コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇満喫ライド~仙酔峡と南阿蘇鉄道~」

コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇満喫ライド~仙酔峡と南阿蘇鉄道~」です。
開通まであと2か月チョットとなった南阿蘇鉄道。今年の紅葉の季節は7年ぶりにトロッコ列車からの絶景が眺められるようになります★

開通が待ち遠しいですね♡
それではご覧ください。
4月、2回目の阿蘇満喫ライドを開催した。
いい季節になった。天気よしだが、風が強くて、向かい風だとほとんど6%の坂、逆にフォーローだと風切音が聞こえなくて後ろの人とも話ができる。それになんといっても滑るように進むのが実に気持ちいい。ヨットやウィンドサーフィンと同じで風という自然のエネルギーを体感できるのがサイクリングの魅力でもある。
この日は前回のライドで一目山を走れるよう交渉してもらった小国の佐々木さんが自走でゲスト参加された。来年も牧野組合の方に話をして一目山ライドを開催できるようにと言われ毎年4月の恒例イベントになればと思った。今日の強風なら、一目山のあの巨大な風力発電機5基は、轟音をあげてぐるぐる回っているのが目に浮かぶ。
今回のコースは、GW頃にミヤマキリシマの見頃を迎えるこの時期のおすすめの仙酔峡に行く。仙酔峡は上り始めの牧野と阿蘇山の景観が素晴らしく、仏舎利塔から頂上の駐車場までの500mは10%以上の上りが続くが車が少なく、初心者でも頑張れば絶景と達成感を楽しめる峠だ。その後はツール・ド・九州のコースにもなっている箱石峠を上り、高森町に下りたら今年7月に全線開通する南阿蘇鉄道を見ながら帰ってくる80kmだ。

1928年(昭和3年)開業の南阿蘇鉄道は、南阿蘇の人たちが通院や通学として熊本市内方面に行く足であり、観光列車としても活躍していたが、2016年の熊本地震で被災し17.7kmの区間のうち7.2kmの部分運行となっている。一時は廃線の危機にまで追い込まれが、全国から大きな支援により今年7月15日に全線開通する。
私は2019年の阿蘇満喫ライドを開催した時から、南阿蘇鉄道の復興の応援を込めて、沿線をサイクリングコースにして参加されたサイクリストに紹介してきた。なので今回のレポートの最後に今までの想い出を少し紹介する。写真は架け替え工事が完了した立野渓谷に掛かる第一白川橋梁を走る南阿蘇鉄道、通称「南鉄」のトロッコ列車。
道の駅阿蘇をスタートしのんびり旧道を走って仙酔峡道路に入る。この道は1964年開通時は有料道路だったが1995年に無料開放された。国立阿蘇青少年交流の家を過ぎると景色が一変する。放牧の牛が草を食む牧野の景観、樹々のない地肌むき出した山が迫る景観、そんな最も阿蘇らしいサイクリングが楽しめる。ここから仙酔峡頂上まで3.5km、平均勾配は7%。
放牧のあか牛の群れには可愛い仔牛がいた。放牧の牛や馬たちの出産の季節だ。

仏舎利塔を過ぎると厳しい上り区間だが眺めが素晴らしい。最大勾配は14%。

頂上の駐車場はもうすぐ、仏舎利塔と頂上のインフォメーションセンターは外壁工事中。

到着、階段は高岳や中岳火口への登山口、トイレと自販機もある。
標高はミルクロードと同じくらいの915m、登山道の先に高岳1592m、中岳1506mが目の前にせまって見えて、靴を履き替えてすぐにでも登りたくなってくる。ミヤマキリシマの開花の季節以外にここに来るのは登山の方がほとんどだがこの日はトレランの人を見掛けた。
下りはゆっくり走ろう。景色がいいのでもったいない。
道の駅阿蘇から仙酔峡の頂上まで8.5km。
「こんなに近い所に素晴らしい絶景ポイントがあるなんて・・・」と、みなさんの感想。


