コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました👀
特別な許可を得て実現した、新緑の草原をくねくねと縫う「蛇の道」の超激坂や、荒々しくスリリングな「合戦群」の草原トレイルを駆け抜ける冒険ライド。
フォトグラファーでもある笙くんの案内で巡る「下荻の草牧野」では、根子岳を望む北海道のような大パノラマと、タイヤがふわりと舞い上げる土ぼこりの非日常感を満喫しました✨
厳しい上りの達成感から、水を張った鏡のような田んぼ道まで、阿蘇の圧倒的な自然とグラベルの醍醐味を凝縮した、初公開ルートのグループライド!
ぜひご覧ください🎵
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5月17日、30℃近い真夏を思わせる強い日差しの下、蛇の道と合戦群(かしのむれ)の草原グラベル、そして下荻の草牧野を走るライドを開催した。阿蘇グラベルライドの魅力に惹かれたサイクリストから「蛇の道を走りたい」という要望を受け、町古閑牧野組合員のショウ君に、蛇の道がある小倉牧野組合へ相談してもらったことで、立ち入り許可を得ることができた。こうして、合戦群の草原グラベル2ヵ所と下荻の草牧野を組み合わせた、初公開のライドが実現した。

集合は道の駅阿蘇に午前9時。受付では、小倉牧野組合と下荻の草牧野組合に納める牧野保全料1,000円をお預かりした。これは草原を維持していくための協力金で、ブリーフィングでは、その趣旨を下荻の草牧野で野焼きを担い、この日も案内役として参加してくれたショウ君に説明してもらった。

ショウ君(@2026 Asographer)はフォトグラファーでもあり、撮影も担当してもらってこんな素敵な写真を撮ってもらった。

参加者は熊本から10名、福岡から4名の計14名のみなさんを私と下城さん、ショウ君の3人で案内した。バイクはグラベルバイクが9台、電動グラベルバイクが1台、E-MTBが4台(2組のご夫婦)という顔ぶれだった。

@ 2026 Asographer
スタートしてわずか760mで田んぼ道のグラベルに入れるのも、阿蘇ならではの地の利だ。平坦でまっすぐに伸びる田んぼ道は、のんびりと風景を楽しみながら走るのもいいが、ペースを上げればまた違った面白さがある。景色を味わう区間と、しっかり走る区間。そのメリハリをつけられるのも、この道の魅力だ。
@ 2026 Asographer

そんな田んぼ道と舗装路をつなぎながら9kmほど走ると小倉林道へ入る。ところが、入口近くの集落の道が工事中だったため、少し後戻りして木漏れ日の差す小倉林道へと分け入った。薄暗い林間に入ると気温がすっと下がり、心地よさとともに、まるで別世界に足を踏み入れたような感覚になる。後ろから聞こえてくるみなさんの少し興奮気味の話し声が、これから始まる冒険をいっそう感じさせてくれた。

林道の定番で、登りが厳しいところはセメント道になり、それが終わるとグラベルに変わる。さらに石がゴロゴロと浮いた区間では、ゆっくり進むとかえってハンドルを取られやすいため、一気に走り抜けたほうが安全だ。
泥が乾いた区間では、車両のタイヤ跡が深く硬い轍になっており、これも乗り上げるとハンドルを取られるので、コース選びが重要になる。そんなふうに、気を抜けない路面状況が次々と現れるところに、グラベルライドの魅力があるのかもしれない。

私は40cのノブの少ないタイヤから、ブロック形状がある45cにタイヤに変えて悪路もグイグイ登れるようになった。どんなに高価なバイクでも路面と接するのはタイヤだけなので、特にグラベルバイクではタイヤ選びがとても重要だ。前回、小国でサイドカットした前田さんも、写真の45cに履き替えて凄く走りやすくなったと話されていた。

小倉林道は手前から入ったため、2kmあまりの上りで舗装路に合流した。だが、ここからがさらに厳しい。660mで60mを上る急坂が待っている。ほとんど止まりそうなスピードで森の中を抜けると、やがて視界が開けた広場に出た。ここからが、いよいよ蛇の道だ。

数年前、大観峰の施設の配管がこの道の下に埋設されたことで、路面は真っ白なセメント舗装になった。新緑の草原をくねくねと縫うように延び、やがてミルクロードへとつながっていくその姿は、まるで草原を這う白い蛇のようだ。そんな風景を目の前にすると、「白蛇の道」という呼び名がよく似合うように思えた。

