コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「今季最後の町古閑牧野MTBライド」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
5月18日(日)に開催した「今季最後の町古閑牧野マウンテンバイクライド」についてです。
町古閑牧野では、これから放牧が始まるため立ち入ることができなくなります。放牧を前に、牧野へ入って思いっきりライドを楽しまれました♡ご覧ください。
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週間予報の通り町古閑牧野をマウンテンバイクで走る5月18日は3日前までは完全な雨予報だった。16日午前中に中止の連絡をしようと思っていたら急に曇り予報に変わった。町古閑牧野は、この日放牧の牛や馬50頭近くが麓から牧野へ移動するため今シーズン最後の牧野ライドになっていた。そこで1人でも多くと17日に予定通り開催の案内をSNSで流した。すると雨天と思い込み2名になっていた参加者に加えて、熊本から2名と北九州と長崎市から各1名の飛び込みの申し込みがあった。
集合場所の道の駅阿蘇第二駐車場に40分前に着くと、すでに北九州の東田さんと長崎の川上さんは到着されていた。しばらくしてほかの参加者とサポートの下城さん、井上君、ミユキさんも揃ったので、わたしはショウ君の車に乗せてもらい、それぞれの車で町古閑牧野の農業倉庫に向かった。
ショウ君の車のリアスペースには、参加者全員11名分の椅子、それにテーブル、タープ、食器、ポータブル電源などが満載されていた。今回は町古閑牧野組合員で牧野の隅々まで熟知しているショウ君が案内するツアーを道の駅阿蘇の協力により、牧野保全料1人1000円だけで体験してもらう阿蘇満喫マウンテンバイクライドとなっている。
倉庫に到着すると、いつも想定していた防寒対策を超える標高800~900mの吹き曝しの町古閑牧野は、風もなく寒くもない絶好の牧野ライド日和になっていた。牧野に入る前に自転車のタイヤと靴を消石灰で消毒して貸し切りの牧野に向かった。

「まずは身体を暖めるために丘のてっぺんを目指しましょう」とショウ君の案内が始まった。眩しいばかりの新緑の草原がフィールドとなり、何度も来ているわたしたちも心が躍るようだった。

短いが厳しい上りで丘の上に着くと360度の絶景が待っていた。外輪山の先には緩やかな丘続き、その先の雲の切れ目には、くじゅう連山、祖母傾山を垣間見ることができた。みなさん一斉にスマホを向けていた。


ショウ君が足元に群生する黄色い花を指さした。

「これはウマノアシガタと言います、花が馬の足形に似ているという意味でしょう」。思わず貴重な阿蘇の山野草を踏み潰すところだったとばかりに、みなさん自分の立ち位置を変えた。

誰かが「これはスズランじゃないですか?」と尋ねた。
「スズランは今開花のシーズンですが花の形が違いますね、とても希少なものなのでここで発見できたら凄いですよ」とショウ君が説明した。意標を付くショウ君のガイドに、ほかにも珍しいものはないかとみんな目を輝かせながら近くを見渡していた。牧野を走りに来たのだが、いつの間にか阿蘇の山野草に興味を持つナチュラリストになったようだった。

曇りだったので暑くもなく快適だった。
雲が流れて山々が見えたり隠れたりと幻想的な眺めもよかった。

上ったあとは尾根のダウンヒルだ。
草が伸びてコースが判りにくいのでショウ君の後を1列で付いて行くよう説明された。スタートしてたった500mなのにマウンテンバイクで走る広大な牧野の魅力の虜になった。

「スゲ―!」、「キモチエー!」と、いろいろな歓声が後ろから前から聞こえていた。

続いてフラットコース

「ここはどこでも好きなところを走っていいですよ、自由にどうぞ」を聞いてみんな見えない紐から解き放されたようだった。

午前の部を早めに切り上げて、というよりかなりお腹一杯走ったのでタープ設営のため農業倉庫へ戻った。

この先にタープを張る。

農業倉庫に戻ったら各自昼食をショウ君の車に乗せてタープ設営の所に移動、みんなでやると10分足らずで本日のベース基地が完成した。

草原に豪華なスペースが完成して根子岳を眺めながらランチタイムとなった。席順は私やショウ君は根子岳を背に、遠くからお越しの方には根子岳を眺められるようにした。空にノスリだろうか時にホバリングしているだけで貸し切りの牧野には誰一人いない。気持ちいい風が吹き抜けて過ごすこのひとときも牧野ライドであり、走るのが苦手の方はここでゆっくり過ごすのも牧野ライドのスタイルになる。


