コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「第2回マイナビ ツール・ド九州応援ライドレポート」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました★
今回は8月3日(日)に開催した第2回マイナビ ツール・ド九州応援ライドレポートです。開催まで2か月となりました。当日が楽しみですね★
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第2回「マイナビ ツール・ド・九州応援ライド」を8月3日に開催した。
阿蘇でも猛暑日が続いているが、ツールド九州阿蘇ステージのコース体験をしてもらうために、水場や休憩、補給食、それに途中離脱コースを設けて、阿蘇満喫ライドのガイドメンバーでみなさんに楽しんでもらえるようサポートしながら案内した。

応援ライドや6年目を迎えた阿蘇満喫ライドのコースは私が担当している。
その基本となるのがこの手書きの地図だ。阿蘇には13の峠(峠名は昔からの地元の呼び方)があり、どの峠を上り、どの峠で下ってくるか、それを組み合わせて季節ごとのサイクリングルートを考えている。阿蘇ライドでは基本の基本なので少し紹介しよう。
この時計回りに番号を付け、2つの峠ごとに色分けされた地図は、2012年に私が阿蘇で仕事するようになってすぐに地元の軽木さんから頂いたもので、阿蘇でサイクリングの活動を始めたときから現在まで役立っている。
渡されるときに軽木さんは、「#1から順に阿蘇の13峠を制覇するイベントをやってください、名付けて阿蘇ヘルクライム(ASO Hell Climb)」といわれて驚いたが、今思うとそれも面白そうだ。ということで13峠の説明をしよう。
#1 二重の峠
国道57号北側復旧ルートの二重の峠トンネルが開通してから車が少なく走りやすくなっている。
距離3.2km

#2 狩尾峠
通称ラピュタの道は2016年の熊本地震で崩壊し以降通行止めのままで復旧の目途はない。
5.7km

#3 大観峰
国道212号。日中は車が多いが下りで利用することがある。早朝に大観峰で雲海を見るにはこの道がおすすめ。
距離7.1km

#4 小嵐山
木落ロードともいう。車が少なくミルクロードに行く定番の峠道だが、道が荒れてコーナーの見通しが悪いため上りが基本になる。木陰が多いので夏におすすめ。
距離7.9km

#5 手野峠
国造神社の道、国造神社Climb。今年のツールド九州の周回ルートに採用された。ミルクロードに行く峠の中で一番勾配がきつい道になる。
距離3.4km

#6 城山峠
やまなみハイウェイの北外輪山の峠道区間。今年はツールド九州の下りの周回ルートに採用されている。
距離4.1km

#7 滝室坂
国道57号の北外輪山の峠道区間。来年、中九州横断道路の一部として滝室坂トンネルが開通するので、その後は車が少なくなり新たなサイクリングコースとして期待している。
距離4.4km

#8 箱石峠
国道265号の北外輪山の峠道区間。最も阿蘇らしいヒルクライムが楽しめる。ツールド九州第1回と2回大会唯一の1級山岳だった。
距離6.3km

#9 日ノ尾峠
阿蘇谷と南郷谷を結ぶ古道。車もバイクもほとんど通らない。南郷谷側はかなり道が荒れている。
距離7.4km

#10 仙酔峡
国道57号の仙酔峡踏切から入る。阿蘇中岳と高岳の北麓にある標高900mの峡谷、ミヤマキリシマが有名。この峠道のみ頂上で行き止まりになる。
距離6.1km

#11 登山道路
111号、坊中線、阿蘇らしい草原景観の道、阿蘇駅前から草千里や中岳火口に通じる。
距離14.2km

#12 湯之谷
298号、阿蘇公園下野線から赤水線で坊中線に通じる。途中には阿蘇ファームランドや米塚がある。
9.9km

#13 立野
国道57号、新阿蘇大橋から阿蘇公園下野線合流まで。
距離2.9km

ツールド九州の第1回と2回大会は#6城山峠を下り#8箱石峠を上って南阿蘇村へ向かった。今年は#5手野峠を上り#6城山峠を下る30kmの周回コースを2周して南阿蘇村というコースになっている。

この日参加されたのは福岡から5名、佐賀から1名、熊本から7名でロングコース7名、ショートコース6名のみなさんをマイナビ ツール・ド・九州2025阿蘇ステージへ案内した。

