コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇満喫グラベルライド~おぐにの魅力vol.2~」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
今年度から始まったグラベルライドも、毎回多くの方にご参加いただいてます★ありがとうございます。

今回は道の駅阿蘇からではなく、小国町役場からのスタートコースでした。
参加者皆さまの笑顔溢れる楽しい時間の様子をご覧ください★

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小国町役場をスタート&ゴールとする阿蘇満喫グラベルライドを開催した。
阿蘇外輪山の北側に位置する小国町・南小国町は、ブランド材小国杉の産地であることから林道が多く、加えてまだ踏み入れていない道も迷路のようにあることから、アドベンチャー感あるグラベルライドの魅力的なエリアと考えていた。
ただ、道の駅阿蘇からは50km以上離れているため、ロードと違いグラベルライドは基本的にスピードを求めないし、いろいろと荷物も持ちたい、それに未舗装路を走ると疲れるので60km程度がちょうどよく、今回のような現地での開催がグラベルライドをより満喫することができる。

今回のグラベルライドのコースは、ASOおぐに観光協会事務局員(小国町地域おこし協力隊)として福岡から移住されて活躍中のMTBやシクロクロスに経験豊富な上野幸紀さんに作ってもらった。上野さんの息子さんである上野蓮君は、MTBワールドカップ・世界選手権の元日本代表であることから、私たちが活動している阿蘇地域のサイクルスポーツに対して力強い存在として期待している。

集合は小国町役場、駐車場の使用許可は上野さんに取ってもらった。
この日参加されたのは福岡・熊本から11名、ガイドはいつもの4名。ブリーフィングでは16時から雷雨予報のため予定コースを若干短縮して15時を目指してゴールする案内をした。

恒例となった参加者のニューグラベルバイクを紹介しよう、まずは熊本の前田さん。
キャニオン・グレイルCF-SL
タイヤはグラベルキングSS40C、空気圧はフロント2.4・リア2.6bar
タイヤの色がフレームカラーに合っていてカッコいい。私のトップチューブバッグはジッパー式なので走行中に物を取り出すには厄介だが、前田さんのアピュドラのトップチューブバッグは、マグネット式なので開閉しやすくグラベルライドにとても向いている。

福岡の東さん。
キャニオン・グレイルCF-SLX
タイヤ40C・空気圧は2.5
電動11速の限定セールで買われたそうでDT SWISS 1400のホイールも付いてかなりお得だったようだ。その恩恵で車重は8.5kgと軽い、このバイクで今回参加されているヨシタマさんとニセコグラベルを走られる。よって来月のこのライドは2人とも休み。ヨシタマさんは来年の世界最大のグラベルレース、アンバウンド・グラベル100マイルにもエントリー予定、素晴らしい!

次はサイクルリストには命につながる水分補給について。
私はロック機能がついているキャメルバックのボトルを最近愛用しているが、東さんから熱中症予防にもおすすめボトルの紹介があった。それはキャメルバックのステンレス製保冷ボトル。真空断熱二重構造で極めて高い保冷力があり、水分補給と同時に少しずつ飲んで身体を冷やす効果もある。値段はそれなりだが水分補給だけでなく、熱中症予防を考えると今後必須のアイテムになるのかも知れない。
ガイドの井上君は片手で開けられる蓋が付いたボトルを使っている。これは埃や水たまりの跳ね上げや、雨天時に巻き上げた砂利から飲み口を清潔に保つことができるので、グラベルライドにはおすすめだ。左の島野さんの背中のバックはハイドレーションベスト、トレラン好きの彼の定番スタイル。

グラベル走行中は常に両手でハンドルを握っておかないと危険なので、みなさんも舗装路になってやっとボトルを手にしていると思うが、これは片手をハンドルから外さずに水分補給ができるのでグラベルレースではよく見かける。

