コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「コロナ禍による座学のサイクルスポーツレポート」

道の駅阿蘇サイクルアドバイザーの「コルナゴ部長」こと中尾公一さんからサイクリングレポートが届きましたので、お届けいたします!!

 

コロナ禍のなか今回は座学として私のサイクルスポーツライフのレポートです。
これから自転車を始めてみようと思う方や、乗り始めた方のために、自身が経験したサイクルスポーツの魅力と価値について紹介します。
また、自転車ロードレースの中でも3週間に渡って開催される世界3大ツールのひとつ、「ジロ・デ・イタリア」の観戦に2018年に行き、偶然にも10年に1度と言われる歴史に残るレースとなった第19ステージに立ち会うことができました。
そこで選手が来る前に、自分の自転車で上ったフィネストレッレ峠での観戦体験と、世界に配信された動画をジロの魅力とともに紹介します。梅雨で自粛という悶々とした日々が続いていますが、みなさんの気分転換に多少にでもなればと思います。
まず、私がロードバイクを始めるきっかけとなったのは、2007年、49歳のときに友人のロードバイクに乗ったときです。まるで乗馬のような眺めの良さと、滑らかにスーッと進む体験したことがないスピード感に走ってすぐ魅了されました。
ロードバイク選びには1か月を要しました。有名な大会の存在やレースのルール、自転車メーカーや有名選手のことなど、あれやこれやネットや本で調べて、自分の判断基準に合致したのは「コルナゴCLX」の赤黒であり、サイクルショップを巡って納車できる店を探し購入しました。
モノの次はコトですが、順位やタイムを競ったり表彰台を狙うのではなく、旅行が好きで訪ねたところでの食事が趣味だったので、各地で開催されるサイクルイベントに宿泊を兼ねてエントリーすることを目的にしました。
初めての大会は、購入から4ヵ月後のオートポリスで開催されていた3時間耐久レースでした。福岡の友人の会社チームにお世話になっていたので、いきなりハードルの高いものに思えましたが、サーキット場という車も信号もなく、内側は早い人たちが走るので外側をマイペースで3時間走ればこんなに安全な大会はなく、初心者にはちょうどいいと思い参加しました。自転車を買ったショップも、チームメンバーも福岡だったので、サイクリングコースは、菊池の自宅から菊池渓谷の前を通ってミルクロードや阿蘇山周辺をいつもひとりで走っていました。
ロードバイクと同時にブログを始めました。当時は菊池の宿泊施設で仕事をしていましたので、取り組んでいた宿の「食」についてのこだわりと、阿蘇を走った感想を更新することが日々の楽しみとなりました。この頃はまだ阿蘇サイクリングの情報が少なかったので、興味を示す方や自転車情報誌の取材を受けるようになり、ブログを見た方が全国から宿に来られることが定着し、多くの方と出会うことができました。以後、1年休んで2019年5月まで続けた旅館業と、現在の道の駅阿蘇での活動によって、サイクルスポーツには4つの魅力があると考えていますので紹介します。
まず、サイクルスポーツは「自分を目覚めさせるスポーツ」であることです。
私は高校までスポーツは得意で賞状をよくもらっていましたが、息子の小学校の運動会で走ったら足がもつれて転倒し、自身のスポーツは終わったと諦めていました。しかし、ロードバイクを始めるとサイクリングの楽しさを発見し、サイクルイベントに備える練習も自然と取り組むようになり、徐々に早く、長い距離も、峠も走れるようになっていきました。気持ちの面でも「まだまだやればできる!」という挑戦する気分と、達成感の味わいを知るようになりました。
2番目は「家族で楽しむスポーツ」です。
家族や大切な人と一緒に走ったり、サイクルイベントや遠征の際には旅行に行くきっかけになることも魅力です。趣味は家庭の理解があってのもの、家族の協力がないと長続きしないと思います。
また、早朝3時間レースモードで走れば、誰でもお腹一杯の走行感になりますので家族サービスの日でも支障はありません。玄関からスタートできるのも、人を誘わないで一人で完結できることも、それと何よりプレー費がないことも家族の理解が得られることだと思います。
写真は2017年の100回大会となった「ジロ・デ・イタリア」に、結婚30年の記念に家内と行ったときのものです。北イタリアのドロミテの山岳ステージを、選手が来る前の峠を私は自分の自転車で、家内はレンタルのE-Bikeで上って観戦しました。これは私のサイクルスポーツライフにおいて家族と共有する夢の実現でした。
3番目は「健康を勝ち取るスポーツ」です。