ロングコースの距離89.8km・獲得標高1,267m
前回と同じく幸せの一本道から周回ルートに入り、国造神社Climb、KOM、やまなみハイウェイ、ヒゴタイ大橋、UBYAMA PLACEで周回を離れ、そのままツールド九州のコースを走りフニッシュ地点の南阿蘇村役場から21kmの帰路になる。

ショートコースの距離42.3km・獲得標高661m
UBYAMA PLACEまではロングと一緒だが、そのまま周回ルートのヒゴタイロード、ミルクロード、やまなみハイウェイ、スプリントポイント、幸せの一本道の合流まで周回を1周して阿蘇神社経由で帰ってくる。

道の駅阿蘇をスタートしてポケットパーク湧水で天然水を補給して阿蘇市役所方面へ向かう。

阿蘇市役所裏の3.5kmの幸せの一本道から周回コースに入る。

この直線はレースではどのような展開になるのだろうか。

この先は阿蘇ステージで唯一の上りの国造神社Climbが待っている。

213号合流地点を起点にミルクロードまでの距離3.4km、最大斜度19.8%(Ride with GPS で表記)、平均斜度7.5%、周回は2周なのでこの上りを2回上ることになり、ここで勝負が決まりそうな気もする。

国造神社到着、清掃活動はこの付近の道路のゴミ拾いになる。すでにここまでの上りで汗がしたたり落ちる。

車の往来はそこそこあった。なのでこの道を苦しみながら上る時は、たとえ道路が空いているように見えても常に車両に注意する必要がある。特に見通しの悪いところや曲がり角では、下ってくる車はかなりのスピードなので道路の脇を離れないようにしなくてはならない。ゴミを拾っているとそんなところも見えてくる。

手野地区の方が清掃されているのだろう、ゴミはほとんどなかったが、ゴミが落ちていないということはいいことだ。

道の駅阿蘇から用意してもらった補給食は、丸くて平たいのが森万十の「ゆでだんご」。平たいのでジャージのポケットに収まりやすい。この日は「よもぎ」と「しろ」から選べるようになっていた。森万十はオーナーのお母さんが子どもの頃に作っていた饅頭や団子を昔ながらに手作りで提供する店。餡は少し塩をきかせた甘さ控えめなので、甘いもの苦手の私にもちょうど良い甘さの餡だ。それとこの店だけのオリジナルの「とうきびもち」は、昔ながらの地とうきびをすり潰して餅に混ぜ込んだ懐かしさを感じる逸品だ。
パンはボン・グウの「ベーコンフランス」。阿蘇にはパン屋が多いがハード系が少なく柔らかいものが好まれるような気がする。こちらもベーコンエピとは違い柔らかいパン生地で味はベーコンエピと同じ塩辛さがサイクリングの補給食にありがたい。ボン・グウのパンは、熊本地震の際に避難所に配られたものを分けてもらい涙が出るほど美味しかった記憶は今でも忘れない。

国造神社から手野の名水までの1.4kmの厳しい上りになる。

ここでボトルの水を冷たい天然水に入れ替えて少し休憩する。木陰の道だがこの暑さなので無理は禁物だ。

草原景観になると容赦なく太陽が照り付ける。
ミルクロードに出て、やまなみハイウェイから入る周回コースは、ヒゴタイ大橋の手前までの3~4カ所の上りがこたえるが、見通しのいい道なので下りは叫びたくなるほど気持ちいがいい。

UBYAMA PLACEでロングとショート組が分かれた。

ショート組は下城さんとミユキさんが案内された。ここからショート組の写真になる。

ヒゴタイロードと、

ミルクロードは見通しのいい直線なのでレースではどういう展開になるのだろう。

城山展望所。
高校生のお嬢さんと親子で参加された方もおられた。若い人たちがレースに興味を示してもらうことは、九州のサイクルスポーツの裾野を広げることとして大切なことだろう。
また、普段の阿蘇満喫ライドは、強度的に参加を見送る方がツールド九州応援ライドのみショートコースを設けているので初めてお会いする参加者も多い。ならば毎回ショートコースをと思うと、仕事ではなく私たちの休日を利用して無料で開催しているので、継続していくためには自分たちの練習を兼ねたコース設定になっている。

