コルナゴ部長こと中尾公一さん最新レポート「菊鹿のブドウ畑と手掘りのトンネルを巡るグラベルライド」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました✨

世界的なコンクールで金賞を受賞した白ワインの原料を生む「小伏野」「五郎丸」「酒造野」のブドウ畑を訪ね、生産者との温かな交流を通じて菊鹿ワインの奥深い魅力に触れる旅🍇🍷

大型トラックが踏み固めた林道や、雨上がりにピーナツバター状となるスリリングな泥区間、竹林のアップダウンなど、起伏に富んだ極上の貴重なグラベルルートを駆け抜けました🚲💨

明治時代にわずか25日間で掘られた「太田の間歩」をはじめとする神秘的な手掘りトンネルや、1,350年前の古代山城「鞠智城」を巡り、歴史の冒険とデイキャンプ風のランチを仲間と満喫した充実のライドでした☺️

ぜひご覧ください🎵

 

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Photo by yoshitama3

 

今年3月、フランス・ブルゴーニュ地方で開催された国際ワインコンクール「第33回シャルドネ・デュ・モンド2026」において、熊本ワインファームの白ワイン「菊鹿ナイトハーベスト小伏野2023」が金賞を受賞し、世界25カ国・471本の出品ワインの中からトップ10にも選出されました。
また、同コンクールでは、「菊鹿シャルドネ」が銀賞、「菊鹿シャルドネ樽熟成2023」が銅賞を受賞。菊鹿のシャルドネが国際的に高く評価されたことは、日本の地方ワイナリーの可能性を示す大きな成果となったようです。

「菊鹿ナイトハーベスト小伏野2023」は、小伏野(こぶしの)地区の平川洋介さんの畑(平川農園)で2023年に収穫されたシャルドネを原料としたワインです。気温が低く果実の状態が良い夜間に収穫する「ナイトハーベスト」により、ブドウ本来のフレッシュさや凝縮感を引き出している点が特徴です。おだやかな酸味と全体のバランスの良さも評価されています。

こうした受賞をきっかけに、今回は金賞ワインの原料となった小伏野の平川洋介さんの畑をはじめ、五郎丸の古家友博さんの畑、さらに菊鹿ワインの三大産地の一つとされる酒造野(すぞの)の菊川房継さんの畑を訪ねるグラベルライドを開催しました。

写真は、小伏野の平川洋介さんのご自宅を訪問した際に撮影した集合写真です。現在、畑を管理されている息子さんの平川浩男さんにお話を伺い、菊鹿ワインを支える現場の息づかいを感じる貴重な時間となりました。

 

Photo by Onimsa

 

集合場所は「菊鹿みんなの森」で施設使用料500円が必要になります。
施設内には全長3.3kmの本格的なマウンテンバイクコースがありますが、グラベルバイクで走るには難易度が高く、実際に走行できるのはキッズコース程度に限られます。

 

Photo by Onimsa

 

それでも今回ここをベースとするのは、周辺にグループで利用しやすい駐車場や食事場所が少ないためです。菊鹿みんなの森には駐車場を兼ねた芝生広場があり、弁当やお湯を沸かしてカップ麺などを持ち込んで、昼食休憩をとる場所として利用しやすいという利点があります。

 

Photo by Onimsa

 

今回の写真の多くは、緑川サイクリングコースの撮影でもお世話になっている鬼塚さんに撮影してもらいました。プロのカメラマンの中でも、一緒にサイクリングしながら臨場感のある写真を撮影できる方はなかなか多くありません。今回もライドの雰囲気や参加者の表情を自然に切り取っていただき、大変助かりました。

 

ここで、ニューバイクの紹介です。
キャニオンCF-SLに乗られていた前田さんは、新たにスペシャライズドのCruxを導入されました。コンポーネントはスラムのRival、ホイールは前車でも使用されていたZIPP 303 XPLR。内幅32mm、リムハイト50mmという、グラベルレースに特化した設計のホイールに、タイヤはグラベルキング45Cを組み合わせています。