筋力や心肺機能を高め、生活習慣病の予防、もしくは改善することができます。この点は自転車をする人に医療に携わる方が多く見受けられることにもあると思います。ちなみに私が自転車を始めた頃は、最初のSLの写真の通り現在より8k太っていました。ところが自転車を始めたら自然と体重が減りとても動きやすくなりました。
急にランなどのスポーツを始めると膝を痛めることがありますが、ロードバイクはギアが20速以上あることから、スイムのように膝に負担を与えることが少ないので、70歳、80歳というサイクリストも多くいらっしゃいます。また、電動アシスト自転車、E-Bikeの普及もありますので、気軽に健康年齢を高める生涯スポーツであると思います。
最後に「友人と出会うスポーツ」であることです。
私たちサイクリストには「一度走ればお友達」という合言葉があります。自分の仕事や交友関係の範囲では、出会うことがない友人や知人ができることは自分の生涯の財産になるはずです。特に退職したら、仕事繋がりで付き合う人とは即、もしくは徐々に疎遠になってしまい、退屈な生活を送ることになると定年本には書いてあります。
写真左の方は、2008年に私のブログを見て当時仕事していた宿を利用され、一緒にライドする最初の人となった福岡の高巣さんです。以後、現在も、多分死ぬまでのお付き合いとなるでしょう。中央は東京の松澤さんで、こちらもブログを見て2010年に来られた永遠の友人です。私と同じ歳でお互い60歳で退職し、以降よく遠征に誘ってもらいジロ遠征も企画してもらいました。ちなみに私と松澤さんも前職関連で現在も一緒に何かするような人やお付き合いしている人はひとりもいません。
以上が私のサイクルライフとしての14年間の感想です。
人にはそれぞれの志向のサイクルスポーツにおける目的があります。レース、サイクルマラソン、ブルべなどのイベントや、好きな時に走るサイクリング、モノへのこだわりも趣味としてあるようです。それに加えて観戦もそのひとつでしょう。野球やサッカーのように自転車の大会の臨場感ある観戦や応援することもサイクルスポーツの楽しみ方です。このようないろんなカテゴリーと、「誰と走るか」という選択も自由ですので、是非お勧めしたいスポーツです。
先ほど紹介したように、2017年には自転車を始めて究極の夢であった「ジロ・デ・イタリア」に家内と一緒に行くことができました。家内も以前はロードに乗ってジロの魅力は知るところ、そこで松澤さんがプライベートツアーを組んでくれました。これこそは4つの魅力の賜物であると思っています。もちろん遠征費用と休日という壁がありましたが、1年、2年掛かりの節約と、休日を取るための仕事をすることによって実現することができました。当然、得るものがあれば失うものもありましたが、何事にもリスクはつきものであるという考え方でタラとレバはやった(行った)人の後の楽しみです。
それでは歴史に残るレースとなった「ジロ・デ・イタリア」2018年第19ステージと遠征について紹介しましょう。自転車仲間の東京の松澤さんと一緒に仕事をしたことがある川田トシエさんが、パートナーのフランス人のルイさんと、南仏プロヴァンスで6名までのサイクリングツアー会社をされており、松澤さんからリクエストしてもらい2017年に続いて2回目のジロツアーを組んでもらいました。
参加したのは東京の松澤さんと岐阜の自転車仲間の大久保さん、ツール・ド・沖縄でお世話になっている沖縄の大城さん、大阪の松田さん、滋賀の深田さんと私の6名で、ミラノマルペンサ空港に集合する日を決めて川田さんたちに迎えに来てもらい、ルノー・トラフィックで移動する7泊のジロツアーとなりました。
この年のジロ・デ・イタリアは1チーム8名の22チーム176名で21日間に渡って3571.4km先のゴールを目指して競われました。それぞれのチームにはエースがいて、他の7選手は風除けになったり、飲み物や食べ物をサポートカーから運んだりしてエースを温存してその日の1位(マリアローザ)、そして総合優勝を目指します。
レースは多くの選手が一団となって走るグループを「集団」と呼び、そのままゴール近くになると力でねじ伏せるのが得意なスプリンターが有利になります。また集団から飛び出して先を行く「逃げ」というものがあり、単独でゴールを狙う選手や、数名で協調し合い最後のゴールで勝負する作戦になります。また逃げは、レース展開に変化をつけるため、カメラに映りやすくなるので、ジャージにデザインされたスポンサー企業や、自転車や機材など提供された企業のための広告塔にもなります。
ただし、先頭を走るリスクは風をまともに受けることになります。ジロの平均時速は40kmくらいですから、例えば車の窓から手を出すと相当な風を感じるように、風を受けて走ると体力の消耗が激しく、単独での逃げは不利になり、先頭を交代しながら走る人数の多さにより体力の消耗を防ぐことができます。このようなそれぞれのチームの作戦を読み、そこで展開される選手の戦略を想像しながら観戦すると面白みが増すことができます。

