コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇谷グラベルライド」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。今回は5月10日(土)に開催した「阿蘇谷グラベルライド」についてです。
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熊本の平野部の地域より1か月ほど早く田植えシーズンを迎えた阿蘇谷、水を張った田んぼはまるで大きな鏡のようになり、阿蘇五岳が映る「逆さ阿蘇・逆さ涅槃像」を見ることができる。米の国、阿蘇には一直線の田んぼ道が碁盤の目のようにあり、この季節の風物詩は阿蘇サイクリングの魅力のひとつになるだろう。そこで5月10日の阿蘇満喫グラベルライドでは長めに田んぼ道を案内してみた。

残念ながら当日は風が強く「逆さ阿蘇」は見ることができなかった。でもかすかに山の形が映り込んで雰囲気だけは想像してもらえたようだ。予報では強い風が吹きそうなので予定していたかぶと岩林道は、風の影響をもろに受けるミルクロードを通っていくためキャンセルして、大観峰の麓近くを通る小倉林道と豊後街道、それにニベ塚の麓の牧野道にコースを変更した。
参加されたのは、ツールド沖縄でご一緒していた東京の岩佐さんと、1か月前に福島から福岡に引っ越された岩佐さんの自転車仲間のご夫妻、それに岩佐さんが昨年のニセコグラベルで知り合ったこのライドでも常連のよしたまさんと東さんも参加されていた。

前日はかなり雨が降ったので、いつもはこのようなドライな道が、

ウェット、

ぬかるんだところ、

水たまりが連続していた。
これを避けるためには、田んぼ道の両脇の草があるところや、中央の盛り上がったところ、モヒカンと呼ばれるがそこを走ることになる。ところが草に隠れた石やぬかるみという罠があったり、モヒカンはその段差でハンドルをとられて落車する場合がある。なのでそんな感じがしたときは水たまりに突っ込むしかない。

かなり盛り上がったが、これが連続するものだから自転車もジャージも泥まみれになる。

左の方はサドルバッグが防御になってあまり汚れていないが右の方は首まで泥が飛んでいる。家に帰ってこれを洗濯機に投げ込むなんて家族が許すだろうか。

それを防止するのがスウェーデンで最も雨が多いと言われる都市で生まれたブランドASS SAVERS(アスセイバー)のみなさんが持っているサドルレールに取り付ける簡易泥除けだが、カバーできる面積が狭いのでグラベルの泥はねには無力になる。
そこで前田さんが装着していたASS SAVERS の左右のシートステーに取り付けるリアフェンダー 「WIN WING 2 GRAVEL 」という泥除けの登場となる。このクリップオン式グラベルマッドガードは、膝から上までのライダーの背面全体を保護する。シートポストもしくはシートチューブに簡単取付けのフェンダー「Fendor Bendor Regular Special edition」というのもあるが「WIN WING 2 GRAVEL 」が最強らしい。

WIN WING 2 GRAVEL Special Editionはこんなところが似合いそう。

田んぼ道をつないで山田地区から700m近く上って小倉林道に入った。この日はぬかるみが多かった。

ぬかるみは空気圧が高いと滑って走り難い。

その点、チューブレスレディはかなり空気圧を下げられるのでグラベルライドでは有利だ。
わたしはクリンチャーなので3.0bar、チューブレスレディの方は2.0 bar程度だろう。ただ、グラベルライドでは、パンクやタイヤ脱落等のリスクを回避する目的でタイヤ側面に書いてある推奨空気圧の範囲が安全安心に違いない。

昨年から今年にかけての冬季は、林道に入ると杉やヒノキの伐採が多かったように感じた。伐採されると景色が開けて明るくなりとても走りやすく後続を待つ休憩ポイントにもいい。

グラベルライドで休憩にすると自転車談義が始まることが多い。この日はCANYON(キャニオン)が多かったので並べてみた。

8名の参加者で5台、井上君まで入れると6台になった。

1カ所だけある4差路で下から上ってくるASO VOLCANO TRAILの選手と遭遇した。
内牧のASO MILK FACTORYをスタートして、フィニッシュは南阿蘇村のアスペクタ、距離約115km 累積標高約5,200m、昨年1位のタイムは12時間34分、最終完走が27時間46分・・・この阿蘇カルデラ外輪山を一周するトレイルラン大会に全国から集まった700名近い選手が挑む。
わたしたちのコースは選手たちが上ってくる道を下る予定だったが、危ないのでそのまま真っ直ぐ上って212号に出ることにした。

このような道を上って212号から内牧方面に下り、福の神大黒天から田んぼ道で湯浦を横断してMARUGO DONUTSに向かった。

ここに移転されて2回ライドの途中行ったが完売だった。Demo Day in阿蘇のライドでは2日とも開店前と知りながらだったが店の紹介のために訪ねた。今回、5回目にしてやっと入店することができた。

