コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「夏の菊池・人吉林道を走る」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
7月5日(土)に開催した満喫ライドのレポートです。

お天気に恵まれ、ライドを思いっきり満喫なさいました。
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Photo by onimasa

猛暑に備えて木陰の多いコースをつないだ阿蘇満喫ライドを7月5日に開催した。
メインとなるのは、菊池渓谷の麓から入って県道23号までの22kmの日陰の多い広域林道鞍岳線だ。その中でセンターラインがある2車線の舗装路が大規模林道菊池・人吉線の菊池・大津区間(以降菊池・人吉林道)になり、距離18.4km、幅員7.0mの快適な林道を案内してきた。

この道はとても走りやすいのでよく練習コースに使っている。ただ、いつも思うのが、なぜ辺ぴな山の中に2車線の立派な舗装路の道があるのか、それも車がほとんど通らない生活道路でも観光道路でもないまさに林道なのに整備が行き届いているのか、今まで疑問だらけだったのでちょっと調べてみたので長くなるが説明しよう。
農林水産省所管の特殊法人緑資源公団(のちの緑資源機構⇒森林総合研究所森林農地整備センター⇒森林研究・整備機構森林整備センター)が施工した大規模林業圏開発林道(緑資源幹線林道)菊池・人吉線は、菊池市を起点として人吉市までの森林地帯である菊池市・旭志村(菊池市旭志)・大津町・西原村・御船町・矢部町(山都町)・砥用町(美里町)・泉村(八代市泉町)・五木村・水上村・多良木町・須恵村(あさぎり町須恵)・深田村(あさぎり町深田)・相良村を縦走する路線で計画延長は110.1kmだった。
菊池・人吉線のうち写真の青線の菊池・大津区間は、平成6年度に着工、平成13年度に完成し菊池市と大津町の林道として維持管理されている。県道23号に合流する手前1.8kmまでが2車線の菊池・大津区間になり、そこから菊池・人吉線は、広域林道鞍岳線、県道339号ミルクロード、県道225号山西大津線で西原村、そこから不明だが県道48号多良木相良線までとなっているようだ。ということで私の疑問の菊池・大津区間の整備が行き届いているのは国が造った道だからということだろう。

この日参加された方は、大分からと長崎から2名、熊本からはいつも写真提供してもらう鬼塚さんが自宅から片道50kmの自走で来られた。

コースは道の駅阿蘇から木陰の小嵐山の道、頂上から15㎞地点のミルクロードは25㎞地点の北山展望所まで太陽を遮りものは一切ない。その代わりに眺めがいい。北山展望所から35kmの広域林道鞍岳線までは木漏れ日のダウンヒルが続く。
そしてメインとなる菊池・人吉林道は木陰が多いアップダウンの道になる。県道23号の上りはミルクロードとの4差路まで木陰が多く、二重の峠から下りてすぐに左折すると木陰になり、そのまま県道149号もある程度太陽を避けられるが、内牧から道の駅阿蘇までは炎天下を覚悟しなければならない。

Photo by onimasa

スタートすると1分で田園風景が広がる。

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涼しくて気持ちがいい。田んぼの緑が美しい。
そんな風景に誘われて後ろからは談笑する弾んだ声が聞こえてくる。

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風景を遮るものがない。左に大観峰、右に阿蘇五岳だがこの日は霞んでシルエットだけ。ここに来るまで「真夏に走るなんて」と、みなさんそれなりに思っていたはずだが、「来て良かった」と、迷いは1分で消えたと思う。

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最初の水補給は役犬原地区にある自噴泉「ポケットパーク湧水」。地下水が大量に蓄えられている場合は、このように地上まで噴き上げることもあるが、ここまで高く噴き上げ続けている自噴泉は全国でも珍しいらしい。

この湧き上がる水の先に根子岳の構図だがこの日は残念。
阿蘇カルデラとその周辺には多くの湧泉が存在しその数は1,500ヶ所以上といわれる。私たちに阿蘇ライドでは、ここで美味しい水を補給したり、暑い日は頭からかぶるのが定番だ。

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小嵐山の上りまでは、話しながらのんびりとサイクリングを楽しめる。ビニールハウスの中ではアスパラガスやトマトが栽培されている。こういうのを見ながら、休日を自由に遊ばせてもらっている家族のために、阿蘇の土産とレシピまで考えるのもいいだろう。
アスパラとトマトは道の駅阿蘇で販売している。アスパラはベーコンと炒めてペペロンチーノに、トマトは赤・緑・白が美しいイタリアのサラダ、カプレーゼが美味しそうだ。モッツァレラチーズはセブンで、ついでに白ワインも買っておこうか、バジルは自宅のプランター、なければ道の駅阿蘇でも販売していたはず、、そんなサドルの上の妄想もサイクリングならではだ。

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小嵐山、学びの道に分け入る。
木陰が続くので暑い日、風の強い日、寒い日でも淡々とヒルクライムの練習、学びができる。頂上まで4km、平均勾配7%、ミルクロードまでは8kmだ。

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路面は荒れているところが多いので上り専用になる。

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途中から開けて暑いが阿蘇谷の景色が樹々の間から眺められる。

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汗びっしょりで頂上へ、朝一のヒルクライムは辛いが、カラダにたまった老廃物が排出されるようで気持ちがいい。

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阿蘇谷の先に阿蘇五岳の絶景ポイントだが、
山は見えないので逆向きに。
こんな写真の撮り方もいい感じ、鬼塚さん上手。

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このあとは標高800mの草原景観の道になる。

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今の時期の草原は美しい、吹き抜ける風が気持ちいい。

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そしてミルクロード

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思いのほか涼しい。
久し振りにみなさんと走って、
やはり、
ミルクロードはいいな。