私たちのジロツアーの楽しみは、選手が来る前の山岳コースを走ることや観戦以外にも、観光化していない地元の方が行くレストランの食事にもあります。そこで壁になるのが、お得な料金の人気店を探して、イタリア語のメニューを読み解き、その土地の美味しい料理と、それに合わせるワインを選ぶことです。これには右の川田さんが日本語・英語・フランス語を話され、隣のルイさんがフランス語・英語・イタリア語を話されることで問題ありません。それにフランス人のルイさんは、ワインに精通されており、お手頃価格で料理に合うものをセレクトしてもらうことができました。

また、料理を頼む際に、いろんな料理を食べたいですから、ルイさんが得た情報を日本人の好みと量が分かる川田さんのフィルターを通して紹介してもらい、一品の量が多いのでシェアする方法で楽しむことができました。夕食は飲み物を含んでひとり3000~4000円くらいで、ちょっといい店のコース料理でも5000円以内でした。飲み代は川田さんがそれぞれ計算されて、料理代と合わせて最終日にまとめて円もしくはユーロで支払うのですごく楽でした。

では食レポートです。
当然ながら、どこで食べてもパスタに外れありませんし、安くて奥が深い味わいを楽しむことができました。
クーネオの中心地にある「I 5 Sensi」のティラミス。甘いのは苦手ですが、この店のドルチェはどれも爽やかで美味しくて、ちょっとデザートに目覚めた感じになりました。
ピザもいろんなものがあって、さすが本場イタリアを満喫できました。
ルイさんがワインリストから時間を掛けて選ぶワインは安くて極上、フランスの方ならではだと思います。
魚介類たっぷりのパスタ、街のレスロランは上品に、田舎へ行くと豪快に、味はどちらも変わりなく抜群でした。ただし、川田さんもルイさんも何も言われませんでしたが、どこであろうと音をたてて食べてはいけません。これだけは厳守です。
満腹になって、ワインに気持ち良くなって、笑顔になったらジェラート屋がおすすめでした。
ヴァレーゼのジェラート屋の可愛い女の子の手さばきの速さには味とともに感動しました。
それと多分ここだったと思いますがルイさんが、ふと真顔でこう言われました。「大城さんはベルナール・イノーの若い頃に似てるな」

