コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「グラベルロードと夕陽の草原ライド」

コルナゴ部長こと中尾公一さんよりレポートをいただきました。
今回は、阿蘇谷と小国のコースを走られたそうです。
夕陽のなか草原を走る「夕陽の草原ライド」も紹介されていますよ。

近年盛り上がりを見せている「グラベルロードバイク」という新しいジャンルの自転車がある。主に砂利道など未舗装路と舗装路の両方の走行を視野に長距離を走れるように設計されたオールラウンドなスポーツバイクだ。八重洲出版の自転車専門誌「サイクルスポーツ」では阿蘇のグラベルロードバイク(以下グラベルロード)に適したコース特集をされるとのことで試走を重ねて選んだ阿蘇谷と小国のコースを走ってきた。また、今後の阿蘇特集のムック本に備えて草原ライドの新たな魅力となる「夕陽の草原ライド」も合わせて取材してもらった。

グラベルロードとは見た目はロードバイクに似ているが、ダート走行する事を想定して設計されているため通常のロードバイクよりも径の大きいタイヤや、悪路でも安定した制動力を可能とするディスクブレーキが装着されているのが特徴。未舗装の林道やあぜ道をマウンテンバイク(以下MTB)のように快適に走れて、舗装路ではロードバイクのように長距離を走るのも苦にならない。また軽くて車に乗せるのも、輪行袋に入れて飛行機や列車など公共の交通機関で遠征出来るのも魅力的だ。ただし、MTBでは走行可能な大きな石が転がる荒れた道や激しい段差のセクション、それにロードバイクのようにスピードを競うことには構造上向いていない。

小国コースは阿蘇くじゅうサイクルツアーを主催しているトリムカンパニーの橋本君が地元なので山道にも詳しく担当された。ベース基地となるのは小国町(阿蘇郡)の木魂館でこのエリアでサイクルイベントがあるときにはよく利用されている。宿泊施設・レストラン・大浴場・キャンプ場があるので宿泊を兼ねた遠征などに利用すると便利であり料金もお得だ。また、事前に了解を得たら駐車場だけの利用もできるとのことだった。

ここに来たら隣接する北里柴三郎記念館を訪ねることをお勧めする。小国町出身の細菌研究で世界的にも有名な北里大学を創設した北里博士の生家や小国町に寄贈された北里文庫(図書館)を改修した記念館は一見の価値がある。また2024年度前半に千円、5千円、1万円の各紙幣が一新されるが千円札の肖像画は北里柴三郎博士になる。

貴賓室の2階は開放的で北里地区が一望できる。

天気が良ければ小国富士といわれ博士も眺めたであろう涌蓋山を見ることができる。

北里記念館からすぐに旧国鉄宮原線がコースとなる。宮原線(みやのはるせん)は大分県玖珠郡九重町の恵良駅から小国町の肥後小国駅までを結んでいたが1984年に廃線となった。現在でも橋梁やトンネルなどが当時のまま残されており当時を偲びながら小国杉や広葉樹を眺めながら走ることができる。またここは散策コースにもなっているので走る際には歩行者に注意が必要だ。

トンネル内には入口に電灯のスイッチがある。

線路跡だけに見通しはとても良く走りやすい落ち葉の絨毯のようなグラベルが続く。

幸野川橋梁は竹筋橋といわれ鉄筋の代わりに竹を入れて造られたという。

イノシシ用だろうか罠もありこの廃線跡を通る人はほとんどいないようだった。

宮原線跡から公道を通り立ち寄りスポットとして滝の裏側に行ける鍋ケ滝と樹齢千年以上といわれ国の天然記念物に指定されている下城の大イチョウへ行った。私はMTBだったので舗装路ではグラベルロードに付いていくのがやっとだった。

近くには鍋釜滝や下城滝吊り橋も歩いて散策することができる。

続いて上田の手掘りのトンネルへ

山に向かって下りになるトンネルの先は元の所に戻る道だけになるがサイクリングスポットとしてはとても魅力的。

最後は有名な小国杉に囲まれた道を通り小国コース終了。走った感想は、ロードバイクで走る視野が広がる公道を違い、木々に囲まれているため次々に見える風景と変化する路面が楽しめる宮原線跡が特に新鮮で、グラベルロードバイクに最も適したコースだった。

