コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「久留米の歴史探訪とみかん山と有明海」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました!!
九州・山口から歴史好きのサイクリストが集まり久留米の「歴史探訪の旅」とみかんで有名な熊本市西区河内町を満喫されています。
。:+* ゚ ゜゚ *+:。:+* ゚ ゜゚ *+:。:+* ゚ ゜゚ *+:。。:+* ゚ ゜゚ *+:。:+* ゚ ゜゚ *+:。:+* ゚ ゜゚ 


自転車仲間が継続的に取り組む2つのガイドツアーに参加してきた。
久留米市で開催されたのは、久留米城と城下町を旅する「久留米の歴史探訪と競輪場バンク体験」、河内みかんで有名な熊本市西区では、外国人のニーズに合いそうな「みかん山と有明海RIDE 2025」といういずれも地域の観光資源を自転車で巡るイベントだ。

体験型観光商品の開発を目的とする「久留米まち旅博覧会」が主催する「久留米の歴史探訪と競輪場バンク体験」は久留米サイクルスポーツ協会により実施された。今回は韓国人サイクルインフルエンサーのガイドを手伝ってもらった福岡県サイクリング協会理事長でもある久木原慶さんのガイドツアーになる。

参加者は歴史好きのサイクリストが九州・山口から集まっていた。距離は25kmほどの平地なのでロードバイクだけでなく、クロスバイクやミニベロでの参加もあった。歴史スポットでは、久留米市文化財保護課の職員さんが同行され、とても分かりやすく説明をされた。サポートカーは久留米サイクリング協会会長さんが運転されて頂いた資料や買い物を運んでもらうのに便利だった。

久留米市役所のみなさんは、お揃いの法被を着られ「歴史探訪の旅」のタイトルに似合って親しみやすい雰囲気になっていた。参加者からの質問には丁寧に解りやすくて答えられて、今も残る久留米城跡の見学では、積み方の異なる石垣がいくつもあったので尋ねると、60年以上かけて建設したためその時代の技術が現れているということだった。

城下町の見学で興味深かったのは、軍備の強化と非常の場合に備えて、地筒(地鉄砲)を作る職人で足軽の集落である鉄砲小路だ。狭くて曲がりくねった道が続き自転車で走るには面白いところだった。私の家の近くにも曲がりくねってはいないが古い町中の家と家の間にある狭い道、いわゆる路地があり、小さい頃は荷を乗せたリヤカーが通っていたことを思い出した。

町全体が寺という22の寺院が立ち並ぶ「寺町」には驚いた。久留米城や城下を守る軍事上の防衛基地にするために寺を集められたという。熊本にも呉服関係の商人が多く住んでいた「呉服町」や細工商人の「細工町」、鍛治職人の「鍛冶屋町」に加えて、こちらには米屋の「米屋町」、両替商があった「両替町」など初めて聞く町の名称だった。

スタートした久留米中央公園に戻って昼食のあと高良川沿いの道で久留米競輪場に向かった。久留米競輪場は1949年というから76年前に全国で7番目の競輪場として開設された。元競輪選手の中野浩一さんが選手時代にホームバンクとしていたことでも有名で、現在も「中野カップレース」という記念競輪が開催されている。競輪場に着くと福岡県自転車競技連盟の理事長さんと競輪学校の教官の方々が迎えていただき恐縮した。

どんな自転車で走るのか、フレームはクロモリかカーボンか、タイヤのサイズ、空気圧、最高スピード、それに競輪選手の年収まで教官の方に質問があったが、惜しげもなく答えていただいた。その後、バンク体験走行の前に注意事項のあとに国体選手のデモンストレーションがありそのスピードに驚くばかりだった。

コーナーの傾斜になっているところがバンクだが、最初は上の方までほとんどの人が怖くて行けなかった。斜度は31度以上あってカラダと自転車が地球と斜めになるのだ。それでもスピードを出すと段々と行けそうになるが、1周400mあり風の抵抗が凄くて3周すると限界だった。休憩しながら3回チャレンジして私の久留米競輪場のバンク体験は終わったが貴重な体験になった。