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2か所目の水補給の北山展望所を過ぎたら木漏れ日の10kmのダウンヒル、
木漏れ日の中を走るのは気持ちいいが、
路面はあまり良くないので注意が必要。
無理はダメ、その勢い押さえないと落車につながる。
自転車全損、それはいい、
怪我して自転車にしばらく乗れなくなったら、それもいい、
命がなくなったらおしまい。
下りは慎重に、上りが勝負。

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昼食の時間帯が菊池・人吉林道になるので、林道沿いのシェルパ 四季の里旭志店でカップ麺と携帯食にするつもりだった。でもあまりに寂しいので菊池渓谷の手前にある人気店で多分入れそうにない焼肉水源に行ったら休み、菊池渓谷には軽食があったと思い出してビジターセンターに立ち寄った。

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入口で炭火焼いているヤマメと焼き鳥以外に2階に上がるとカレーとパスタ、たこ焼きがあったが無難なカレーで腹を満たすことにした。

渓谷側は全面窓ガラスで外にはバルコニーがあり爽やかな風を感じることができる。

建物内にはクーラーがない。
それほど涼しいところだ。
渓流の音と爽やかな風が心地よく、
料理の待ち時間もリラックスできた。

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みんなカレーと思っていたところ、携帯食を持参されていた鬼塚さんは意表を突いたたこ焼きにノンアルコールビール。カレーを見切ったというより映える写真が優先だったのかも知れないが、実に美味しそうだった。

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食事の後、菊池渓谷から2km下ると念仏橋の手前に林道鞍岳線の入口がある。ここから1.6㎞上りになる。左に見えるのはナメリ川の滝。

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途中で行き止まりの201号の下を抜けたところが菊池・人吉林道の菊池・大津区間の起点となる。

センターライトと路側帯はここでは消えているが、2車線、幅7.0mの舗装路が始まる。途中には牧場が1カ所とキャンプ場が2ヵ所、それに唯一自販機とトイレがあるシェルパ 四季の里旭志店があり、それぞれ施設の前に菊池方面に下る道があるので菊池・人吉林道を通る車はほとんどない。

こういう道が続く。

センターラインと路側帯はこのように残っているところも多い。

開けたところでは金峰山まで見える。側溝側は草を刈り側溝の泥も取り除かれている。
最近多い鹿やイノシシとの遭遇は一度もない。

4カ所目の補給のシェルパ 四季の里旭志店到着。
ここに鞍岳林道の入口があり頂上まで6.9km・平均勾配7.5%、ミルクロードまでは12km。

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シェルパ 四季の里旭志店は、モンベル商品を扱う山岳用品の老舗「シェルパ」が2021年から指定管理者になって運営している。広大な施設には眺めのいいキャンプ場(持ち込みテント・オートキャンプ・バンガロー)がありキャンプツーリングにも最適、キャンプ場利用者のみシャワーが利用できる。また、カンガルー牧場もあるのでファミリーでの利用も楽しめそう。

売店には薪やキャンプに必要な食材を販売されており、私たちは寒い季節に暖かいカップ麺が食べられるのがうれしい。BBQハウスでは料理持ち込みもできるが、手ぶらでBBQが楽しめる3300円のセットプランもあるので、グラベルバイクでのキャンプツーリングに最適だろう。

館内にはソフトクリーム、アイス、飲み物がある。

オープンスペースでは食事の持ち込みができるし寒い季節はここでカップ麺を食べられるのが嬉しい。自転車の人もウェルカムでフロントの方の接客も優しく施設使用料等は不要。
ここで自走で来られた鬼塚さんと別れた。灼熱の熊本市内方面を通り自宅まで40km、危険を感じたら奥さんに迎えに来てもらうと言われて安心した。

シェルパ 四季の里旭志店から8kmのキャンプ場WOODBURN CAMPGROUNDあたりで菊池・大津区間は終わり一車線の道になる。

キャンプ場から2kmほどで県道23号に出る。自転車に不具合があればそこから6kmでサイクルショップGINRINがある。

県道23号から4.3km上るとミルクロード(車帰交差)、そのまま二重の峠を下る途中に
湧き水ポイントの牛王の水があり、これが冷たくてなかなか美味しい。

降りてすぐに左折すると参勤交代の石畳にはトイレがある。自販機は道沿いにあるのでこれで内牧から道の駅阿蘇にゴールする。

最後は夏の定番、南冷菓店の300円かき氷で解散した。

これは八重洲出版から2021年は発売された「ニッポンのじてんしゃ旅 阿蘇サイクリングガイド」のマップだが、今回のコースは阿蘇北外輪山ルートと菊池渓谷オプションルートを組み合わせたものだ。ただし、シェルパ 四季の里旭志店までは同じだが、菊池渓谷オプションルートは鞍岳林道でミルクロードに戻るようになっている。

今回のコース(黄色)は鞍岳林道ではなく菊池・人吉林道と県道23号なので4km短く獲得は163m押さえたコースになる。菊池・人吉林道は適度のアップダウンはあるが長い上りはなく、道幅が7mあるので危険度も少ない。
この日、車とすれ違ったのは3台だったと思う。10数年ここは走っているが今まで自転車の人と会ったのは、グループライドが1組と単独の方が1人、それだけ、こんなに走りやすいのにもったいないルートだ。全体のコースとしては、距離83km・獲得標高1395m、木陰比率は48%、上りに木陰が多く、遮るものがないのは平坦路になる夏におすすめコースではないだろうか。

 

 

 

 

 

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