昔、南黒川村に住んでいたある人が焼畑をしようと「明日はここに火をつけますので、一切の地の神々や生きものは立ち退いてください」と祈願しました。するとその夜、夢の中に龍神が現れて「我 出産の暁までしばらく待たれよ」とお告げがありました。しかし作付を急いでいた人は2~3日しか待たず火を入れました。すると龍神が火中にのたうち、一大風雲を巻き起こし没しました。宇土神社に祀ってある龍神は、豊後の沈堕ヶ滝と肥後の数鹿ヶ滝を往来していた龍でお産のため宇土原に立ち寄ったと言われています。