続いて箱石峠へ(写真は11月撮影)

黒線の先がさっきまでいた仙酔峡の下の仏舎利塔
町古閑展望所からの眺め。
箱石峠がツール・ド・九州のコースになる。ここをプロの集団が上っていく。

黒線の先の四角い石、これが箱を重ねたような石だから「箱石峠」の名前になった。
景色を存分に楽しんだら高森まで一気に下る。
高森到着、ランチは久木野でピザかそばを考えていたが、13時になったので以前から気になっていた高森駅前のラーメン王来軒へ行った。中に入ると先客があり全員は無理そうにないので向かいにあるホルモン定食の食事処忠に分かれて食事した。
王来軒の店内は狭く席はカウンターのみ、でもそれが昭和の雰囲気がいい感じだ。
店は年配の御夫婦が30年以上されており奥さんは出前で忙しそうだった。
気さくそうなご主人だったので南阿蘇鉄道のことを尋ねた。
「南阿蘇鉄道がもうすぐ全線開通しますね」
「熊本地震から7年、長かったな、でもまぁ、何とか店は続けられました」
そのあと、新しくなる高森駅のことはご主人が、立野駅で乗り換えなくても肥後大津駅まで乗り入れすることは奥さんが笑顔で話された。
ラーメン600円を頼んだ。くせのない淡白なとんこつラーメン。サイクリング中なので、こってり系より、あっさり系がいい感じ。
高森駅のフランキー像の先に新しい駅舎が完成間近という感じだった。(当日は4月23日、駅舎完成は28日で29日から運航開始)現在の駅は交流施設に建て替えられ、駅舎と二つの棟が廻廊と芝生広場になり、駅周辺は町の観光や防災の拠点として再開発が進められている。詳しくはこちらの動画でどうぞ。

駅舎の裏には広い駐車場ができていた。

ONE PIECE熊本復興プロジェクトでは、熊本こと「ヒノ国」に上陸した麦わらの一味は、熊本地震の被害が広範囲に及び、今なお、住民が苦しんでいることを知る。そこで、船長ルフィが、一味の仲間たちに被災地の復興の手助けを指示。仲間たちは、それぞれの特技で被災地の困り事を解決し、復興へのエールを送るルフィのもと(県庁)での再会を誓う。フランキーは船大工。師匠TOMが海の上を走る「海列車」を創り出し、寂れゆく水の都「Water Seven」を復興へ導いたように、南阿蘇鉄道の“全線復旧”を手助けしてくれていた。
フランキー像は相変わらずの人気で写真を撮る人たちは絶えなくて順番待ち。この日は外国の方も来られていた。昨年の阿蘇満喫ライドでワンピース像巡りサイクリングを開催した。この日参加された方も全部の像を1日で回ってみたいと尋ねられたが、ネックは旧東海大学阿蘇キャンパスのロビン像だ。ここは現在震災ミュージアムになっており、開館時間が午前9時から午後5時までになっている。なので早朝に西原村のナミ像、高森のフランキー像、阿蘇駅前のウソップ像、大津町のゾロ像といきたいところだがロビン像の時間制限が悩ましい。
駅舎カフェがある阿蘇白川駅を久し振りに訪ねた。
オーナーのキザキさんはお元気だった。いつも奥のテーブルに座っておられたご主人は体調を崩されたらしくちょっと心配。

店の名前はアメリカで暮らされていた当時のストリートになる「75thSt」(セブンティ・フィフス・ストリート)。カフェとアメリカのアンティーク雑貨はご主人が集められたもの。