この日、高巣さんが細くて暗いグラベルに入ってすぐ、道に張り出した倒木に接触して落車された。スピードも出ておらず多少の打撲程度だったが、原因は色の濃いアイウエアだったので明るいところから暗いグラベルに入って一瞬視界を失っての事故だったようだ。
視力に自信がない人もだが、私の場合は白内障手術してから車を運転する際に、明暗が連続する木漏れ日が苦手になり、濃いアイウエアだけでなく調光レンズも色が変わる時差で怖い思いをしたことがあるので、走るコースによりクリアレンズのアイウエアを使っている。このようにグラベルライドではロードで経験しなかったことも多い。

新紙幣の顔となった小国町名誉町民第1号の北里柴三郎博士の幟が垂れ、玄関には小国町名誉町民第2号で全国町村会長だった河津寅雄氏銅像の小国町役場から、上野さんの案内により15名はスタートした。ちなみに小国町名誉町民第3号は洋画家の坂本善三氏。

街中を少し走って212号を渡ると車がほとんど通らない道になる。気持ち良く走っているとすぐに上りのグラベルが現れた。最初は締まった砂利だが、やがて浮いた石が多くなり細いタイヤの人は厳しいだろう。40Cのグラベルバイクに乗って5ヵ月、参加者の走行感を聞いてもこのサイズあたりのタイヤが一番適していると思う。

竹林になると固く引き締まった道になる。豊後街道の田子山を過ぎた担ぎ区間の先と同じで、長年積み重なった竹の葉によるものだろうか、凄く走りやすい。この先は荒れた砂利道、セメント道と変化があっておもしろい。

林道、農道としても使われなくなり草が繁る長めの下りで最初の休憩ポイントへ。ここは上野さんと下城さんとレーパンで試走した際に、多分ハゼかウルシの幼木に足が触れてかぶれたので(下城さんも)初めてレッグカバーを購入、パールイズミのコールドシェイドレッグカバーという商品で、UPF50+UVカット、吸汗速乾で快適、グラベルライドにはこちらも便利なアイテムだ。

上野さんのコースは実に楽しい。地元の方も知らないグラベルが続く。

こういう道が無数といっていいくらい小国・南小国にはありそうに思えてくる。

最初の長いグラベル区間の終わりが近づいた。最近、このように伐採された杉山、ヒノキ山をよく見かける。50~60年生の立木が最も価値の高いらしく、戦後の造林政策の頃に植林された立木が次々に伐採されているのかも知れない。

134号から中原川沿いの道を走る。林道の緊張感から解放された見晴らしのいい平坦路、のどかな感じも変化があっていい。でもこんなときにちょっとずつスピードを上げて、スルスルっとアタックしてみると、みんな付いてきてくれた。

最後の民家の先からの中原川沿いの道が涼しくて快適、そうこうしているうちにクールダウンのポイントに到着した。

前の週の阿蘇満喫ライドに続いて冷たい清流のドボンを楽しんでもらった。子供の頃になれる瞬間、飛び込んだのはよしたまさん、今年の夏の最後を飾る一枚になった。羨ましいが私はサウナの水風呂と同じでこれは苦手。

川遊びした人だけの快楽の特権、5分間はそのままだった。

中原川沿いの緩やかな上りから押戸石へ進む。

途中、緩い砂利道がやっかいだが2km上って到着。ここから1kmの遊歩道で押戸石の石郡、約4000年前のシュメール文字がペトログラフ(岩刻文字)として刻まれているといわれるが、暑いしまだ先があるので誰も行かない。それよりここには飲み物がクーラーボックスに冷やして販売されているので一息入れるのが大事。

押戸石からマゼノミステリーロードで212号に出て、ここから先は下城さんが詳しい杉山のグラベルのダウンヒルになる。

ここも林道として使われなくなった草木に覆われたところからスタート

木陰になると走りやすいが下りなので路面に全集中

最高に楽しい!
ハンドルやサドルに体重を掛けていると、凹凸に体が跳ねてかなり疲れるし、安全な走行ラインが取れないので、体は浮かすくらいのイメージがいい。それが上手な人は跳ねながらすっ飛んでいく。