桜の木の陰でひと息入れた。

@ 2026 Asographer
とはいえ、それは休憩というより、これから挑む1.6kmで240mを上る平均勾配15.3%、途中からは18%、さらに20%超えが続く激坂へ向けて、覚悟を決める時間でもあった。しかもこの道は狭く、途中で追い越すことができない。

@ 2026 Asographer
そこで、自信のある人や電動アシスト組に先に出てもらい、残った8名は途中で何度か休憩を入れたり、写真を撮ったりしながら上を目指した。右上の扇谷展望所から私たちにカメラを向けている人の姿も見えた。きっと、いい写真が撮れていたに違いない。




@ 2026 Asographer







@ 2026 Asographer
息も絶え絶えになりながら、全員がどうにか上りきった。
呼吸を整えて眼下に目を向けると、切り立つような白い道が見えた。「これを上ってきたのか!」という達成感とともに、田んぼに水を張った阿蘇谷、その先に連なる阿蘇五岳の眺めがまぶしく広がっていた。

すぐ近くの扇谷展望所へ移動し、土日だけ営業しているキッチンカーで補給を入れた。この展望所は、キッチンカーが出ているときだけ入れるようになっている。以前は自由に入れた時期もあったが、谷になっている奥まで車が入り込んでしまい、たいへん危険だったためだ。現在は安全管理も兼ねて、小倉牧野の方が出しているキッチンカーがいる時に限って立ち入れるようになっている。

扇谷展望所から蛇の道の眺め、その先が大観峰。
この日のコースでは、小倉林道から下荻の草牧野の先にある昼食場所のうどん屋「阿蘇やまなみ夢広場」まで、自販機がない。だからこそ、ここのキッチンカーで買える飲み物やおにぎりは、貴重な補給になる。目の前には大観峰もあるが、そこへ向かえばまた上りだ。トイレ以外で立ち寄ろうという気持ちは、さすがにあまり湧いてこなかった。

異常なほど車やバイクで騒がしいミルクロードをしばらく走り、草原の中に延びる合戦群の道へ向かった。今回は下城さんが牧野組合に許可を得てくれたおかげで、新しい草原グラベルのコースを走ることができた。

草原の景観の中を進むこの道は、適度なアップダウンが続いて実に気持ちがいいし、荒れ具合もパリルーベのアランベール級で面白い。こうした草原グラベルは、全国でもそう多くはないだろう。

グラベル好きにはたまらない荒れた下りに、前田さん、そして近松さんも落車、怪我はなくて一安心だった。

傷口はボトルの水で洗う。バンドエイドもグラベルライドには必須だ。

1本目の合戦群の草原グラベル終了、最高に楽しいコースだった。

@ 2026 Asographer
2本目の移動も草原景観が気持ちいい。

@ 2026 Asographer
2本目に突入の前に一息入れた。気持ちを落ち着かせる、装備を確認する、自転車の点検、水分補給など大事なことだ。

@ 2026 Asographer
草原グラベルは、荒れた下りが続くため難易度が高く、どちらかといえばマウンテンバイク向きかもしれない。段差が多く、サスペンションのないグラベルバイクでは慎重さが求められる場面も多い。ただ、そのぶん慣れた人にとっては、「すっ飛んでいく」ようなスリルがたまらない区間でもある。

@ 2026 Asographer


40号線に出たところで、下荻の草牧野を上る組と、そこをカットして早めに「阿蘇やまなみ夢広場」へ向かう組に分かれた。参加者に案内役も加えると総勢17名になるので、食事の待ち時間を減らすには分散したほうがよい。また、水が切れた人もいたため、無理をしないようにという配慮でもあった。

やまなみハイウェイ沿いの阿蘇やまなみ夢広場に着くと、かなりの混雑ぶりだったが、ちょうど2テーブル空いていて、待つことなく席に着くことができた。初夏のような陽気だったので、私は冷やし地鶏うどんを注文した。

満席の状態が続いていたせいか、「冷やし」具合はもうひとつだったが、食事難民にならずに済んだだけでも幸運だった。しばらくして牧野走行組も到着し、外の席が空いていたので、彼らも待たずに座ることができた。

