コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
11月29日（土）に開催したグラベルライドのレポートです。
自転車歴は長く、満喫ライドには何度もご参加いただいている参加者さんの初グラベルライドのレポートです。
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11月29日に阿蘇でグラベルライドを開催した。
11月は牧野ガイドやほかの地域でのガイドが続いたので、この日のコース内容を告知していなかったこともあるのか、熊本市内から納車したてのグラベルバイクで来られたハタノさんお一人の参加となった。
だれも来られないのは寂しいが、1人でも来てもらえるのは嬉しいことなので2人で阿蘇谷のグラベルを走ってきた。コースは坂梨の古閑の滝の前を通り、57号を渡ってから田んぼ道で小倉林道、内牧、豊後街道、ニベ塚の横を通って帰ってくる阿蘇谷定番の50ｋｍのグラベルコースになる。
快晴の気持ちのいい朝になった。ハタノさんのシェイクダウンに相応しいグラベル日和といっていいだろう。道の駅阿蘇をスタートして、まだ心の準備が出来ていな時に突っ込む轍の深い狭い田んぼ道が、しばらく行かないうちに草が生い茂りハタノさんは水無川の砂場でスタックされた。阿蘇グラベルの名刺代わりのセクター1「西岳川グラベル★2」
坂梨の乗馬クラブ「阿蘇ホースクラブ ヴァンス」の前を通ると数頭の馬が防寒具を着て白い息を吐きながら草を食んでいた。写真を撮ろうと近づくと放し飼いになっていたので驚いた。古閑の滝の近くでは水たまりが今年初めて凍っているのを見た。もしかしたら古閑の滝も氷瀑になっているかも知れない。
そんな冬のライドに備えるハタノさんの防寒対策がこれだ。
HAKKIN、「ハクキンカイロ」。見た目は薄くて大きな鏡面仕上げのジッポのライターみたいで熱量は使い捨てカイロの約13倍らし。発熱温度が一定しているので寒冷地や冬の野外のレジャー時に非威力を発揮し、25ccのべンジンで24時間保温できる低燃費とのこと。使い捨てでない環境に優しいカイロは見た目がカッコいい。この袋に入れたハクキンカイロを腹部に入れて防寒されていた。
山田地区の製材所から小倉林道に入る。舗装した上り坂になり途中でウィンドブレーカーとネックウォーマーを脱いで汗を掻かないようにした。民家の先から上りのグラベルになり、ひっそりと静まり返った清々しい山が迎えてくれた。静謐な領域に行くような雰囲気に2人で走りに来て良かったと確認し合った。
しばらく行くと倒木が道を塞いでいた。ということは車が通っていないので人もいない、静かなはずだ。
「キューン」と近くで甲高い鹿の鳴き声聞こえた。繁殖期の牡鹿か、ますますグラベルライドらしい雰囲気になってきた。この先がこぶしくらいの石がゴロゴロする荒れた下りになり、気を付けてコース取りしていると軽トラックが上ってきた。こういうことがあるので、どんな奥深い山に行っても前方から車が来ることを想定しなくてはならない。
阿蘇谷を眺める見晴らしのいいところで休憩した。ここであえて朝残してフロントバッグに入れてきた小さなおにぎりを食べた。普段の何倍も美味しい。こういった食べる楽しみもグラベルライドならではだ。
林道が十字になったところにモミジの紅葉が青空に映えて美しかった。まっすぐ行けば212号、右が蛇の道、私たちは左に少し下りて右に入るグラベルに向かった。
2人なので写真を撮る所は走りやすいところに限られる。この先にはかなり荒れた下りがあるので要注意だ。林道から下りると下界に戻った気分だ。内牧方面に行き、阿蘇草原保全活動センターで「ASO草原フェスティバル」があっており、キッチンカーや飲食ブースがあると聞いていたのでそこで昼食することにしていた。
子供用の防護服にヘルメット姿でチェンソー体験、終わったら記念写真。
箱石峠付近の牧野で放牧されている阿蘇の羊は串焼きで販売
私たちはカフェ山猫軒のカレーにした。ヘルメット姿で行くとご主人が「私も以前自転車に乗っていました、以前来られたことがありますね」と憶えておられてびっくりだった。
山猫軒は南阿蘇のアスペクタの近くにあって阿蘇望の時に小さな看板がいつも目に付いた。確かオープンして間もない頃に行ったように記憶している。深い味わいのカレーと玄米ごはんがさっぱりと優しい味だった。
ハタノさんは娘さんと一緒にライドされているので、好みに合いそうな田園風景の西小園の古民家を改装されてお洒落な店になった「MARUGO DONUTS」へ案内した。ASO MILK FACTORY近くから長い田んぼの一本道で行くのだが、その道が途中から片側だけ舗装になっている。その理由は知りたいものだ。
13時過ぎたら売り切れてしまうがこの日は早かったのでまだ大丈夫、娘さんの土産用に買われて拡張性サドルバッグに無事納まった。
納車したばかりのハタノさんのグラベルバイクは、ジャイアントの「リボルト アドバンスド0」、自転車キャンプにも興味を持たれており、マウントが多いのでリアキャリアにパニアバッグ装着も可能なバイクだ。軽量バイクのコンポーネントはシマノ「GRX」、カーボンフックレスホイール「CXR 2」を採用した美しい塗装の最新グラベルバイクだ。
次のグラベルは豊後街道
登山口まで上ると、あとは下りと平坦なグラベルになり初心者でも走れそうな道だ。
それにここは車止めがあるので安心、ただ階段と水無川がある。
階段はサスペンションがないと厳しく押し歩きが無難、水無川は担ぎになり滑りやすいので要注意。
そのあとは竹林の走りやすい道になる。
ただし、雨の後はちょっとぬかるむので俄然面白くなる。
十字に出ると左に降りると149号、右はかってのラピュタの道だ。熊本地震によって崩壊したので2ｋｍ先の長寿ヶ丘公苑までとなる。コースはまっすぐで杉林の中を過ぎると149号に出る。
最後はこのような田んぼ道から、右の丘のようなニベ塚の麓を通って、あとは舗装された裏道で道の駅阿蘇へ着いた。ハタノさんは初めての阿蘇グラベルライドにかなり満足されたようだった。
冬はグラベルライドの旬だと思っている。山を走っている時や休憩していると襲ってくる吸血昆虫の蚊、アブ、ブヨ、それに蜂もいなくなる。広葉樹は葉を落とすので木漏れ日になり道を明るいし、見たことがない景色が現れて思わず息を呑む。ただ、落ち葉の絨毯で路面が見えにくいので注意が必要だが、サクサクと落ち葉を踏みながら走るのはこの時期ならではの楽しみだ。そして、もう少し寒が入り雪でも積もればグラベルライドの虜になるのは間違いない。