杉の小枝を飛ばしながらの長い下り、ディレーラーに挟まったらアウトなのでそこは要注意、ブレーキングが続いて手が痺れそう。

スリル感が半端なく今日一の区間だった。それを言葉少なく語りながらグラベルは終わる。

南小国の街中に到着、今回の昼食はコース近くのコンビニで買って役場近くで取ることにした。

黄金色に染まってきた南小国の田んぼ道

ここも前の週走った手掘りのトンネルの入口の欄干のない橋

何度来てもここは特別、吸い込まれるように暗闇に突入、曲がっているので出口の光が見えない洞窟は、ひとりだったら村上春樹の小説に度々出てくる井戸の中のような別世界。


40号に出て南小国方面に下り、ピッツェリアトレパッソの手前からグラベルは、いい感じの下りが続いた。途中トランシーバで上野さんのパンクの連絡があった。井上君がいたので何とかなると思っていたが、チューブラで予備タイヤはないとのこと、シーラントの持ち合わせも誰もなくて空気を補充しながら先にゴール地点に行かれた。

最後のグラベルは道の駅小国の200m先の旧国鉄宮原(みやのはる)線跡の出口から往復することにした。ここは木魂館をベースに2013年から始まって2019年に終焉となった「九州Heaven Ride」の定番コースでもあった。写真の背景は樅木川に架かる「幸野川橋梁」。昭和12~14年ごろに建造され、当時の金属供出のため、鉄筋の代わりに竹が使用されている竹筋橋。レトロで優雅なコンクリート造りの6連アーチ橋だ。

こちらが木魂館の下にある宮原線入口、舗装路の横は北里柴三郎記念館。

九州Heaven Rideのときはロードバイクだったので必死だったが、グラベルロードで走るととても走りやすかった。福岡の東さんもHeavenを走られており懐かしそうだった。Heaven Rideは2019年で止まったままだけど、この道はいつでも走れるのでバイクを乗り換えたヘブンライダーは再訪するときっと何か得るものがあると思う。
宮原線の2か所のトンネル(北里トンネル)の比較的走りやすい方だが、バイクが変わってもホイールに石が当たるあの音がトンネル内に響くとHeavenの厳しさを思い出した。


線路跡のグラベルを訪ねるのは、2021年に出版された阿蘇サイクルガイド本の取材以来だが、本気で走ったのは2015年、2016年、2017年、そして2019年ラスト開催の「九州Heaven Ride」だった。2019年のブログにメンバーだった当時Cyclist編集長の澤野健太さんが、販売に熱を入れていたメーカー提供のグラベルロードで走られてこのような感想を書いていた。

Photo by Koichi Hirowatari、九州Heaven Ride
「澤野さんが乗っていたグラベルロードを見て、頑丈なフレームやハンドル、それとグラベル専用のコンポが付いて輪行袋に入れて移動できる手軽さはとても魅力的に思えた。戦後植林された杉や檜が伐採の時期となっているそうだ。木を切り出すためだけの林道の役目以外にも、走行許可を取った未舗装林道が今後サイクルスポーツの新たなフィールドとして活用される可能性を考えると、グラベルロードに熱い視線を送らずにはいられない。」
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅「九州Heaven Ride」


2019年、始めて見たグラベルバイクに誰しも熱い視線だった。それは九州を中心に全国から集まった23チーム106人のなかでも多分ただ1台のグラベルバイクだったと思う。

そして5年後のこの日、同じコースを自分のグラベルバイクで走って、あらためてグラベルがサイクルスポーツの新たなフィールドになることは間違いないと思った。

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道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。

道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL:0967-35-5077

HPhttp://www.aso-denku.jp/

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