@ 2026 Asographer
食事の後は、ショウ君の案内でやまなみハイウェイに隣接する下荻の草牧野を走った。大草原の向こうに悠然と構える根子岳を眺めながら進む時間は、まさに非日常そのものだ。走りながら、誰かが「北海道を走っているみたい」とつぶやく声も聞こえてきた。きめ細かな土の路面は、タイヤが踏むたびに土ぼこりをふわりと舞い上げる。その光景を見ていると、西部劇で馬が駆け抜けていく場面や、ドゥービーの『Stampede』のジャケットがふと頭に浮かんだ。

帰りは、蛇の道とそこへ至るまでの上りの連続でかなり体力を消耗していた。小倉林道の下りの入口までは距離もあり、そこへ向かうまでにも上りが多い。そこで無理はせず、やまなみハイウェイからミルクロードへ入り、手野の名水がある国造神社の道を通って阿蘇谷へ下ることにした。


@ 2026 Asographer
水を張った田んぼは鏡のようで、風がなかったこともあり、外輪山や阿蘇五岳がくっきりと映っていた。その美しい景色を眺めながら談笑し、最後は穏やかな気持ちでゴールした。厳しい上りも、草原を渡る風景も、すべてが阿蘇ならではの魅力であり、走り終えたあとには「また案内したい」という思いが残った。
この日走ったところを動画で紹介しよう。まずは蛇の道からどうぞ。
次に合戦群グラベル
下荻の草牧野
フィナーレは阿蘇の田んぼ道

@ 2026 Asographer
道の駅阿蘇から少し遠いが、阿蘇五岳を見ながら走れる下荻の草牧野は、車で行くには便利なところで食事処がありトイレの問題もないので今後の利用も考えていきたいと思っている。
下荻の草牧野は、組合員が3名で野焼きの維持が喫緊の課題だそうだ。しかし、60ほどの牧野組合が一斉に野焼きする北外輪山一斉野焼きのエリアなので、ここだけ野焼きを止めるわけにはいかず、野焼きボランティアや、ショウ君など外部の火引きを呼んで、どうにか野焼きされている現状だという。牧野が高原野菜の畑になっているのもそうかも知れないが、放牧や採草も一切行っておらず牧野としての収入もないので、牧野ガイド事業を通して、ツアーやイベントで利用する事で、少しでも収入になり、野焼きの助けになればとショウ君が切実に話されていた。
そこで今回走ったルートをE-MTBを使った牧野ガイドのコースにしようと思っている。距離は45km、その中にはグラベルバイクやマウンテンバイクに適したところが多く、時間は食事を入れて6~7時間のコースになる。
参加者は2名からでもいいが、この日の人数くらいのプライベートのグループライドがより楽しそうだ。そこで距離や走行時を考えると案内は私だけなく、ショウ君にサポートカー兼写真撮影を担当してもらうと快適な牧野ライドになりそうだ。ということでこの日のコースを走ってみたいと希望があれば有料版として商品化しようと思っている。

次回の阿蘇満喫グラベルライドは、いよいよ私の地元に近い菊鹿町を舞台にしたコースを案内する。ここでの開催を思い立ったのは、平川洋介さんの「菊鹿ナイトハーベスト小伏野2023」が、フランス・ブルゴーニュで開催されたシャルドネに特化した国際ワインコンクール「シャルドネ・デュ・モンド2026]」で金賞を受賞し、さらにトップ10入りを果たしたことにある。
そのニュースを教えてくれた練習でよく訪ねる葡萄畑の五郎丸オーナー、古家友博さんが菊鹿町葡萄生産振興会の会長に就任されたこともあり、小伏野と五郎丸の葡萄畑を巡るグラベルライドを開催しようと思った。
グラベル率は低く、阿蘇のような雄大な景観には及ばないかもしれないが、手掘りのトンネル「間歩(まぶ)」や切通しを巡り、最後は東アジア情勢が緊迫した7世紀後半にヤマト政権が築いた山城、鞠智城で少し学びも加えたライドにしようと計画している。開催日は6月14日(日)、集合は菊鹿みんなの森に午前10時。ここをベースに走るので、弁当やおやつは持参でお願いしたい。エントリーは道の駅阿蘇のサイトからどうぞ。