阿蘇谷のコースは町古閑牧野に農林畜産業で仕事をしながらサイクルガイドやトレッキングガイドをしている釜崎笙君ことショウ君に案内してもらった。
道の駅阿蘇をスタートして阿蘇ネイチャーランドがパラグライダーなどアクティビティのフィールドとなる本塚(ニベ塚 二辺塚城跡 標高573m)に上って長寿ヶ丘公苑の麓にある参勤交代に利用された豊後街道からあぜ道や農道を繋いで帰ってくるコースになる。事前にサイクルスポーツ誌の方が取材されていたのでこの日は本塚の麓の農道と豊後街道を走った。(※本塚は私有地になりガイドによる案内が必要)

豊後街道は階段の箇所以外はグラベルロード向きの走りやすい未舗装路が続く。

美しい竹林もいい

石垣と石畳になっている涸れた谷川は自転車を抱えて越える。

長寿ヶ丘公苑方面から上りになる長い階段区間を下ってみた。

グラベルロードで下りを試してみたが無理、やはりここはMTBになる。

豊後街道から上られる田子山展望所の「そらふねの浅橋」も事前に取材されており、変化に富んだ景観と路面がある豊後街道一帯はサイクルスポーツの方にグラベルコースとして高く評価された。

次に内牧にある阿蘇MTBパークに寄ってみた。

ここはどんな自転車でも走れる公共の自転車の公園のようなもので、パンプトラックコースやトライアルエリア、ジャンプコースもあり子供から上級者まで楽しむことができる。狭そうに見えてもコブの凹凸を見るとつい目一杯走ってしまいかなり息が乱れ、テクニックの練習はもとより短時間のトレーニングに適した施設に感じた。

昼食を兼ねてJR豊肥線の内牧駅近くの線路沿いにある「ショッピングふじた」を訪ねた。ここはサイクルラックもあるショウ君おすすめの店で昔ながらの日用雑貨から食料品まで揃う店だが店内の半分は精肉コーナーになっている。特に馬刺しの品揃えは有名らしくいろんな部位が並んでいた。

店の入口にある看板、ショウ君のおすすめは「一番人気!ハーブ鶏のから揚げ」でパン粉とかたくり粉から選べるそうだが絶対パン粉だそうだ。

揚がるまでしばらく待つとアツアツのパン粉から揚げが登場、見た目はメンチカツ。

美味しい!
大きさは一口サイズでパン粉の衣が新鮮、タレに漬けられたハーブ鶏との相性も抜群で2個目、3個目とつい手が出てしまうクセになる美味しさだ。

あぜ道や農道を繋いでグラベルコースの取材は終わった。今回のコースは地図アプリで紹介したいと思ったが、道なき道が多いため手書きの地図でないと起こせないしそれを見たところで走るのは困難だ。またニベ塚はガイドがいないと走れないためサイクルスポーツ誌では草原ライドのように橋本君やショウ君のツアーに参加する形で紹介されるそうだ。私の方では毎月開催している阿蘇満喫ライドのコースとして案内しようと思っている。

翌日は午後から町古閑牧野の草原ライドへショウ君の案内で取材に行った。
今回、草原ライドの新たな魅力として紹介するのは、MTBやE-MTBで草原を走りながら夕陽を鑑賞する「夕陽ライド」だ。フィールドとなる町古閑牧野(800~920m)と、この時期に陽の沈む方向になる杵島岳(1270m)と草千里展望所(1170m)により地平線に沈む夕陽のようにドラマチックに眺めることができるのが魅力だ。

影もこんなに長くなる

夕暮れから日没までめまぐるしく変わる空模様を眺めながら、気に入った場所で夕陽をバックに記念写真もいい

夕陽を見ながら走るのもいい

波打つ広大な草原と息をのむ夕焼け色に染まる阿蘇五岳

ここからは阿蘇くじゅうサイクルツーリズムの橋本君によるドローンの映像をどうぞ。

この日、私は初めての夕陽の草原ライドを体験した。その時、山崎豊子の「華麗なる一族」の冒頭に書かれている志摩半島の英虞湾の夕陽のシーンが重なった。

「陽が傾くと草原に華麗な黄昏が訪れる。遠く杵島岳の稜線まで望まれる西空に、雲の厚さによって、オレンジ色の濃淡が描き出され、やがて真紅の夕陽が、僅か数分の間に落ちていく。その一瞬、空一面が燃えたら、空と阿蘇五岳が溶け合うように炎の色に輝く・・・」

夕陽の草原ライドはショウ君のツアーで体験することができる。コロナ禍ゆえプライベートライドをおすすめする。平日ならひとりでのエントリーも可能なので初心者の方でもお気軽に。ショウ君のツアーはMTBを持ち込むかE-MTBのレンタルになり、ヘルメットもレンタルできるのでスニーカーを履いてくればそのまま草原に案内してくれる。

 

☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆

 

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