名物の駅長犬「ゆう」も健在。

「ゆう」君は2020年10月から犬の“駅長”として就任している。土日祝日などに走る観光トロッコ列車「ゆうすげ号」の運行日に合わせて出勤し、ホームにある駅舎の形の小屋から出てきて乗客を迎える。車掌に紹介され記念撮影も応じて人気を集めている。飼い主は熊本県菊陽町の宮本さん。地震後の南阿蘇鉄道を盛り上げたいと駅長就任を申し出て実現した。しかし、7月の全線開通により目的は果たしたので引退をしようと思うと宮本さんが話された。

阿蘇白川駅から県道28号に出て別荘五岳から脇道の井手沿いを走って長陽方面に向かった。

南阿蘇村の最後は阿蘇東急ゴルフクラブに隣接する阿蘇キャニオンテラス&ロッジにある「天空のブランコ」。下にある阿蘇大橋の展望所は自転車を置くところがなく、人も車も多いのでこちらがおすすめ。ホテルなのでトイレも清潔で快適だがマナー厳守。
阿蘇谷では完全な向かい風だったので農免道路、通称8m道路は避けて外輪山の麓の149号で帰った。途中にある狩尾四ツ江川の芝桜は250mの紫の帯が阿蘇山の方に続いていた。
内牧からはいつもの裏道で農村公園あぴかの横を通って帰ってきた。
距離82.4km、獲得標高1359mのいい景色と走り応えも十分な今の季節おすすめのサイクリングコースである。
南阿蘇鉄道の10カ所の駅は高森駅以外無人駅だが、4つの駅は駅舎を管理することを条件に震災前後からカフェなどの店が営業している。阿蘇白川駅がカフェ「75thSt」、中松駅がカフェ「ひみつ基地ゴン」、白川高原駅が古本屋「ひなた文庫」、長陽駅がカフェ「久永屋」をサイクリングの途中で立ち寄ったことがある。
無人駅でも見晴台駅は必ず立ち寄った。2016年から2018年のシリーズ4作の完結編まで上白石萌歌さんが出演された「午後の紅茶」のCMの舞台になった駅だ。そこには駅舎ノートがあって全国からファンの方が書き込んでいる。この鉛筆で描かれた絵もそうでメッセージにはこう書かれている。
「こんにちは、約3年ぶりの見晴台駅訪問です。いまだに中松駅折り返し運転の南阿蘇鉄道さん、全線復旧まで頑張って!!これから高森駅に行って一往復乗ってきます、ではではー」
実家が鹿児島の上白石萌歌さんも帰省の途中だろうか2020年12月30日に来られてノートにメッセージを書かれている。これを見たときから、全線開通の日には上白石萌歌さんに見晴台駅に来てもらって、あの歌を歌って欲しいと思った。しかし、3年半後の現在は超人気の女優さんになられたのでそれは無理だろう。

ニッポンのじてんしゃ旅 阿蘇サイクリングガイド本にも南阿蘇鉄道の紹介をさせてもらった。
阿蘇白川駅では、いろんなボランティアの方がトロッコ列車の観光客を迎えられていた。こちらは学校の音楽の元先生たちによる演奏。
忍者のボランティアさんにはびっくりだった。
手裏剣代わりに自腹で買われたお菓子を子供たちに配られていた。
「75thSt」のイシザカさんは毎回出迎えをされていた。
中央が駅長犬のオーナーの宮本さんは時にはガンマンスタイルで登場された。
私たちも沿線から応援した。
もちろん沿線巡りは応援と同時に魅力的なサイクルスポットでもあった。
阿蘇満喫ライドは2019年からスタートし、この日も南阿蘇鉄道を私たちは応援に行った。手を振ると乗客も手を振られ、たまには列車の運転士さんは汽笛を鳴らしてくれた。南阿蘇の田風風景にお似合いのガタゴトと走るトロッコ列車は、参加者にも喜ばれ私のサイクリングスポットにはなくてはならない存在となった。これからも南阿蘇方面に行ったら、いろんなアングルの「南鉄」を探して案内したい。

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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL:0967-35-5077

HPhttp://www.aso-denku.jp/

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