よしたまさんも愛車のキャニオン・グリズルのタイヤを50Cへサイズアップされており、グラベルライドでは太めのタイヤによる安定感が大きな安心材料になります。私自身も40Cから45Cに履き替えましたが、路面の荒れた区間での安定感が増し、かなり満足しています。

 

Photo by Onimsa

 

みんなの森をスタートすると、車の少ない田園地帯がしばらく続きます。訪れた日の菊鹿町は、ちょうど田植えの真っ最中でした。
グラベルライドをしていると、こうした地域の道を走ることが多く、田んぼや集落の風景に触れながら、自然と穏やかな気持ちになれます。

 

Photo by Onimsa

 

小伏野の平川浩男さんのブドウ畑に到着しました。
高台にあり風通しがとても良さそうな畑でした。

 

Photo by Onimsa

 

すでに平川さんは待っておられて畑の案内をしていただきました。
数年前にお邪魔したときは、お父様の洋介さんとお会いして、「福岡で仕事をしている息子が跡を継ぐかもしれない」と笑顔で話されていましたが、まさにその通りになっていました。

 

以前、イタリアのブドウ畑を走ったときは、見渡す限りブドウ畑が広がっていたのが印象的でした。平坦な土地だけでなく、阿蘇の波野地域のように丘が連続する場所や、金峰山付近のみかん山のように、山の斜面を利用した段々畑のような場所にもブドウ畑がありました。

イタリアなど、夏に雨が少ない地中海性気候の地域では、ブドウの上部を覆う設備はあまり見かけません。一方、雨の多い日本では、ブドウ狩りなどでよく見る棚仕立てのほか、ヨーロッパ系品種の栽培に導入されている垣根仕立てがあります。

いずれも雨を避けるため、上部をビニールで覆っているのが特徴です。菊鹿地域では、この垣根仕立てのブドウ畑をよく目にします。白ワイン用品種の垣根栽培ではシャルドネの栽培が多く、生産量の多い都道府県は長野県、北海道に続き、熊本県が第3位となっています。

 

Photo by Onimsa

 

ブドウ栽培について参加者からの質問にも答えていただきました。畑の土は、いわゆる柔らかな土というより、花崗岩の小さな石や粒が混じった、ボソボソとした痩せた土に見えます。それでも肥料は一切使わず、上部に張られたビニール屋根も開閉しないそうです。
お話を伺うと、ブドウには水はけのよい痩せた土壌が向いており、地中海性気候で育つトマトやオリーブにも通じる環境が必要なのだと感じました。

 

Photo by Onimsa

 

ブドウの味について質問すると、平川さんは「ものすごく甘くなります。でも今はまだ熟していませんが、食べていいですよ」と話され、畑の一番端にある金賞ワインの原料となったブドウを、希望者に一粒ずつ試食させてくださいました。

 

Photo by Onimsa

 

平川農園のブドウ畑がいつ頃から始まったのか、また、それ以前は野菜などを作られていたのか。そうした経緯について後日お尋ねしたところ、丁寧に以下のメールをいただきました。

「現在の形に基盤整備されたのが30数年前。それ以前は、ほぼ山でした。
整備された畑で何を作ろうかと考え、役所の勧めもあって薬草を作りましたが、うまく育ちませんでした。砂地で痩せた土壌なので野菜には向いておらず、3〜4年はほとんど何も作らなかった気がします。その後、役所の方からワイン用葡萄の栽培を奨励され、作り始めたのが26年前です。以上、両親からの回答です。」

 

Photo by Onimsa

 

その後、平川さんのご自宅にもお邪魔させていただき、ずらりと並んだ2009年物の「小伏野ナイトハーベスト」から順に拝見させてもらいました。今回金賞を受賞したワインもあり、普段はなかなか目にすることのできない貴重なコレクションを前に、参加者にとっても忘れられない体験となりました。

 

Photo by yoshitama3

 

参加者の方が「分けていただくなんて出来ませんよね」と尋ねると、平川さんは「1本だけなら」と、2022年物のナイトハーベストを分けてくださいました。このようなことはあり得ませんから大喜びでした。
今回金賞を受賞したのは2023年物ですが、「実は2024年物もいい出来でした」とも話されていました。商品になるまで樽で3年寝かせるとのことで、来年以降のリリースにも大いに期待が高まります。

