コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました🌟
今回は、宮崎県延岡市から大分県佐伯市を巡る1泊2日のサイクルツアーのレポートです🚲
ご覧ください~~
・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。o○☆*゚¨゚゚゚・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。o○☆*゚

「CYCLE CARGO で行く泊まって楽しむ延岡・佐伯サイクリングツアー」に参加してきました。「九州の絶景を走り抜けよう!」をテーマに定期的に九州各地で開催されているサイクルツアーで、今回は宮崎県延岡市から大分県佐伯市を巡る1泊2日の旅です。
案内するのは延岡のサイクルガイドのミッチーさんこと三井寿展さん。延岡の山岳スポーツ、カヤック、サイクリング、そして地元グルメまで知り尽くした、まさに延岡の魅力を体現するガイドです。さらに今回は、サイクルインフルエンサーのおりかさんも同行し、サイクリングだけでなく交流会まで一緒に盛り上げてくれます。
スケジュールには、2025年「マイナビ ツール・ド・九州」の一部コースを体験できる内容が組み込まれています。加えて、高千穂峡の観光や、高千穂・日之影エリアのサイクリングルートも含まれており、自転車とバスの両方から九州の山と海の自然美を味わえる構成です。
集合場所から解散まで自転車をそのまま積載できる専用バス「CYCLE CARGO」のため、愛車を解体する必要もなく積み込みもスムーズなので、輪行のストレスから解放されるサイクリングツアーになります。

3月6日、集合は朝8時の天神。あいにくの雨模様でしたが、参加者の皆さんは全員自走で集まられたようです。その意気込みに早くもツアーの雰囲気が高まります。私は基山インター近くにある西鉄バスのパーク&ライド駐車場に車を置き、そこからリュック姿で自転車を5分押し歩き、基山パーキングエリアからCYCLE CARGOに乗車するという、普段ではあり得ない体験になりました。

阿蘇のサイクルガイドとして参加したのは私と清田あづささんでした。あづささんは電動グラベルバイクで参加されたため、車体がやや重いのでバスへの乗り降りを心配されていました。しかし、 CYCLE CARGO の運転手さんは専任の担当者で、参加者の自転車の積み込みから固定、降ろす作業まで一手に引き受けてくれます。こちらが手を添える必要もなく、まったく心配のいらないスムーズな対応でした。

九州道から九州中央道へ入り、山都通潤橋インターで降りて高千穂へ向かいました。高千穂峡にはこれまで何度か訪れたことがありますが、遊歩道から入るのは今回が初めてです。しかも今回は添乗員さん付きのツアーだったため、各スポットの成り立ちや見どころを説明していただきながら、ゆっくりと散策することができました。

高千穂峡は、約12万年前と9万年前の阿蘇山の火山活動で流れ出た火砕流が冷え固まり、長い年月をかけて浸食された断崖がそそり立つ峡谷です。ここの一番の見どころは落差17mの「真名井の滝」ですが、2023年8月にはレッドブル・ジャパン主催の「レッドブル・クリフダイビング・ワールドシリーズ2023」が開催され、27mの高さを確保するために橋に特設の飛び込み台「プラットホーム」を設置して競技が行われたそうです。添乗員さんからその時の写真や動画を見せてもらいましたが驚きでした。

散策のあとは、藁ぶき屋根が印象的な「神楽宿」で昼食でした。
油みそや煮しめ、チキン南蛮、瓦焼き風釜炒り茶そば、きのこの炊き込みご飯など郷土料理が並び、これから走ることを考えると、ややボリュームが多い気もしましたが、地元料理はやはりいいものです。
食事を終えて外に出るとポツポツと雨。レインウェアは持ってきていましたが、この日の私の自転車はディスクのV3RSではなく、リムブレーキの M10 だったので、濡れた路面では無理をせず、後方でゆっくり走ることにしました。

サイクリングをスタートする高千穂神社でガイドの三井さんと合流しました。三井さんのほかに自転車仲間2名のガイドとサポートカーも用意されていました。雨は小降りですが止みそうになく、雨具を持っていない方はバスに用意された (さすがCYCLE CARGO!) 使い捨てのカッパを着られていました。コースは日之影町を通って「道の駅 北方よっちみろ屋」までの距離30km、獲得標高396mです。