ヴァレーゼの名店「Bologna」のステーキ。まず生肉の塊を持って来て、横に置かれたレシートには重さと値段が書いてあり、「OK」といえばこのようにして提供されます。ちなみにお値段43ユーロと格安、シェアして頂きました。
山岳の舞台となったフランス国境のピエモンテや、アルプス山脈からミラノ近くに下りると、熱帯夜のような蒸し暑いレストランの帰りでも笑ってばかりいました。日頃笑うことは少ないので自分が笑っていることに気づくことなどありませんが、イタリアに着いて以来ずっと顔の筋肉が緩みっぱなしでいつも笑っていたような気がします。自身のブログには「2年分は笑ったような気がする」と、ジロという熱狂的イタリアの祭りの感想を書いていました。

ではジロ遠征に戻ります。空港のすぐ近くに手配された初日のホテルは、最終日にも利用することで、自転車を日本から入れて運んできた輪行用品を置かせてもらうことになっていました。初日は深田さんがヘルシンキから18時、松田さんはパリから23時、私たち4人はミュンヘンから20時と遅く着くので、サイクリングは2日目からスタートします。写真は川田さんのE-Bikeで、これなら厳しい峠でのガイドも問題なし、というより私たちより遥かに早く遠くまで走られました。
アルバの街を走って、ワインで有名なバローロの世界遺産の丘陵を快走し、バローロ村に到着。
さっそくワインティスティングを開始してONLY TOP 4杯を25ユーロで試飲、自宅用に10ユーロを1本購入しました。ちなみに、私たちのツアーには土産用の買い物枠は一切ありません。2日目はクーネオ泊で、この地方は米の産地なので、リゾットは最高に美味しかったです。
3日目は朝からクーネオの旧市街の探検ライド、群を抜く豪華な建物に、イタリアの文化遺産の多さに驚くばかりでした。気持ちのいい朝のライドを楽しんだら、ジロ第18ステージを観戦するためプラート・ネヴォソの麓の街、ヴィラノバ・モンドヴィへ移動しました。
麓からそれぞれのペースで山頂目指して走り、ジロらしい雰囲気が楽しめました。
下山してヴィラノバ・モンドヴィのロータリーでこの日、2回目の観戦をしました。街に近いところなので、学校の授業の一環でしょうか、子供たちの応援に遭遇しました。驚いたのが選手たちの集団が来る前に、ヤンキーホーンを鳴らしながら通る派手なキャラバン隊の後、チームバスが通ると、大きな声でチーム名を叫び、バスの運転手は手を振って、音色のいいクラクションを次々に鳴らしていきます。子供さんや年配の方の熱烈な応援といい、ジロは101回も開催されているイタリア国民の誇りであると思いました。
こんな感じで応援しました。
今回のジロには日本選手は選ばれていませんが、30回目のジロとなるサイクルフォトグラファーの砂田弓弦さんの応援をしました。世界で12名だけオートバイに乗っての撮影が許されるサイクル関連では有名な方です。前の年のジロ開幕前にバイク事故で怪我されたので、浮島神社の自転車お守りを差し上げたらその場で胸ポケットに入れられてたいへん喜ばれました。
ジロはイタリアあげてのお祭りですから、いろんな国から自国の選手の応援に来ているオーディエンスに負けないよう、川田さんに手配してもらったピンクのアフロです。これは絶大な効果があり、道を開けてもらったり、ワインを勧められたりしました。
