ニベ塚のようなコースも案内できます。さらに、サポートとしてありがたい写真や動画の撮影もお願いできます。ショウ君はカメラマンでもあるので、プロの写真を撮ってもらえるのも大きな魅力です。

今回のプランでは、阿蘇の森に前泊し、BBQも楽しめる、夏の阿蘇を満喫する1泊2日の行程を提案しました。奥さんや子どもさんの参加もあり、かなり盛り上がったようです。また、阿蘇の森の予約やBBQの手配、支払い(家族ごとに振込/各種クレジットカード/各種QRコード決済)まで阿蘇駅前の「MOYAI Tourist hub」にすべて任せることができたので、とても安心だったようでした。

コースは朝8時に道の駅阿蘇をスタート。田んぼ道を抜けて小倉林道から蛇の道に入り、いよいよ蛇の道にアタックします。さすがにこの道は車では通れないため、ショウ君には先回りしてもらいました。そのため私が撮った分だけ紹介します。

登り切ったあとは、すぐ横にある扇谷展望所で絶景を堪能し、国道212号をゆっくり下って「ASO MILK FACTORY」で休憩しました。

その後、ニベ塚へ向かいましたが、8歳の子どもさんも頂上まで登ることができたのには驚きました。

ゴールは12時過ぎ、道の駅阿蘇でした。半日ながらも、夏の阿蘇をしっかり満喫できる充実したライドになったようです。今回走った蛇の道やニベ塚は私有地のため、一般の方が自由に立ち入ることはできませんが、私たち牧野ガイドが案内することで楽しんでいただくことができます。また、参加費の中から1,000円を牧野保全料として牧野へお支払いしています。参加された方々は、牧野で遊ぶことを通じて、阿蘇の草原を守る活動にも関わっていただいたことになります。減少が続く阿蘇の草原を次の世代へ残していくためにも、こうした楽しみながら支える仕組みをこれからも広げていきたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=n9T4uQrBSr8