雨なので走らない方もいるだろうと思っていましたが、参加者は全員笑顔でスタートしました。普段なら、最初から雨であればまず走り出すことはありませんが、装備を整えてみんなで走ると、雨も不思議と楽しいものです。ただし、小雨であっても雨具の限界は3時間ほど、それ以上になると雨水が浸みてくるため、三井さんは少しショートカットをされたようでした。

私の雨対策は、上はモンベルのゴアテックス製レインウェア。値段はそれなりにしますが、使わないときはコンパクトになり、ジャージのバックポケットにも収まるので、ウィンドブレーカー代わりにも使える使用範囲の広いものです。パンツも同じシリーズを持っていますが、今回は持参しませんでしたが、アソスのウィンタービブタイツは、この日程度の雨なら問題ありませんでした。
後悔したのはシューズカバーです。リュックに収まるよう荷物を絞った結果、省いてしまい、足先が冷えてしまいました。逆に助かったのは、ゴアテックスのサイクルキャップと、サドルに装着する泥除け。これらは頭とお尻を濡らさない雨が降りそうなライドの私の必須のアイテムです。

清田あづささんは、キャノンデールの電動グラベルバイクで参加されていました。前半は上りが多かったため、アシストの力もあって心地よく走れたそうですが、後半は平坦区間が増え、スピードが上がるとアシストが時速24kmで切れるため、少し大変だったとのことでした。
とはいえ、グラベルバイクならではの太いタイヤは空気圧を下げられる分、雨の日のグリップ力が抜群で、濡れた路面でも安心して走れたようです。電動のメリットとグラベルタイヤの安定感が、今回のような雨天ライドではとても心強い組み合わせのようでした。

このように装備を整えていれば雨の日のサイクリングも楽しいものです。これもまた非日常の体験になります。

三井さんは絶景を見せられず残念がっておられました。でも雨の中を走ると、晴れの日とはまったく違う景色が見えてきます。日之影の山々は、薄い霧をまとって輪郭がやわらかくなり、谷あいには白い煙のような雲がゆっくりと流れていました。

川沿いを走ると、水面に落ちる雨粒が細かな波紋を広げていました。タイヤが濡れた路面を滑るシャーツという音も気持ちいいものです。これらも自転車で走るからこそ目に付き、耳に残るものです。

高千穂町から日之影町そして北方町へと続く山深いエリアの雨の日サイクリングは霧がゆっくりと立ち上がり谷あいを流れる雲が山の輪郭をやわらかく包み込む光景が印象的でした。晴れの日とはまったく違う表情で雨の日にしか出会えない景色です。決して快適とは言えませんがその静けさとどこか神秘的な雰囲気は雨だからこそ味わえる特別な時間でした。

道の駅北浦からは CYCLE CARGO に乗り換えて移動しました。全員ずぶ濡れの状態だったので座席に敷物を…と思ったのですが、運転者さんが「そのままで大丈夫ですよ」と気持ちよく受け入れてくださり、安心して乗り込むことができました。車内の温度も細やかに調整していただき、冷え切った身体がじんわりと温まっていくのを感じながらの移動となりました。
次の目的地は ひでじビール工場。
今回のツアーは「マイナビ ツール・ド・九州2025」の宮崎・大分ステージに焦点を当てつつ、両県でのサイクルツーリズムを体験することがテーマでもあり、コースから少し外れた寄り道ではありましたが、参加者の皆さんはクラフトビールの製造工程に興味津々のようでした。

宿泊は、五ヶ瀬川沿いに建つ エンシティホテル延岡 のシングルルームでした。
客室の窓からは、延岡の象徴ともいえる 旭化成の高さ180mの煙突 が静かにそびえ、旅情を誘うような景色が広がっていました。
部屋に入ってまず取りかかったのは、明日のライドに向けた回復の儀式です。
フロントでもらった新聞紙を濡れたシューズにぎゅっと詰め何度も交換し、ジャージ類の水気も丁寧に取っていきます。それが終わると、ハンガーに掛けたウェア類をエアコンの風が当たりやすい位置に並べてようやくひと息です。外出前にはエアコンの温度を少し上げ、ここまでやったので翌朝には乾いていることを確信して部屋を後にしました。
夜の交流会は 「麦酒造 hideji 和厨房」 で行われました。
一品ずつ丁寧に運ばれてくる延岡グルメに、工場見学で見たばかりの 8種類のひでじビールが飲み放題という贅沢なラインナップ。
雨の中を走り切った達成感も相まって、テーブルは次第に笑い声で満ちていきました。
「どこで一番濡れたか」「あの坂は意外ときつかった」など、同じ時間を共有した者同士にしか分からない話題で盛り上がり、ジョッキを重ねるたびに距離がぐっと縮まっていくのを感じました。