わたしは家内の弁当、カップ麺の方もいれば、道の駅阿蘇で買ったあか牛ハンバーガーや、こちらはあか牛弁当。阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の資料によると、100gのあか牛を食べることで7.5㎡、約4畳半の草原維持につながるとされている。(このフレーズは、消費者に届ける牛1頭を生産するためには、繁殖から肥育にわたって約3ヘクタールの草地が必要とする数値から試算したもの)

長崎の川上さんがご当地のカステラを持って来られた。こんな食後の楽しみがあるとより牧野ライドの魅力が高まる。それに合うのがフレンチプレスで淹れるコーヒーだ。ショウ君は自身の牧野ライドのプランと同じく自家焙煎のコーヒーを振舞うためポータブル電源からIHクッキングヒーターでお湯を沸かした。風がある草原ではガスコンロでは時間がかかるので賢い選択だ。ちなみに牧野で火を使えるのは牧野ガイドがいる時だけに限られる。

実に楽しいひとときだった。午後からのライドを早めに切り上げて、ここでゆっくりした人のためにタープやテーブルはそのままにして、撤収はライド終了後が定番のスタイルだ。このような流れからランチは控えめに別腹の「おやつ」を充実したがいい。個人的な道の駅阿蘇で買える「おやつ」のおすすめは、豆の木のパネトーネとボストーク、それにイタリアッソのフレンチトースト、お菓子の味幸の阿蘇ミルクチーズプリンだろう。走るのでカロリー過多にはならないはず。

もちろん、ひたすら走りたい方や、参加者の気になるマウンテンバイクのインプレッションもいいだろう。牧野とフルサスのマウンテンバイクの相性の良さは抜群だ。

先日の阿蘇谷グラベルでは、12名中6台がCANYONだったがこの日は11名中4台がTREKだった。

午後からは根子岳方面へ行った。

まずは一番長い上りから折り返してのダウンヒル!

お山の大将になると日頃の毒素が抜けそうだ。

続いて尾根のお鉢巡り



牛道は牛の足跡の段差で難易度が高い。

こちらは水槽タンクの激坂上り
てっぺんからの眺め

ちなみに冬はこうだった。

明日にはこのように牛馬が戻ってくる。

そして下る。

根子岳に一番近いところに行ってみよう。

いい眺めだ。わたしたちが立っているのは右の杉林を守るための防火帯、輪地。草むらに鹿の子供が数頭いた。途中にはアナグマ、ウサギ、イノシシは不在のようだった。

根子岳のギザギザが見えなくて残念・・・

こんな見晴らしのいいところは、風通しのいいところで、そこには必ず牛がゆっくり過ごした証である糞が絨毯のようにある。

山野草に続いてショウ君の牧野講座は地層。
火山灰の地層から火山噴火や野焼きの歴史を探ることができる。ここはまったく石が混じらない土があることから、造園や家庭菜園の培養土として採掘しているため、このようにくっきりと色調が異なる地層を見ることができる。
地層には歴然と火山灰の跡を物語っている所があり、それはこの地の風土がもたらす宿命的な歴史の証であり、火山灰に覆い尽くされた世界だったと想像することができる。阿蘇はいいところだがこのような欠点は免れない。

地層見学のあとは元の所への上り返し

最後の写真を撮って戻ることにした。

防火帯の輪地を走って降りたところにウマノアシガタの大群生があった。ここは放牧地で明日にでも牛や馬が草を食むところだがウマノアシガタ、美味しいのだろうか。

通常牧野に入るのは冬季なので枯野か、野焼きの後の黒っぽい景色になるが、今回参加されたみなさんは、牛や馬が草を食べられるようになった新緑の草原がフィールドになった。
それも447ヘクタール、東京ドーム95個分の牧野を貸し切って愛車で駆け巡ることができたのだ。
牧野は芝生のように平坦でないので意外と疲れるのは意外だったろう。代わりに丘や尾根から下るみなさんの感想は、言葉では言い尽くされない凄い体験、素晴らしい一日になったことは表情を見れば一目瞭然だった。これからもこのような牧野体験をやりたいと思うのでチャンスを逃した方は次回挑戦していただきたい。

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