バンク体験のあとは、関係者や選手の方しか入れない「闘門」を入って「花道」の通路には大きな担架がいくつもあり、危険を伴うレースであることがよく分かつた。このオートバイは選手が練習用に使うのもので、オートバイクの後ろにローラーが付いており、これに前輪を当てて走ることができる。オートバイが前走者とすれば、これにぴったり付いて走ると風の抵抗が減って楽に早く走ることが可能だ。

自転車は15km/hを超えると路面抵抗より空気抵抗が大きくなり、ブレーキのブランケットところのポジションと下ハンドルの前傾姿勢と比べると30%風の抵抗を抑えられるという。風の強い日や向かい風の時に、疲労を押さえたいと思うならば下ハンを握ること、早く走りたいと思うなら下ハンの前傾姿勢を練習することだろう。

久留米城跡と有馬記念館、そして城下町を専門家の解説付きで巡るツアーは、自転車での移動を活かした歴史の学びであり、この機会がなかったら一生知らないことが数多くあった。競輪場では録音された実況放送が流れており、選手たちのスピード感や競り合いが見えるようで否が応でも競輪モードになって、本気で自転車で走る気持ち良さと、走行に物足りなさを感じていた人はここで燃え尽きることができたと思った。
先日、熊本県サイクリング協会の方が阿蘇でサイクリングイ大会を計画されており下城さんとお聞きする機会があった。何しろ熊本県サイクリング協会主催で阿蘇五岳を走る大会は、熊本地震以降だから10年近く開催されていないので驚きと期待感だった。阿蘇の地域資源は、阿蘇五岳や草原景観の中を走ることに尽きると思うので開催に向けて協力して行きたいと思っている。

個人的に久留米を訪ねた感想として、3年前に95歳で亡くした私の母から、戦時中に実家の熊本県大津町から久留米の紡績工場に学徒動員された話を聞いていた。農家の娘だったので弁当に当時貴重だった米のおにぎりを持っていったら、周りの人から羨ましがられていたと話していた。
そのことをたまたま思い出したので、見晴らしのいい久留米城跡で文化財保護課の方に尋ねると、「その頃の紡績工場・・・あっ、カネボウの工場がありましたね、確かあちらにあったので多分そこでしょう」と指差しながら話された。女学生だった母の動員された場所が分かるという私にとっては大きな収穫となったガイドツアーだった。

牧野ガイド仲間である清田あづささん主催の「みかん山と有明海RIDE 2025」を案内してきた。3回目になるこのイベントは、金峰山の麓から幾重にもみかん山の段々畑が広がり、遠くには有明海越しに雲仙普賢岳が望める河内みかんで有名な熊本市西区河内町がコースになっている。

こちらが清田あづささん、この日はオルベアのE-バイクだったが、福岡のサイクルショップ正屋の岩崎さんが参加されていたのでレンタルし、緒方エッグファームの奥さんもレンタルされていた。このバイクの見た目はE-バイクには見えなくて、普通のロードかグラベルバイクで乗ってみると走行感の素晴らしさに驚く。

下関からお越しの水口さんはブロンプトン、ウエアを含めてみかん山に似合うスタイルだった。

軽木さんはビンテージバイクで登場、合わせたウエアもクラシック!
まるでイタリアはトスカーナで開催されるエロイカの冬バージョンみたいだ。

みかん山の段々畑の先の有明海には海苔の網が広がっている。その先には雲仙の山々、ここに来てホント良かったとみなさん話されていた。

5kmほど3~4%の坂を上ったらダウンヒルが始まる!