エンシティホテル延岡は、客室の快適さはもちろん、スタッフの接客の良さも印象的なホテルでした。朝食バイキングの評判も高く、私自身のお気に入りは 宮崎の郷土料理・冷や汁です。
素焼きにしたタイやアジの身をほぐし、擦った白ゴマと味噌を合わせた冷たい汁をご飯にかける一見素朴ながら、滋味深い美味しさは朝のエネルギー補給としては申し分ありません。
しっかり朝食を満喫し、昨日の雨で濡れたウェアも無事に乾いてくれてホテルを気持ちよくスタートしました。

ホテルを出てすぐ近くの「ツール・ド・九州 延岡ステージ」のスタート地点・延岡市役所へ移動して、市職員さんたちによる記念撮影を行いました。大会当日は市内のど真ん中のここが封鎖され、選手たちが一斉に飛び出していくのかと思うと、街全体がこのイベントを迎え入れているともに、延岡市民のみなさんの意気込みを感じました。
延岡市役所をスタートして話題になったのが、このアーケード街のパレード走行です。粋なことを取り入れたと感心しながら、私たちも選手の気分になってアーケードを走りました。
この後のコースは、「道の駅北浦」までの20km、獲得標高269mと、短めながらアップダウンがしっかりあるルートです。

三井さんが組まれた2日目のコースは、単にツール・ド・九州 延岡ステージをなぞるだけではなく、海沿いの景色のいいポイントをつなぎながら、適度な上りも織り交ぜた気持ちのいいサイクリングルートになっていました。

昼食は、佐伯市米水津の港町にある民食「 戸高」。明治5年に佐伯の城下町から移築された建物で、落ち着いた佇まいが印象的な食事処です。

佐伯はアジの産地として知られ、古くから地元の人々に親しまれてきました。そのアジを使った郷土料理のひとつが、左上の「あじの丸ずし」です。梅酢に漬けたアジを赤しそで巻き、丸ごと一尾を使うのが特徴で、見た目にも存在感があります。これがツール・ド・佐伯のエイドで補給食として出されているのが驚きです。
シラス丼や造りも新鮮そのもので、特にメジナの刺身と炙りは最高の味わいでした。炊き合わせもすべて手作りで、どの皿にも丁寧な仕事が感じられます。こうした料理を味わうと、この民宿にはぜひ泊まりにきたいと思いました。

昼食後は、CYCLE CARGO にバイクを積み込み、豊後くろしおラインの途中にある標高282mの峠、「空の公園」へ移動しました。ここからはダウンヒルでスタートし、佐伯港までの距離21km、獲得標高159mのコースになります。
前日の雨が嘘のように空は晴れ渡り、空の公園から下ったあと、海沿いの道をスピードに乗って走る気持ちよさは格別でした。潮風が頬をかすめ、カーブを抜けるたびに視界が開けていく――まさにご褒美のようなラストライドでした。

佐伯港に到着後は、フェリー乗り場で開催されている「九州・食肉祭」を見学したあと、三井さんたちに温かく見送られながら CYCLE CARGO に乗り込み、名残惜しさと満足感を胸に帰路へと向かいました。雨の苦労も、海沿いの爽快なダウンヒルも、地元の食や人との触れ合いも、すべてが旅の一部として心に刻まれた二日間でした。
今回のツアーの参加費は 25,000円。
エンシティホテル延岡の朝食付きシングル、豪華な昼食2回、麦酒造 hideji 和厨房での夕食と飲み放題(+1,400円)、そして CYCLE CARGO での移動まで含めたこの内容はまさに破格といえるでしょう。
それを実現しているのは、九州観光機構が掲げる 「サイクリングアイランド九州」 の取り組みの一環として行われている延岡市の誘客事業と佐伯市のツアー造成支援事業です。地域が本気でサイクルツーリズムに取り組んでいるからこそ、参加者にとってお得な旅であると同時に、延岡市・佐伯市にとっては未来への投資です。その両者が心地よく重なり合った今回のツアーは、走ることで地域とつながるサイクルツーリズムの魅力を改めて感じさせてくれる二日間となりました。