日の丸は、イタリアには親日の方が多くよく話しかけられ笑顔で歓迎されました。また、ジロにおいて私たち日本人が好意的にされる理由として、砂田さんの存在があるのかも知れません。30年以上もイタリアに住み、サイクルスポーツを愛されていることは、イタリア自転車界において誰もが知るところであり、みなさんからリスペクトされておられます。
ジロ最終日の翌日、砂田さんは電車でコルナゴ本社に出向き、創設者のエルネスト・コルナゴ氏にジロの報告をされるとお聞きしています。もちろんワインで乾杯しながらです。ちなみに私の最大の自慢話は、2017年にジロに行った際に、砂田さんからエルネスト・コルナゴ氏の報告会にお誘い頂いたことです。「ワインが出るから電車で行くのでミラノ駅で待ち合わせしましょうか・・・」このメッセンジャーでの連絡は一生の宝です。
そうこしていると集団が来ましたが50kくらいのスピードなので一瞬で通り過ぎました。街中での観戦は簡単ですが、やはり山岳に限りますね、それに暑過ぎです。
4日目、それではいよいよ歴史に残る名レースとなった第19ステージです。高速を乗り継ぎトリノをかすめてスザ渓谷へ。この日から難易度5星のステージが2日間続き、3日目の最終日は平坦のため19,20ステージで決着がつきそうな雰囲気が漂っていました。車はルイさんの事前の下見でサンジオリオの共同墓地に駐車されました。ナポリやローマなど南イタリアに比べれば治安のいい北イタリアですが、墓地ならより安全というルイさんの読みでした。フィネストレ峠の麓のこちらのカフェで休憩して観戦後の集合場所にしました。
砂田さんによると、イタリア人選手の不調によりフィネストレッレ峠は例年の半分以下の人出だったそうでした。それでも麓ではお祭り騒ぎで盛り上がっており、カフェでは仲間に入れさせてもらい気持ち良く峠を目指すことができました。
今大会で最も標高の高い山の称号、チーマコッピのフィネストレ峠は、距離18.5km、獲得標高1694m、平均勾配9.2%、最大勾配14%、そして残り8kmから未舗装となります。ジロの隊列が近づくと自転車から降りてその場で観戦することになります。よって私たちはそれぞれのペースで頂上を目指すとともに、観戦する場所を探しながら走りました。
頂上付近では残雪も残る気温と、急な天候の変化に備えて、防寒具やレインウェアー、それにランチをリュックに入れてスタートしました。走り出すとすぐに村の人が大城さんの日の丸を見て「ジャポネ!」と声をかけてもらいました。
何が起こるか分からないジロの山岳、ここまでのマリア・ローザ、個人総合1位は不調の兆しが見えてきたサイモン・イェーツです。2位は遅れること28秒のトム・デュムラン、3位が2分43秒遅れてドメニコーニ・ポッツォヴィーヴォ、そして3分22秒遅れてクリストファー・フルームが4位となっていました。
この家の垂れ幕に書かれている「WILL GIRO CHI VINCE A PRATO NEVOSO VICE IL GIRO」、「ジロ様大歓迎、残雪残る山岳ステージを制する者がジロを制す」
まさにその通りとなりました。
麓の村を抜ける厳しい坂が続きます。右後ろが私ですが、平均勾配9.2%の延々の上りにメンバーとはバラバラになってしまいました。歩きの人も多かったですが、未舗装区間に備えてMTBやE-Bikeをレンタルして世界中から自転車乗りが集まっているようでした。上るに連れ、熱いグループが増えてビートの効いた音楽が聞こえてきます。発煙筒がたなびき、奇声をあげ、国旗や民族の旗を振る温厚な酔っぱらい集団が多くなります。まさにジロの峠ならではの光景です。

