コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました✨
現役プロ選手の眼で身体の癖と骨格を見極め、長年の乗車姿勢を根本から見直すプロフィッティング。
スパークル・おおいたの住吉宏太選手のもとを訪ね、クリート位置の微調整からステム長・サドル位置のミリ単位の修正まで、「無理なく、正しく、長く走る」ためのポジションづくりを体験。
腕や肩の余計な力が抜けてインナーマッスルを活かせる体幹主導の姿勢へと生まれ変わり、ペダリングの軽やかさと呼吸のしやすさを実感する、愛車との付き合い方を劇的に変える満足度の高い時間となりました😄
ぜひご覧ください🎵
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スパークル・おおいた・レーシングチームの住吉宏太選手が、プロアスリートだけでなく、アマチュアサイクリストやトライアスリートに向けて、バイクフィッティングやコーチングを始められたと聞いた。
長年乗ってきた自分のロードバイクは、本当に今の身体に合っているのか。
年齢を重ねても無理なく、楽しく走り続けるために必要なポジションとは何か。
その答えを探るため、スパークルのクラブハウスにあるCOLORS BIKEを訪ねた。

住吉宏太選手(右下)は熊本県出身で、2022年からスパークル・おおいた・レーシングチームに所属するオールラウンダーだ。
2025年のツール・ド・九州でも大分ステージ19位、総合45位(日本人6位)という結果を残しており、現役選手として今もレースを走っている。
フィティング中に訪ねてくれた黒枝咲哉選手(中央)は、落車により怪我のリハビリ中だが9月から復帰すると話されていたのでファンのみなさんもご安心の程。

私の自転車歴は、2007年に乗り始めたコルナゴCLXから始まった。
最初に参加したイベントは、オートポリスで開催されていた「3時間耐久レース」。それをきっかけに、九州各地のサイクルイベントへ参加するようになった。
2012年にはコルナゴM10に乗り換え、翌2013年からは「ツール・ド・沖縄」市民100kmの完走を年間目標に据え、2025年までその目標に向けて練習を続けてきた。
現在乗っているコルナゴV3-RSは、2022年からの相棒だ。
M10からワンサイズ小さいフレームにしたものの、ポジションは10年間乗ったM10に合わせて組んでもらい、そのまま現在に至っている。
ワンサイズ小さくした理由は、シートポストを上げた見た目の良さと、走行に大きな支障はないだろうという判断だった。
とはいえ、長く乗り続けるうちに、本当に今のポジションが自分の身体に合っているのか、加齢もあって一度きちんと見てもらいたい、それも現役プロ選手に見てもらうと何が変わるのか、そのような思いだった。
今回、私が一番興味を持ったのは、「速く走るためのフォーム」ではなく、年齢を重ねても「無理なく、正しく、長く走るための身体の使い方」をどのように見てもらえるのかという点だった。
自転車に乗っていると、つい機材や練習量に意識が向きがちだが、そもそも自分の身体に合った位置で自転車に乗れているのか。
その基本を見直す機会は意外と少ない。
フィッティングは15時から、スパークル・おおいた・レーシングチームのクラブハウスで行われる予定だった。
到着すると、ちょうど練習を終えた住吉選手が汗だくで戻ってこられた。
住吉選手がシャワーを浴びている間に、黒枝監督が「フィッティングを始めることになった経緯をお話しします」と声をかけてくださった。

やがて住吉選手が来られ、カフェとサイクルショップの奥にあるチームのバックヤードへ案内された。
そこには選手たちのヘルメットやシューズ、ローラー台、ウェイトトレーニング用の器具などが並んでチームの空気を感じることができた。




最初に行われたのは、現在のポジションや普段の乗り方、走っている距離、気になっている痛みや違和感についての聞き取りだった。
膝、腰、肩、首など、長時間走るほど小さな違和感が積み重なってくる場所は人それぞれだ。
住吉選手はそれを一つひとつ確認しながら、ただ数値だけを合わせるのではなく、その人の目的や身体の特徴に合わせて考えていくという印象だった。
バイクのポジションを修正する前に、まず確認されたのがシューズのクリート位置だった。

母指球の位置を基準に、30分ほどかけてクリートを適正な位置へ念入りに調整された。
実際に自転車にまたがってペダルを回してみると、クリート位置が変わっただけで、ペダリングがスムーズになってこれには驚きだった。
自分では自然だと思っていた姿勢にも、いくつかの癖があることが分かってきた。
なかでも、ブラケットを握ったときに両腕が真っ直ぐ伸び、肩が上がっていることを指摘され、ステムの交換を提案された。
これまでライド中に自分が先頭を走っている動画を見ると、ほかの人に比べて腕が伸びているように見えていたため、ハンドルを手前にしゃくる必要があるのかと思っていた。
しかし原因はハンドル角度ではなく、ステムの長さにあったようだ。

コルナゴV3-RSを注文した際、ステム一体型ハンドルにするかどうか迷ったが、ポジションが決まってから選ぼうと考えていた。
その意味でも、今回のフィッティングはちょうどよい機会だった。
接客を終えたスパークルのメカニックの谷内柊哉さんが挨拶をして来られ、住吉選手と相談しながら仮のステムを用意して交換してもらった。
その後、パソコンのCADで図面を引き、最終的なステム一体型ハンドルを選んでもらった。