 

Photo by Onimsa

 

小伏野から菊鹿ワイナリーに向かいました。

 

ここには、希少品のため中身はありませんが、左から五郎丸、小伏野、酒造野のナイト・ハーベストの空き瓶が並べられていました。

 

Photo by Onimsa

 

菊鹿ワイナリーを出て相良寺を過ぎると、長い上りのグラベル区間に入ります。
菊池や菊鹿周辺ではグラベルが少ないため、とても貴重なルートです。この道を教えてくれたのは千馬さんですが、試走したときに比べると、今回は少しグラベル感が薄くなっているように感じました。理由は、杉の伐採で大型トラックが通り、路面が踏み固められていたためです。

 

この区間は日陰が多く、暑い時期でも比較的走りやすいルートです。奥山に入るような雰囲気の道ですが、不思議とアブを見かけないのもありがたいところでした。

 

Photo by Onimsa

 

頂上近くまで上ると視界が開け、菊鹿ワイナリーの白っぽい大きな建物が見えてきます。その建物を目印にすることで、自分たちが今どのあたりを走っているのか確認することができました。

 

Photo by Onimsa

 

この道のサプライズグラベルがここです。

 

Photo by Onimsa

 

ここが一番高い地点で、杉の伐採作業の拠点のようになっています。車両が入ってくるのもここまでで、雨の後は路面がぬかるみ、アンバウンドグラベルでいう“ピーナツバター”区間のような状態になります。

 

この日はカラカラに乾いて助かりました。

 

Photo by Onimsa

 

続いて丸太のグラベル区間

 

思わず笑ってしまいます。
ここからは下りになりますが、路面はかなり荒れているため要注意です。40C以下のタイヤの場合は、無理せず押し歩きした方が安心かもしれません。逆に45C以上のタイヤであれば、腰を浮かせてバイクをうまくコントロールしながら下ると、かなり楽しめる区間でもあります。

 

Photo by Onimsa

 

下り切ると集落に出ます。その先は県道18号で川を渡り、分校跡の先から再び山道へ。竹林に覆われた区間に入ると、意外と走りやすいアップダウンが続きます。

 

ただ、調子に乗って飛ばしていると、じわじわ脚にきます。私も一瞬、脚攣りの前兆を感じたため、ここからは少しペースを抑えることにしました。梅雨入りでしばらく走れていなかったこともあり、無理は禁物。まだまだ先は長いので、慎重に進むことにしました。

 

午前の部は終了。「みんなの森」に戻って、デイキャンプ風のランチタイムです。車をすぐそばに停められるため、椅子とテーブルを用意しておくとかなり快適に過ごせます。トイレはありますが、自販機はありません。コンビニもかなり離れているので、お茶だけでなく、コーヒーやお菓子なども持ってくると、より楽しく過ごせると思います。バーナーでお湯を沸かして食べるカップ麺も、こういう場所では格別ですね。

 

久留米のKeiさんは道の駅阿蘇のグラベルバイクで走られました。
現在3台あり、MERIDA  SILEX 400(XS:160~170cm)、MERIDA  SILEX 100(S:165~175cm )、 M(170~180cm)になります。アルミフレームですが、グラベルライドではあまり重さは関係なく、一度走ってみるとグラベルバイクの楽しさが分かると思います。

 

Photo by yoshitama3

 

あまりに居心地がよく、つい長居してしまいました。
午後のスタートは、「みんなの森」のキッズコースを1周するところからです。高低差が少なく、グラベルバイクでも気軽に楽しめるコースでした。

 

最初に訪ねたのは、五郎丸の畑です。
自転車の朝練で五郎丸のブドウ畑を訪ねるようになって、もう10年以上になるでしょうか。私が通い始めた頃、五郎丸のオーナーである吉里さんから、甥の古家友博さんへと畑が受け継がれました。古家さんが畑にいらっしゃるときには、ブドウや菊鹿ワインについていろいろなお話を聞かせていただき、私も少しずつ菊鹿ワインのファンになっていきました。
ブドウの成長や剪定、そして収穫に至るまで、季節ごとに畑の様子を見に行くことが、朝練を続ける大きな楽しみになっていました。