有明海に向かって離陸するような圧巻のダウンヒルだ。

降りた先が河内漁港、そして昼食場所の「寿司きよ」。

名物の鮮度抜群の海鮮丼は港の寿司屋ならではで、それを承知にいつもお客さんで賑わっている。

会場には定番となった有明海苔研究所の店主であり海苔ソムリエYUMIKOさんこと嶋田由美子さんの海苔の話と試食が食事と同時に始まる。

有明海苔研究所の中でもオークションで落札された最も高額な板海苔は世界記録認定。

そんないろんな海苔を海鮮丼と贅沢に一緒に頂く。海苔の常識が一変されて、その美味しさにみなさん感動されていた。

食事が終わったら長閑な河内漁港を通って、有明海苔研究所で気に入った海苔を購入したら次はみかん狩りだ。

細い路地を通ってウシジマ青果さんの畑に向かう。

みかんのプロの話を聞いていざみかん狩りだ。

いやはや実に楽しい。
11時スタート15時ゴール、走行距離17kmのツアーは、昼食代、土産に有明海苔研究所の板海苔、この袋一杯のみかん、ゴール後のコーヒー付きで5500円とお得だ。それに清田さんはフランス料理教室の先生でもあるので、当日は焼き菓子の販売と予約制だが、クリスマスに欠かせない「シュトーレン」の受け渡しもある。

汗もなく、心拍も普通、緊張もない平和なライドイベントも楽しい。

「みかん山と有明海RIDE」は、山がみかん色に染まるこの時期が最も素晴らしいことから、河内町出身の清田さんが地元の町興しメンバーのみかん農家や有明海苔の生産者の協力によって、自転車で河内町の魅力を体験してもらう初心者でも楽しめるライドになっている。
有明海を背景にした石垣のみかん畑は、低木なので広々と見渡すことが出来て美しい景観になっている。車が少なく適度の上りはあるが、そこはE-バイクで解決する。昼食の「寿司きよ」、海苔ソムリエYUMIKOの海苔の「有明海苔研究所」、「ウシジマ青果」のこの日はなかったが選果場見学とみかん狩り、それらを組み合わせたプライベートライドは外国の方にも楽しんでもらえるのではないだろうか。阿蘇を案内した翌日は、いろんな地域の魅力ある体験を提供したいと思っている。

 

 

カテゴリー: 道の駅阿蘇 ブログ, 阿蘇のイイとこ紹介集   タグ: , , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

関連ページ

コルナゴ部長こと中尾公一さんと行く令和8(2026)年1月の阿蘇満喫ライド開催のお知らせ

2026年も、「阿蘇満喫ライド」をよろしくお願いします♡ 新しく迎える年は、午年🐎 炎のような情熱と勢いのある年だそ...
array(2) {
  [0]=>
  object(WP_Term)#3566 (16) {
    ["term_id"]=>
    int(23)
    ["name"]=>
    string(25) "道の駅阿蘇 ブログ"
    ["slug"]=>
    string(4) "blog"
    ["term_group"]=>
    int(0)
    ["term_taxonomy_id"]=>
    int(23)
    ["taxonomy"]=>
    string(8) "category"
    ["description"]=>
    string(57) "スタッフがお届けする阿蘇の耳寄り情報!"
    ["parent"]=>
    int(0)
    ["count"]=>
    int(2068)
    ["filter"]=>
    string(3) "raw"
    ["cat_ID"]=>
    int(23)
    ["category_count"]=>
    int(2068)
    ["category_description"]=>
    string(57) "スタッフがお届けする阿蘇の耳寄り情報!"
    ["cat_name"]=>
    string(25) "道の駅阿蘇 ブログ"
    ["category_nicename"]=>
    string(4) "blog"
    ["category_parent"]=>
    int(0)
  }
  [1]=>
  object(WP_Term)#3565 (16) {
    ["term_id"]=>
    int(1031)
    ["name"]=>
    string(30) "阿蘇のイイとこ紹介集"
    ["slug"]=>
    string(5) "spots"
    ["term_group"]=>
    int(0)
    ["term_taxonomy_id"]=>
    int(1031)
    ["taxonomy"]=>
    string(8) "category"
    ["description"]=>
    string(0) ""
    ["parent"]=>
    int(0)
    ["count"]=>
    int(269)
    ["filter"]=>
    string(3) "raw"
    ["cat_ID"]=>
    int(1031)
    ["category_count"]=>
    int(269)
    ["category_description"]=>
    string(0) ""
    ["cat_name"]=>
    string(30) "阿蘇のイイとこ紹介集"
    ["category_nicename"]=>
    string(5) "spots"
    ["category_parent"]=>
    int(0)
  }
}