大久保さんグループの写真です。

深田さん、大久保さん、松田さんは中腹で観戦されたようでした。そこで幸運にも砂田さんと会われていました。
道路は狭いので車を使っての観戦は無理のようでした。しばらく行くと警官から「ここから先は自転車禁止」と歩きで行くように立ちはだかれましたが、なぜか抜け道を教えてくれて無事コースに出ることができました。
チャイルドトレーラーを引くママライダー。この方は最後に紹介する動画の残り80.7kmに出てきます。
未舗装路手前には、ここだけランチのパニーニを提供する移動販売車は大盛況と思いきや、またもや警官から「ここから先は行けないと・・・」
未舗装区間を見ながら絶望していると、一緒に走っていたイタリア人が、「あの角まで自転車を押して歩けばいい。そこから先は見えないからまた乗るさ!」みたいな。
なのでみんな仲良く押し歩きしました。実にイタリア的でサイクリストに寛容です。
松澤さんと眺めのいい所を探してこれから先に備えランチにしました。
これは絶景を見ながらランチする合間に、汗で濡れたアンダーやジャージを乾かしているところです。上半身裸の人は普通にいますのでジロでは不自然ではありません。イタリアに来てパニーニの美味しさに感動しました。ボソッとしたパンの味わいにも馴染んで2,3種類のハムとチーズを挟んで食べると、まったく飽きがこなくて毎朝欠かせないものになりました。日本のパンの柔くてモチモチ感とは真逆ですが、クセになる美味しさとはこのことだと思いました。
ここで大城さんとも合流して峠を目指します。


川田さんと遭遇、英語とフランス語を操る日の丸女史はどこでも人気でした。
公園警備員の方とも気軽に話せてジロ情報を得ることができます。スマホの電波の無いフィネストレッレ峠ではこれはとっても大切なことです。
未舗装路に入るとペダルがグッと重くなりギアは2枚ほど違ってきました。ギア2枚軽くしないと普通に走れない9.2%の坂をあのスピードで頂上まで8km、信じがたいフルームの激走を最後に紹介する動画をご覧ください。
観戦場所に悩みます。あまり人が多い所は圧倒されますので、上って来るのが見ることができて比較的おとなしいところがベストです。
雪を除雪する重機があるこのカーブも動画に出てきます。
頂上に近い一番眺めの良いところにきましたが、人が多すぎてここでの観戦は諦めました。
ここにフォトグラファーの辻啓さんがカメラを構えていらっしゃいました。前の年はステルヴィオ峠を上っていたら、川田さんの自転車の日の丸が目に留まり、車から降りてお会いすることができました。
谷間を見下ろせるここに決定、すると上ってきたバイクの警官から、もうすぐ選手たちが来るので自転車を降りて道の脇に置くよう指示。周りの人たちが「そこに置いてこっちから見るんだ」みたいに教えてくれました。しばらくするとヘリの音が段々近づき周りの人たちも緊張し始めました。
ここからスマホを動画に切り替えたので写真はありません。

先導車が過ぎると・・・

フルーム!

あっという間でした。それにしてもグラベルの上りをパワーメーター見ながら凄いスピードで駆け抜けていきました。30kくらいはあったように思います。楕円ギアが躍っていました。

写真を取り損ねた2位のデュムラングループに続いて、マリアローザグループ!
こんな近くで有名選手の激走する姿を見れるなんて夢のよう、今まで気が動転していましたが、選手が通り過ぎる際のフワッとした風圧で目が覚め、ジロに来てホント良かったと思いました。

続いて集団です。ヘリの音が凄い!
スマホの動画、いい感じで撮れましたので是非見てください。
集団がかなり遅れて来ました。

ガードレールのないスイッチバックの峠道、
未舗装路ゆえサポートカーの、
路面に車体を打ち付ける鈍い音、
峠を過ぎたら雪解け水の濡れた路面、
これこそジロです。
ジロの隊列が通過したら自転車で来た観客は一斉に山を下ります。ディスクブレーキのMTBは、カーブ手前で急激に速度を落としますので、リムブレーキの私たちとのタイミングが違って要注意のダウンヒルでした。未舗装路区間を過ぎたらさすがにホッとしました。
集合場所のカフェについたらそれぞれの体験談と笑顔が止まりませんでした。
20時、といってもこちらは日没が遅くまだ明るい頃に、サンヴァンサンのホテル「Best Western Plus All Posta」にチェックイン、この日の夕食は近くの「Petit Bijou」でした。川田さんの触覚に触れたこちらの店も安くて美味しいミシュラン店でした。