 

今回のライドでは、古家さん方の田植えの日と重なったためお会いすることはできませんでしたが、日頃から菊鹿ワインに関する情報をいろいろと教えていただいています。今年からは菊鹿町葡萄生産振興会の会長に就任され、今後ますますご活躍されることでしょう。

 

次に訪ねたのは、菊川房継さんの酒造野の畑です。周囲にさえぎるものがなく、小伏野や五郎丸の畑と同じように、とても風通しのよい場所にあります。

 

Photo by Onimsa

 

この日は、ブドウ畑の前で家族総出の田植えが行われていました。皆さんとても朗らかな方々で、写真まで撮っていただきました。こうした地域の方々との何気ない会話が、自転車乗りに興味を持っていただくきっかけにもなっているようです。

 

これからどこへ行くのか尋ねられ、「酒造野・陣内線の林道を通って菊池へ向かいます」と答えると、「エーッ、あの坂、本当ですか!」と驚かれていました。この道を知っているのは参加者の中では私だけで、樹々に覆われて薄暗く、激坂が続くうえに、所々かなり荒れた上りのグラベルになります。そんな地元の人が「まさか」と感じる道です。

 

約3kmの上りでした。この区間をコースに入れるかは迷いましたが、午後からの疲れ具合を考えると、カットしてもよかったかもしれません。それでも採用したのは、上り切った後、菊池市内の近くまで続く長いダウンヒルが極上だからです。

 

コンビニで休憩した後は、鞠智城(きくちじょう)近くにある、明治時代に造られた手掘りのトンネル「池ノ尾間歩」へ向かいました。昭和31年まで地元の小中学生の通学路として使われていた3箇所の間歩を通り、その後、7世紀後半(約1350年前)にヤマト政権が築いた山城・鞠智城の歴史ガイダンス施設へ。映像を見ながら、当時の歴史を少しだけ勉強しました。そこからは公園内を抜け、2.7kmのグラベルを下りますが、残念ながらその動画は私が撮りそこなってしまいました。

 

Photo by yoshitama3

 

 

鞠智城から帰り道にある「岩隈山の切り通し」に行きました。これは昭和の初めに作られたといわれ、30mの高さの崖の迫力と、陽の射し具合で壁面の苔が輝いて見えるのが特徴です。この日は残念ながらその時間を逃したようでした。

 

本来はこんな感じになります。

 

最後にみなさんに体験してもらいたい「太田の間歩」を逆方向のグラベル区間から走ってもらいました。ここは途中で曲がる真っ暗な手掘りのトンネルです。これを掘った経緯についは、菊鹿文化歴史探訪会の案内板があり、尾根越えの険しい道だったため、明治44(1911)年に地元民49名により、延長70m、高さ3.6m、幅3.2mのトンネル(間歩)が、わずか25日間で竣工したとありました。

 

Photo by yoshitama3

 

写真は鞠智城。予定を1時間過ぎてゴールしました。ちょっと内容を入れ過ぎたことが反省材料でした。ライドでは、菊鹿のブドウ畑を巡りながら、地域ならではのグラベル道や、手掘りのトンネル「間歩」も訪ねて、ワインづくりの背景にある土地の魅力や、生産者の皆さんの取り組みに触れる機会となりました。

この日の初めてグラベルバイクを体験された久留米のKeiさんの感想を紹介します。
「グラベルライドは、本当、ロードと違い、冒険心をかき立てられる。子供の頃の感覚というか、ワクワク、こんな場所を自転車で駆け降りるのか、と思う。落ち葉や木切れで埋もれている道を駆け上りながら、木々が揺れ、光が差し込み、小鳥の囀り、神秘的な空気感にこれは、面白い!
そして、グラベルライドを楽しんでいるもう一つが道具、椅子とテーブル、お湯を沸かしてカップラーメンやコーヒーを入れて、これまた自然を楽しんでいる姿にグラベルライドのこれからの可能性を感じる体験でした。是非、皆さんも体験して欲しいです!」

最後に井さんが撮影された3つのトンネルを通り鞠智城に行く動画をご覧ください。

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