牧野とは

阿蘇のシンボリックな景色の一つに山肌を覆う、日本最大級の草原があります。約1.3万年前からススキ属主体の草原が広がっていたと考えられ「牧野」と呼ばれています。牧野は、地域の営みを守る場所があり、大切な地域資源です。ススキ属は自然放置されると長期継続できず、そのため早春の野焼きが欠かせません。阿蘇で連綿と続く野焼き、採草、放牧といった営みは、ヒゴシオンやヒゴタイ、オオルリシジミなどの多様な動植物の生態系の維持につながっています。阿蘇で千年以上続くとされているこれらの営みこそ先人達の知恵の証です。その価値は世界的にも評価され、ユネスコの「世界農業遺産」(2013年)、「阿蘇ユネスコジオパーク」(2014年)に認定されました。