阿蘇市坂梨にある木村とうふのおからと阿部牧場のASO MILK を使用したドーナツだ。




ハンドドリップのコーヒーも人気だがこの人数だと時間がかかりそうなのでテイクアウトだけにした。それにこの日の昼食は山に行くので弁当持参としており、ここから近い内牧の阿蘇中央公園で昼食と一緒に食べてもらうことにした。

古民家をリニューアルしてお洒落なドーナツカフェになった「MARUGO DONUTS」。田園の風景が広がる敷地は広いので気軽に自転車を置けるエイドとしてもおすすめだ。

昼食とドーナツは阿蘇中央公園の芝生に座って食べた。
昨年、設置された「ASO」のモニュメントと「くまモンカップルベンチ」はフォトスポットや、内牧商店街に近いのでテイクアウトして公園の木陰で休憩するのもいいだろう。

午後からは豊後街道へ行った。

田子山やそらふねの桟橋に行く人も通る道なので注意が必要。最初は上りになり登山用の階段口から下りになり散策の方もいるのでこちらも要注意。

二重の峠から下りた豊後街道は戦後植えた樹々に覆われ景色は閉ざされている。太陽光発電があるここだけは阿蘇山を眺めることできる。参勤交代のときはこの風景を眺めながら江戸を目指していたのだろう。太陽光発電のお陰で400年前と同じ景色が再現されたとは皮肉なことだ。

しばらく行くと草に覆われて見えないが階段区間になり次は谷川を渡る担ぎ区間になる。

シクロクロスをされているsatokoさんの担ぎはさすがだ。世界最大のグラベルレース「アンバウンドグラベル」のピーナツバター区間では、粘土の高い泥でタイヤが回らなくなり脱出するために担ぎは必須だ。

担ぎのあとは竹林の道、そして水たまりが待っている。

黄色い竹の葉の絨毯はフカフカして静寂なゾーンになる。

そして水たまり区間は一瞬で少年少女の頃に戻れる。


逆さ阿蘇は見えなかったが、逆さグラベルライダーが撮れたのでよしとしよう。

田んぼ道をつないでニベ塚に到着。

阿蘇谷の田んぼに水が入ると青空が映り美しい。

こんなこともしたくなる。

ニベ塚の牧野道は轍が深く真ん中のモヒカンを走らないと危ない。

でもこの日最後となるグラベルは最も阿蘇らしいものだった。このあとゆっくりサイクリングして道の駅阿蘇にゴールの予定だったが、バイクがあまりにも汚れたので井上君の工場横で洗車させてもらうことにした。

ちょっとこのままでは車に乗せられない。

井上君が洗車用具を一式用意してくれた。シャワーホースで水洗いのあと洗剤付きのスポンジで汚れを洗い流し、コンプレッサーで水を飛ばして乾かすという最高の終わり方である。

こちらはショウ君の洗浄機だがマキタの電動式のもの。電気は車に乗せている充電クーラーボックス用のポータブル電源で水は10Lのポリタンク。乾燥は他のマキタの工具と互換性のある充電式ミニブロアー。これらがあるとライド後すぐに洗えるので車を汚さないし、自転車を部屋に持ち込む際、家族からの視線にも優しい。リアフェンダーに洗浄機はグラベルライドの洗礼に加えたいアイテムだ。

北米大陸の広大な牧草地帯にある人口約2万5000人の都市エンポリアを起点にする世界最大のグラベルイベント「アンバウンドグラベル」は、現在のグラベルシーンで最も注目されるイベントになった。一番人気の100マイルコースの実際の距離は174km、獲得標高1,540m、グラベル率99%という。
ロードバイクで走る阿蘇満喫ライドは、距離80~100kmで獲得標高1300~1700mくらいになる。5月24日に走るコースは、距離96km、獲得標高1700mなのでアンバウンドグラベルのコースがかなりフラットであるかが分かる。
昨年、100マイルに参加された神楽坂つむりさんのレポートによると、「速度感は平地単独30km/h、集団35km/h、登りは15~20km/h程度」と書かれていたが、グラベルをこのスピードで走るのは相当早い。阿蘇カルデラの南北25 km 、東西18 kmの碁盤の目の真っ直ぐな田んぼ道がいい練習コースになるだろう。

ときどきだが田んぼ道を飛ばして走るのは実はそういうことなのだ。
いつかは世界最大のグラベルイベントで走ってみたいものだが、この中の誰かが来年あたりエントリーに当選して、緑輝くグレートプレーンズ大平原を駆け抜けると予想している。その際には大会の参加賞についているピーナツバターと呼ばれる粘土を増した泥を取り除くためのヘラ、あれを頂きたいのだがよろしいかな。


 

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