ショートコースの昼食は、スプリントポイントや阿蘇市役所、阿蘇神社にも近い青空食堂だったようだ。

手頃な価格の定食や、

熊本県産和牛のステーキや焼肉定食も人気らしい。

ロングはUBYAMA PLACEから波野のアップダウンと暑さでかなり消耗した。265号に出ると2名の方が南阿蘇を諦め箱石峠経由で帰るコースを選択されたのでこの先は私と井上君を含めて6名になった。
参加されていた緒方さんが、昨年のツールド九州を波野の周回コースで観戦されて、265号に出ると下りでゴールになるため、その付近で選手がボトルを観客にあげていたそうだ。
265号から南阿蘇に降りるにつれ気温が上昇していった。265号に出たところが標高915mで南阿蘇村役場の手前は標高360m、標高が100mごとに0.6~0.7度の気温差になるというから4度近く暑くなったことになる。

265号から農免道路に入るとムッとした暑さになった。白川水源近くになるとアスファルトの照り返しと車の多さで最も暑いと感じて逃げ込むように白川水源前の味千ラーメンに入った。普通の味千とは違い観光客向けの店だったがクーラーが心地良くて撮るのを忘れた。竹崎水源でやっと涼しくなりボトルに冷たい天然水に入れ替えた。

この先に川はなく水源から湧き出た水により川のようになっている。1分間に120トンの湧水量はこれを見ればわかる。

あまりに暑いのでツールド九州のコースを少し離れて、先日のグラベルライドでクールダウンした保木下井出(ほきしたいで)沿いの道に行った。水浴びしたところにあるのがこの東一丁田遺跡の碑。古墳時代の12軒の集落跡に竪穴式住居や陶質土器の須恵器が出土したという。今からおよそ1300年前から1500年前、集落の中には竹崎水源からだろうか2mの小川が流れていたとも記され、阿蘇五岳を眺めながら稲作を営み暮らしていたのだろうか。

この時期は清涼感ある井出の流れを眺めながら走るに限る・・・
それにこれもかかせない。


最後にフィニッシュ地点の南阿蘇村役場の手前に、農家の方の演出かも知れないが、ツールドフランスを象徴するひまわり畑があったので写真を撮って帰路に向かった。このように地元に親しまれていくことが、サイクルスポーツの普及・振興と「マイナビ ツール・ド・九州」の成長につながることだと思う。

今回の参加者にも渡した道の駅阿蘇発の阿蘇ステージ周回コースになる。
距離42km・獲得標高660mなので、多くの方が対象となり、写真を撮ったり、カフェやランチ、門前町・阿蘇神社をポタリングしながら楽しめるコースだと思っている。それになにより、幸せの一本道、やまなみハイウェイ、ヒゴタイロード、ミルクロードという阿蘇サイクリングの魅力が凝縮しているのも私がアピールする理由になる。
これは私の手書きだが、現在道の駅阿蘇にQRコードで見ることができる絵地図とRide with GPSのルートを作ってもらっている。これを基本にもっと走りたい方は、箱石峠や仙酔峡、坊中線など組み合わせたら阿蘇ライドを堪能できると思う。
コースのなかで注意しなくてはならないのが、城山展望所からのコーナーの多い下りだが、やまなみハイウェイはトラックがほとんど通らず、観光バスもミルクロード~大観峰~212号がルートなので、ゆっくり下れば路面もよくリスクは少ないと経験上考えている。

最後にこのコースには国造神社の上り、国造神社Climbという距離3.4km・最大勾配19.8%・平均斜度7.5%という激坂区間が存在する。これは何度も書いてきたが私が引いたルートではなく、UCI(国際自転車競技連合)の方によるものなので仕方ない。坂が苦手な方は押し歩きになるだろう。
この激坂区間のなかでも手野の名水までが最も厳しく、距離1.4km、平均斜度は9.5%というおぞましいというか、ベルギーで1936年から開催されているフレッシュ・ワロンヌ の中で3回登場し、国造神社Climbと難易度が極意する名物激坂「ユイの壁」、登坂距離1.3km、平均勾配9.6%、公式には最大勾配19%となっているが、局所的に26%とも29%とも言われるまさに壁の日本版ともいえる。
そういう視点から考えると、ベルギーまで行かないでユイの壁の体験ができるというのは面白いと思う。そこで今年のフレッシュ・ワロンヌにおいて、ポガチャルが雨の「ユイの壁」で圧勝する歴史に残るシーンの動画で終わりにしたい。

 

 

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