コルナゴ部長の阿蘇サイクリング~阿蘇五岳への道~

 春から旬を迎える阿蘇五岳を縦断するサイクリングコースを紹介します。
 ご存じかも知れませんが、阿蘇山は単体の山ではなく、外輪山と最高峰の高岳をはじめとする阿蘇五岳(中央火口丘)からなり、東西18km、南北25km、周囲128kmに及ぶカルデラ(火山活動によってできた凹地)地形を形成しています。
 外輪山に丸く囲まれたカルデラには、黒川が流れる北の阿蘇谷と白川が流れる南の南郷谷があり、その中の阿蘇市・高森町・南阿蘇村には、約44,000人が時には降灰(ヨナ)などの火山活動の影響を受けながら暮らしています。

 東西に並ぶ阿蘇五岳は、東より根子岳(1408m)、高岳(1592m)、中岳(1506m)、杵島岳(1321m)、烏帽子岳(1337m)からなり、北外輪山の大観峰から眺めるとお釈迦さんが寝ている涅槃像に見えます。

 阿蘇谷と南郷谷を結ぶ峠道は、お釈迦さんの頭の部分になる根子岳東側の「箱石峠」(265号)、根子岳と高岳の鞍部で首のところを通る「日ノ尾峠」、高岳が胸になり噴煙あげる中岳がへそ、そして足の下を通るのが草千里や火口に通じて阿蘇山観光のメインとなる「坊中線・吉田線の阿蘇登山道(111号)」の3つになります。今回は降灰など火山活動の影響を比較的受けにくく、交通量が少ない箱石峠と九州自然歩道の日ノ尾峠を通る2峠超えのサイクリングコースを紹介します。

 箱石峠は火口より最も近いところが約6km、日ノ尾峠は約4kmになり火山活動と風向きよる降灰などの情報を事前に確認して走ります。また箱石峠は近くに自販機はありますがトイレはありません。日ノ尾峠には上り始めから下り終わるまで自販機もトイレもありませんので注意が必要です。

 道路状況はアスファルト道の箱石峠は問題ありませんが、高森方面からの上る日ノ峠はセメント道区間もありかなり荒れています。峠を超えて宮地方面へのダウンヒルも段差や泥に覆われたところもありますのでゆっくりと安全に下る必要があります。道路幅は車1台分くらいですがほとんど人も車も通りません。

 放牧の牛を眺めながら箱石峠を上り始めます。
 頂上までは6.3km平均勾配4.8%です。

 上り切って平坦になったところが頂上(869m)です。すぐに左に曲がり上り坂の牧野道を500m行くと箱石峠のビュースポットになります。

 箱石峠の魅力は開けた景色の九十九折の道で欧州の山岳コースのような雰囲気と、峠から左に曲がった電波塔が目印のビュースポットから眺める根子岳と高岳の豪快な景観です。

 次は日ノ尾峠に向かいます。265号を走って峠から4.7kmで135号に合流すると下りなり、7.2km地点の阿蘇南部広域農道に右折し10.8kmから右折すると日ノ尾峠の道になります。ここから集落を抜け鍋の平キャンプ場から本格的な上りになり4.6kmで頂上、平均勾配は6.6%です。

 鍋の平キャンプ場を過ぎると牛の出入りを防ぐゲートがあり放牧地に入ります。ここには滑りやすい金属製の「牛止め」があり、乗ったままでは危険なので必ず自転車から降りて通過します。ゲートが閉まっている場合は自転車を持ち上げて越えます。(写真は日ノ尾峠側から下って来ていますが今回は逆になります)

 放牧地なので道には牛がいますので驚かさないよう静かに通ります。

 ちょっと怖そうですがこれも貴重な体験です。

 高岳を見上げながら日当たりのいい穏やかな放牧地のサイクリングはこの峠ならではの魅力です。

 頂上側の牛止めも危険ですから必ず自転車から降りて通過し、ゲートが閉まっていた場合はこちらも自転車を持ち上げて通ります。

 樹々に覆われると道も荒れて落石があったりしますので注意が必要です。

 標高990m日ノ尾峠頂上到着、ここが頂上?と思いますが、上り切ったところにある環境省の看板が頂上の目印です。この峠道は阿蘇谷と南郷谷を結ぶ道として古来から重要な役割を果たしてきました。高森方面から上ると宮地を通り阿蘇神社に通じています。現在は樹々に覆われていますが、昭和30年頃までは峠付近に集落(火尾村・日の尾村)があり、ここからは南郷谷が一望でき左右には高岳と根子岳を見上げられる眺めのいいところで峠の茶屋もあったそうです。
 しかし、車やバスの普及とともに村は消滅し今はその面影はありませんが、大正8年にこの峠道を宮地から高森へ歩いた登山家北尾鐐之助の「根子岳 雨の火ノ峠」には当時の寒村の情景が記されています。