5日目は第20ステージイタリア語のマッタ―ホルン、チェルヴィニアのゴールまで走りました。よく写真で見るマッタ―ホルンの麓にいることに感動!この日、フルームの総合優勝が決定しました。
6日目はアオスタ渓谷をサイクリング、北イタリアののんびりした風景を楽しみました。
こちらの放牧された牛は阿蘇で良く見るあか牛や黒毛より小さな品種でした。
7日目はギザッロ教会と自転車博物館を訪ねて、その後はべラージオにサイクリング、惣菜店のいろんな具材を選べるサンドイッチを買い、湖を眺めながらピクニックランチ、これも実にイタリア的でした。コモ湖までスイスやヨーロッパ各地の裕福な人たちの別荘地帯を眺めながらのサイクリングもとっても気持ち良かったです。

 

夜はヴァレーゼ駅近くに車を置いて散策していると、サイクルショップ「Cicli Ambrosini」のコルナゴ専用シップを偶然見つけて土産用のボトルをみなさん買われていました。私はこの店のチームジャージの鱗のような生地が気に入って購入、コルナゴの珍しいE-MTBを見ていたら横にヴァレーゼが地元のバッソのサイン入りのジャージもありました。夕食は名店「Bologna」で最後の晩餐となり何度も美味しいワインで乾杯しました。

第19ステージ翌日のガゼッタの新聞記事です。1面がフルームのガッツポーズで2面3面がこの記事になります。80kmの逃げにより初めてマリアローザを手に入れたフルームを称賛しています。
砂田さんはフェイスブックに「歴史に残るフルームの区間大勝利をオートバイから撮影できてよかったです。10年に1度あるかどうかのレースでした」と書かれ、史上稀に見る名レースだったことは帰国してから知りました。
これも帰国してからですが、チームスカイはフィネストレッレ峠を何度も試走し、フルームの総合優勝のためにこの峠で勝負するプランを練り、前日のスタート前にはフルームを牽引する最後の2名の選手に「力を温存しておくように」と指示されていたそうです。
また、栄養士はハンガーノックにならないようフルームに補給するタイミングを念入りにレクチャーしていました。私たちも峠を上りながら、補給食やドリンクが入ったサコッシュやスペアホイールを持ったスカイのTシャツを着たサポーターを何度も見ましたが、他のチームにそのようなスタッフはいませんでした。
このように完璧なプロットによってレースは実行されました。3分22秒差を取り戻すためには、フィネストレッレ峠でライバルに追いつき、引き離すしかフルームの逆転のマリアローザはなく、チーム一丸で挑んだステージでした。この歴史に残るレースに立ち会うことができたことは一生の想い出になりました。フルームが目の前を通り過ぎた15分までは同じ荒れた道を走っていたわけですから。

以上、2018年ジロ・デ・イタリア第19ステージのレポートでした。

遠征費用や9日間の休日と引き換えに60歳目前に生涯の体験ができました。このあと、ジロが終わってからと予定していた目の手術をおこない、5日間の入院期間中に記憶にジロ遠征のブログを書きました。今回はそれを見ながら短縮版にしましたのでよかったそちらもご覧ください。
最後に同行したフカッチさんこと、滋賀県草津市の自転車店「スポーツサイクルフカダ」のオーナーの深田さんの座右の銘を紹介します。

 

”トラック一杯の薬より1台の自転車を”

 

頂上から少し降りたところで観戦した動画です。

フィネストレ峠序盤戦の動画です。

世界に配信された歴史に残る伝説のレースの40分短縮版です。

 

ブログ「コルナゴ部長の天空の旅」より2018年ジロ遠征
其の一
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の一 (fc2.com)

其の二
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の二 (fc2.com)

其の三
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の三 (fc2.com)

其の四
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の四 STAGE18 (fc2.com)

其の五
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の五 STAGE19 (fc2.com)

其の六
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の六 STAGE20 (fc2.com)

其の七
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の七 MADONNA REL GHISALLO (fc2.com)

帰国
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 GIRO D’ITALIA 2018 其の七  帰国 (fc2.com)

 

 

 

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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

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