サドルの高さ、前後位置、クリートの位置、ハンドルまでの距離。
どれもわずかな違いのようでいて、身体への負担やペダリングのしやすさには大きく影響する。
プロ選手の目で見てもらうと、自分では気づけなかった小さなズレと、そのズレが身体にどう影響しているのかまで説明してもらえるのが面白い。

調整は一気に大きく変えるのではなく、少しずつ確認しながらミリ単位で進められた。
ポジションを変えるたびにペダルを回し、身体のどこに力が入り、どこが楽になるのかを感じていく。
これまで「なんとなくこういうものだ」と思っていた乗車姿勢が、少しずつ自分の身体に近づいていくような感覚があった。

印象的だったのは、住吉選手の説明がとても分かりやすかったことだ。
競技者向けの難しい理論を押しつけるのではなく、なぜその位置にするのか、どう身体を使えばよいのかを、アマチュアにも理解しやすい言葉で伝えてくれる。
速く走るための前に、まず安全に、楽に、効率よく走るための土台を整える。
その考え方が今回のフィッティング全体を通して感じられた。


バイクフィッティングというと、レースに出る人やタイムを求める人だけのものと思われがちだ。
しかし今回体験してみると、身体に合ったポジションを知ることは、ロングライドを楽しみたい人や、痛みや違和感を減らしたい人にとっても大きな意味があると感じた。
自転車は身体に合っていれば楽しいが、合っていなければ知らず知らずのうちに負担になる。
その差を早い段階で知ることは、とても大切だ。
私は2024年に、コルナゴ社としては初めてのグラベルバイクG3-Xを購入した。V3-RSに比べて乗り心地が良く、しばらくはG3-Xに乗る機会が増えていた。
グラベルバイクだから乗りやすいのだと思っていたが、住吉選手のフィッティングを受けた後は、あらためてV3-RSの良さを感じられるようになった。
自転車そのものが変わったわけではない。
変わったのは、自分の身体に近づいたポジションと、その違いを感じ取れるようになった意識だった。
住吉選手のフィッティングは、サドル高やハンドル位置を単に調整するだけではない。
関節や骨の近くにある深い部分の筋肉、いわゆるインナーマッスルを使いやすくし、身体の軸を安定させるためのポジションを探っていくものだと感じた。大
きな力を出すことよりも、姿勢を安定させ、関節を無理のない位置に保ち、ペダリングをしやすくする。
その土台を作っていくところに、住吉選手のフィッティングの特徴がある。

速く走るために練習することも、良い機材を選ぶことも楽しい。
しかし、その前に自分の身体に合ったポジションで、無理なく自転車に乗れているかを知ることは、もっと大切なのかもしれない。
速く走るための第一歩は、強く踏むことではなく、自分の身体に合った位置で正しく乗ることなのだと思う。
最後にフィティング前と後の違いをご覧いただきたい。

フィティング前

フィティング後、ステムを2cm短くしたのでハンドルが近くなり肩の角度が狭くなった。
フィティング前
フィティング後、頭の位置が下がった。
フィティング前
フィッティング後は、サドルが4.5mm前に出され、16.5mm下げられたことで、ペダリングがとても楽になった。
さらにステムが20mm短くなったことでハンドルが近くなり、自然と肩が下がった。
肩や腕の余計な力が抜け、リラックスした姿勢で乗れるようになったことで、「これがインナーマッスルを使いやすく、身体の芯を入れやすいポジションなのかもしれない」と感じた。

仮のステムを付けた状態で自宅周辺を走ってみると、その安定した乗り心地は、もはや別物といえる走行感だった。
腕を伸ばしてしまう癖を意識しながら、肘を軽く曲げて肩を落とす。
すると、身体の上から一本の串が通ったように軸が整い、呼吸もしやすくなった。
翌日は上りの多いコースで試してみたが、ペダリングは軽やかで、ダンシングもしやすい。
気がつけば、「毎日乗りたい」と思う日が続いていた。
それから4週間後、注文していたステムが届いたとの連絡を受け、カラーズバイクへ向かった。
谷内柊哉さんから説明を受けたあと、時間に余裕があったため、洗車とバイクの点検までしていただいたそうだ。
その際、いくつか交換または調整が必要な箇所が見つかり、メモを渡されたうえで、サイクルショップで確認してもらうよう案内された。
大分からの帰りにGINRINへ立ち寄り、交換部品を注文した。
部品が届くまでの間、新たに生まれ変わったV3-RSに乗れる状態にはなったものの、ここ数日は忙しく、眺めるだけの日が続いている。
それでも、それはそれで幸せなのである。
住吉選手のバイクフィッティングは、COLORS BIKEへ連絡し、予約日と時間を決める流れになっている。
ロードバイクフィッティングの所要時間は2〜2.5時間で、料金は33,000円(税込)。
リフィットは1ヶ月以内であれば1回まで無料で、以降、1ヶ月以内のリフィットは1回5,500円(税込)となる。
TTバイクフィッティングにも対応しており、トライアスロンに取り組む女性が大きな成果を上げた例や、成長期の高校生が抱えていた関節の痛みが改善した例など、さまざまな実例があるようだ。
フィッティングを受けたからといって、突然脚力が上がるわけではない。
けれど、自分の身体に合った位置で乗れるようになると、同じ自転車なのに走り出しの感覚が変わる。
肩の力が抜け、呼吸がしやすくなり、ペダルを回すことそのものが楽しくなる。
もし今、自転車との付き合い方を少し見直したいと思っているなら、住吉選手のフィッティングは、そのきっかけになるはずだ。