 以下抜粋
『・・・火尾峠のすぐ真下、噴火峰の北側に巣を作ったその日尾村。そこは僅か十七八戸の寒村で、火山灰の土を耕して、少しばかりの唐黍や、甘藷などを作っています。家も人も大噴火山の『ヨナ』を冠り、毒煙に包まれながら、そういう療地にも人が住んでいました。阿蘇氏が、この山越えに領地へ入り込む諸人改めのため、特に関所のようにして、ここへ藩士の一部を住わせたという、その武士(さむらい)の子等が、先祖から伝承した故郷に対する遣瀬(やるせ)ない執着!。それが今、この小さい火の山中の村を形作っているのです。
峠の下の茶店に休んで、その茶店の主人の祖先というのは、阿蘇家の藩士として、有名な家柄であるというような詰も聞きました。昼飯の膳に載った、瘠せた馬鈴薯の一片にもこの人達の土地に対する執着の寂しい影がありました。・・・』

 こちらは阿蘇市波野遊雀に在住の岩下平助編著「根子岳山麓に生きて」より日ノ尾村周辺図です。縦の太線が西往還と呼ばれた日ノ尾峠の道、右斜めの太線が東往還の265号になりその間に集落の様子が書かれています。今は集落の面影はありませんが、グーグルマップには天狗神社が表記されています。
 著者の岩下様より265号の上に表記の「妻子ヶ鼻」は、正しくは「獅子ヶ鼻」とのことでした。確かにいろんな地図を見るとそのようになっています。(妻子ヶ鼻はかぶと岩と田子山を合わせたものです。)

 村内の拡大図です。天狗堂と書かれているのが天狗神社でしょうか。分教場や水車小屋、鍛冶屋まであったようです。

 峠からの下りは慎重に走ります。

 砂利や泥があるところがありますので要注意。

 峠を下って行くと別荘地があり高岳を裾野から眺める素晴らしい景色には圧巻されます。ここが日ノ尾峠一番のビュースポットです。日ノ尾峠の道は人も車の往来もほとんどなく景色が遮られている分、暑さや風の影響がなくサイクリングに集中できる道でもあります。

 峠を下って行くと四叉路になり、そのまま真っ直ぐ進み豊肥線の踏切を渡ったらすぐに左折すると峠から8.3km宮地駅に着きます。(本来の道は踏切を直進し57号を渡ると直線の細い道でそのまま阿蘇神社に通じています)

 宮地駅から57号を渡って1.3kmで熊本地震により壊れた社殿の復旧工事がすすむ阿蘇神社に着きます。参道の先が門前町で、あか牛料理の食事処や、馬肉のコロッケ、一口シュークリームなどテイクアウトできる店があり食べ歩きの散策ができます。鳥居の先には明治に建てられたノスタルジックな女学校跡があり、教室を店舗とするカフェや雑貨屋を訪ねるのも阿蘇神社界隈ならではの楽しみです。阿蘇神社からは8km走れば道の駅阿蘇にゴールです。

距離47km・獲得標高960m「阿蘇五岳への道(箱石峠~日ノ尾峠)」のコースマップはコチラ↓↓
https://ridewithgps.com/routes/31710592

 こちらは国造神社方面からの眺めです。一直線の道の先が阿蘇市役所、阿蘇神社、宮地駅、そして日ノ尾峠になります。
峠はひとつでいいという方は箱石峠の往復と阿蘇神社だけでもいいですし、もっと長い距離という方や、遠くから阿蘇を眺めたい方には阿蘇神社から国造神社の坂を上りミルクロードに出たら左折し、しばらく行くと阿蘇五岳が涅槃像に見える大観峰展望所になり212号で帰ってくれば80km、ミルクロードをそのまま走るとスカイライン展望所・北山展望所・かぶと岩展望所・ラピュタの入口の前を通り二重の峠まで足を延ばせば100kmを超えるコースになります。

「阿蘇五岳への道(阿蘇神社~ミルクロード)」のコースマップはコチラ↓↓
https://ridewithgps.com/routes/31795389

 二重の峠からの下りは交通量が多いので注意が必要ですが、ミルクロードは最も阿蘇らしいロケーションですので野焼きが終わった春から旬を迎える阿蘇ライドが楽しめます。火口一帯の荒々しい景観と立ち昇る噴煙を眺め、遠ざかるにつれて600種類の植物が生育する穏やかな草原景観は、世界でも稀な火山と草原のコントラストを五感で堪能することができます。これらのコースには、自転車でこそ楽しめる阿蘇の魅力がたっぷりと凝縮されていると思います。

箱石峠のサイクリング動画はこちら↓↓

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